買いのマイルール ウィリアム・オニール編

もしも伝説の投資家が日本株を買ったら/ 日興フロッギー編集部

著名投資家の「買いのルール」とその候補銘柄を紹介する本連載。前回はウォーレン・バフェットのルールをご紹介しました。成功している投資家の手法を学んで、その「買いのルール」に沿った銘柄をチェックしてみましょう!
「買いのマイルール ウォーレン・バフェット編」を読む

プロフェッショナル② ウィリアム・オニール

今回ご紹介するのは、バフェットとほぼ同世代で、「CAN-SLIM」と呼ばれるノウハウを生み出したウィリアム・オニールです。1000銘柄以上の大化け株を詳細に研究し、業績だけでなく、株価チャートにも着目した投資手法は、オニール自身のみならず、多くの億万長者を生み出してきました。

オニール投資、6つの買いのルール

オニールの投資手法は、「業績に勢いがあり、株価の値動きも強い、小型株を見つける」というものです。また、これに加えて、売上高営業利益率やROE(株主資本利益率)が平均を上回っていれば、理想的だとも述べています。以上の条件を今の日本株に当てはめると、主に以下の6点にまとめることができます。

① 直近四半期営業利益の伸び率が40%以上
② 過去3年間の四半期営業利益伸び率の平均が25%以上
③ 過去3ヵ月間に年初来高値を更新している
④ 業種平均売上高営業利益率よりも高い
⑤ ROEが10%以上
⑥ 時価総額500億円以下

ウィリアム・オニール編① 急成長大化け株を捉えるための「CAN-SLIM法」を読む

オニール’s 「買いのルール」銘柄リスト

そこで今回はこのオニールの6つのルールで上場企業をスクリーニングしました。いずれも小型株のため、誰もが知る銘柄というわけではありませんが、業績と株価面ではピカピカな投資候補と言えるのではないでしょうか。

アクティブ会員100万人突破!【エニグモ】

オニールの6つのルールに合致する17銘柄のうち、売上高営業利益率が高い順に10社を以下に掲載しました。中でも、営業利益率が一番高かったのは「 エニグモ 」です。

同社は、個人がバイヤーとなり、アパレル中心に世界中のブランド品などを販売するソーシャルショッピングサイト「BUYMA(バイマ)」を運営しています。アクティブ会員数は2018年7月末時点で100万人を突破。注文に繋がりやすいアプリのダウンロード数が、前年同期比+47%(2019年1月期上期)となるなど、まさに成長真っただ中の企業と言えるのではないでしょうか。

金属加工業を支える世界トップメーカー【和井田製作所】

また、直近の営業利益の伸びが大きかったのは、「 和井田製作所 」です。同社は、岐阜県高山市に本社がある中堅工作機械メーカー。超硬合金(タングステンカーバイド)などの硬くてもろい材料を、ダイヤモンド砥粒を用いた回転砥石で加工する「特殊研削盤」を得意としています。海外からの評価も高く、世界でもトップメーカーとして知られています。

造船業や自動車産業、電気製品など、金属加工に関わるほぼすべての産業を支える「縁の下の力持ち」として、これからも活躍が期待されます。

マーケットの「高値サイン」を活用しよう

前回のバフェットのケースでは、PERが30倍以下であることも考慮し、割安な銘柄に絞り込みました。しかし、株価上昇トレンドが続いている場面では、バリュエーションが安く放置されるということはなかなかありません。また、自分がなにか重要な悪材料を見落としていることで、割安になっているという可能性もあります。

一方、今回のオニールのように、直近の業績が好調で、株価が高値を更新しているケースでは、多くの投資家が業績に自信を持っている証拠であり、短期・中期的には比較的容易に上がりやすい銘柄を探すことができます。こうしたマーケットの「高値サイン」を上手に利用するのも有効な手段の1つです。ぜひご自身の「買いのマイルール」にも活用し、その銘柄を買ってみてはいかがでしょうか。

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