20代からの老後資金づくり:3つのチェックポイント

知らなきゃ損するシリーズ/ 日興フロッギー編集部三輪もーにんぐ

「人生100年時代」という言葉をよく目にします。平均寿命が延びるのは喜ばしいことですが、人生が長くなった分、生活費などより多くのお金がかかります。そのため、早めに「お金」対策を始めるに越したことはありません。そこで今回は、「老後のことなんて見当もつかない」という若い方のために、20代のうちにチェックしておきたい3つのポイントをご紹介します。

※2024年5月10日に記事内容を更新しました。

20代からの老後資金づくり 3つのチェックポイント

1.老後に必要な金額は1億円!?
2.「厚生年金は年収に比例する」って知ってる?
3.ライフイベントに応じた複数の資金源を持っている?

チェックポイント1: 老後に必要な金額は1億円!?

まずは老後の生活にいくら必要か見てみましょう。総務省「家計調査」(2023年)によると、65歳以上無職の夫婦世帯の月間平均消費支出は約25万円とのこと。年間では約300万円です。100歳までの生活費は、60歳で定年退職をした場合で300万円×40年=1.2億円、65歳まで働いても300万円×35年=1.05億円です。つまり、「人生100年時代」の老後の夫婦に必要な生活費は、軽く1億円以上となります。

もちろん老後は以下の表のように、公的年金(国民年金や厚生年金)という収入がありますが、はたして公的年金だけで生活費をまかなえるのでしょうか。

チェックポイント2:「厚生年金は年収に比例する」って知ってる?

国民年金は一律の年金保険料を支払い、加入期間に比例した年金が支給されるものです。一方、厚生年金は加入期間だけでなく収入の増減によって、将来もらえる年金額が変わります。なぜならば、厚生年金は国民年金部分に該当する「基礎年金」と、収入(報酬)に比例して増減する「報酬比例部分」の2つの部分からできていて、後者の「報酬比例部分」が「収入×加入期間」に応じて違いが出る部分ためです。

例えば、大学を卒業後22歳から60歳になるまで38年間会社員として働いた場合、65歳からもらえる厚生年金の金額を、年収別におおまかに試算すると以下のようになります。

38年間厚生年金に加入している場合、平均年収が100万円上がると報酬比例部分の年金額はひと月あたり約1.4~1.8万円多くなります。したがって、20代に、仕事や自己啓発に励んで収入を増やすことが、仕事のキャリアに役立つだけでなく、老後の生活の助けにもなるのです。

チェックポイント3:ライフイベントに応じた複数の資金源を持っている?

今後、結婚資金や子どもの教育資金、マイホームの購入資金、さらには将来の老後の生活資金など、ライフイベントに応じてまとまった資金が必要になります。そこで、20代のうちに習得しておきたいことの一つが、目的に応じて複数の資金源を持ち、お金を増やす習慣を身につけることです。

大きな資金がない若いうちは、給料のなかからコツコツとお金を積み立てて資産を増やしていくことが大切。そこでぜひオススメしたいのが「NISA」(ニーサ:少額投資非課税制度)と「iDeCo」(イデコ:個人型確定拠出年金)です。

「NISA」と「iDeCo」でおトクに積み立てて増やす

NISAもiDeCoも月や年単位などで一定額を積み立て、自分があらかじめ指定した投資信託などで運用をします。通常、運用益や預金の利子には20.315%の税金がかかりますが、NISA やiDeCoではこの税金がかかりません。運用益の一部を税金に取られることがなく再投資できるため、効率よく資産づくりができます。

これら2つは併用することができますが、「老後の資金」として限定するなら、まずは所得控除もできるiDeCoから始めることをオススメします。ぜひ2種類の非課税制度をうまく活用しながら、ライフイベントに応じた資金計画を立ててみてください。

そのほか、「財形貯蓄」も利子にかかる税金が非課税になる制度です。勤務先に「財形貯蓄」がある人は、手軽に給料から天引きで貯蓄ができるため、活用するのがオススメ。天引きでお金を貯めつつ、NISAなどで節税しながら増やす方法も試して、「人生100年時代」に備えてみてはいかがでしょうか。

<まとめ>
「老後の生活なんて見当もつかないが不安」という20代の今すべきこと
①老後の生活費を把握
②キャリアアップをして収入を増やす
③将来のために少しずつ資金づくりを始める。
老後の資金源になるだけでなく、今後のライフイベントを支える資金源にも!