関西とインドでひっぱりだこ!? 大林組と関西ペイントが新たに追加 2月の日興ストラテジー・セレクション

ここが狙い目! 日興ストラテジー・セレクション/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

社会のニーズをキャッチして業績拡大する企業など、今の投資環境をもとに旬な銘柄を毎月選定している「日興ストラテジー・セレクション」。2月号ではゼネコン大手の「大林組」と、建設や自動車塗料を手がける「関西ペイント」が新規追加となりました。これらの投資ポイントをチェックして、投資候補のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。

イベント盛りだくさん! 追い風続くゼネコン大手「大林組」

国際的なビッグイベントの開催や、消費増税前の駆け込みなどで賑わう建設業界。なかでも関西地域では、2025年の大阪万博開催や、それに先駆け2024年開業の検討が進められている統合型リゾート(IR)など、大型プロジェクトが控えています。これらの会場建設地となる大阪・夢洲(ゆめしま)および付近一帯エリアでは、開発・建設・施設整備工事などのニーズが拡大しています。こうした需要が特に追い風になるとみられるのが、関西を地盤とする大手ゼネコンの「 大林組 」です。

独自技術で夢洲の未来社会をリード

大林組は、2018年12月に「大阪万博・IR室」を社内に設置。これまで培ったノウハウを最大限に活用しながら、夢洲の開発や関西経済の発展に積極的に取り組む体制を整えています。

毎年おなじみ、高校球児やファンに夢と感動を与えてくれる「阪神甲子園球場」や、世界一の高さを誇る「東京スカイツリー®」を手がけたのも大林組です。地震の多い日本で、揺れに強い技術や工法を次々と開発している同社。夢洲から世界に提案する未来社会に期待が膨らみます。

抜群の収益性で、業績に安定感

首都圏再開発や大阪再開発など、活発なニーズ取り込みを図る同社は、18年3月期で7期連続増収・4期連続増益を達成しています。建設業の収益性を表す「完成工事総利益率」も上昇基調。業界内での極端な価格競争も見られず、受注時採算も安定的に推移している様子です。イベント施設開発といった一時需要に限定されない安定的な業績推移に期待が持てそうですね。

完成工事総利益率=完成工事総利益÷完成工事高×100
⇒施工している工事に対して、どれぐらい効率的に利益を稼げているかを表す指標

塗装のスペシャリスト「関西ペイント」

熱い関西といえば、「 関西ペイント 」にも注目です。国内最大手級、世界9位の総合塗料メーカーの同社は2018年5月に創業100周年を迎え、新たな100年への可能性をスタートさせました。ひとくちに塗料と言ってもさまざまで、自動車用、建築用、船舶鉄鋼用、工業用、etc……。そのうち自動車用28%、自動車補修用6%と、自動車関連塗料が同社売上の3割強を占めています。

13億人のマーケットをもつインドでニーズ拡大

自動車用塗料に強みを持つ同社の売上をヒートアップさせているのがインドです。海外売上高比率65%とグローバルに展開している同社ですが、なかでもインドの比率は20%で同社にとって中核市場。業績はインド経済拡大の恩恵を受けやすいと言えます。

インドにおける建築用塗料のシェアは2位、自動車用塗料はスズキ向けを中心に供給し、シェアトップの座を誇ります。国・地域の一人当たり名目GDPが1000ドルを超えると建築塗料の需要が拡大、3000ドル超では自動車などの耐久消費財の売り上げがさらに伸びると言われています。2017年のインドの一人当たり名目GDPは1976ドルと、自動車塗料のニーズのさらなる高まりが期待できそうです。

将来への「布石」、成長市場アフリカへも進出!

2019年3月期第2四半期は、原料価格の上昇や新興国通貨安に伴い、営業利益は前年同期比23.3%減。しかし、アフリカへの進出も進めており、将来的な成長市場の獲得も視野に入れています。利益減少を背景に、昨年から株価は踊り場にあるものの、新興国市場の潜在的な成長を加味すると、押し目買いの好機である可能性も考えられます。これからの成長が楽しみな企業のひとつと言えそうですね。

インドと関西、遠く離れた地での活躍に期待

2025年にかけてビッグイベントが相次ぐ関西と、耐久消費財のニーズ増加が見込まれるインド。遠く離れた2つの地域ですが、それぞれで活躍が期待される2社が今回は新規採用となりました。力強い業績の伸びとともに、株価の上昇も期待したいですね。

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