あなたは今の自分に満足していますか? 自分を変えたいなら、「投資」をしてみると良いかもしれません――。
この新連載では、スゴ腕投資家さんにインタビューして、「投資をして人生がどう変わったか」を教えていただきます。仕事や人間関係で今の自分にモヤモヤしている人は必見です!
営業ノルマがつらすぎて、「お金儲けの神様」にすがる
いや〜、とにかく仕事がストレスだったんですよ。
僕が就活をしたのはバブル真っ盛り。豪華なホテルの説明会に行って、イスに座れば内々定って時代なんだから、人生をなめないほうが不思議だよね。
でもそんなゆるい生活が、新卒で入った食品メーカーで一変しました。バリバリの営業部隊に配属されてノルマに追われるうちに、精神的にやばくなってきちゃって。会社が掲げる「明るく元気よく、即断即決」の要素が自分には1つもないんだから、どうしようもない(笑)。
そこで転職のために資格を取ろうとしたんだけど、中途半端な自分はすぐに挫折……。もうどうしようもなくなってすがったのが、当時「お金儲けの神様」と呼ばれていた邱永漢(きゅう えいかん)さんの影響で始めた、株式投資でした。社会人2年目のことです。
サラリーマン生活におさらばするには、年５００万の配当！
株を始めたときの目標は、「1億円貯めて、配当利回り5％の株を買って年間500万円の配当生活をすること」。ひとり暮らしなら、500万あれば生活できるなって。ほんと、とにかくサラリーマン生活を辞めたかったんですよ。
この目標を達成するために食品メーカーを辞め、月収はたったの20万だけどちょっとでも精神的ストレスが少なくて済みそうな清掃作業員になり、仕事以外の時間をすべて株につぎ込みました。もちろん最初はうまくいかず、数知れぬ失敗を経験した。そのたびに勉強し、少しずつ「バリュー投資」という自分のスタイルを身につけていったんです。
インパクトとして大きかったのが、2000年代にインターネット環境が整い、個人投資家がネット証券で安く株式を買えるようになったことですね。同時に、個人投資家同士もネット上で情報交換できるようになり、どんどん投資環境が良くなっていきました。そして2005年、小泉改革の影響で株価が高騰! 僕も大きく儲け、そこから山谷を乗り越えながら資産を増やしました。
ストレスゼロだけじゃなく、愚痴も１００％ゼロに
念願かなってようやく会社を辞められたのは、2014年のことです。その前年に資産が2億円を突破し、これでもう大丈夫だなって思えました。最初の試算では1億円でしたが、月収がなくなってキャッシュフローが悪化する重圧を感じ、やっぱり1億5000万円くらいは必要かなって。
目標の配当金生活まで20年かかってしまいましたが、今は夢に描いた毎日で、自由を手にしています。
配当金生活のなにがいいって、ストレスが全くないことですよ! 清掃作業員の仕事は負担が少ないとはいえ、わずらわしさがゼロではなかった。他部署に提出しなきゃいけない大量の書類、クライアントからの単価見直しとその対応……。ただ黙々と掃除する以外のことも、会社員だとやっぱりある。そういうもの一切から離れて、晴れて自由の身になったら、あれほど言っていたグチを全く言わなくなりました。
もし23歳のときに株を始めていなかったら、清掃作業員の仕事をずっと続けていたでしょうね。退職した時点でも給料は手取り20万円、退職金は53万円。65歳の定年までいても、そんなに上がらなかったでしょう。
生涯賃金2000万〜3000万円を得て、あとはわずかな年金と貯金で食いつなぐ老後を送る、ある意味、大勢の人が陥る典型的なパターンになっていたと思います。お金は減る一方で、増えることなどもう絶対にない。
配当金だけで生活し、好きなときに旅行を楽しむ現在とは、180度違う人生を送っていたことでしょう。
僕、株の効用で「若返る」
そういえば最近、周囲のみんなから「表情が明るくなった」と言われるんですよ。ストレスがなくなったおかげで、気持ちが若返ったんでしょうか。妹からも、「お兄ちゃん、前は暗い顔ばっかだったのに、今は毎日ニコニコしてる」って。いやいや、どんだけ会社辞めて楽になったんだって(笑)。ほんとうに自分は会社員生活というものに向いてなかったんだと思います。
でも思うに、「若返る」というのは株の大きな効用の一つですね。なぜなら株というのは未来を予測するものであり、基本的に前しか見ていない。
株式投資を中心にした日々を送っていると、その思考パターンが100％伝染してきて、いつのまにか僕自身も、過去をウジウジ悔やんだりせずに「前しか見ない」人生を送るようになっていました。
みなさんもぜひ、株を始めてストレスフリーの人生を目指してみてはいかがでしょうか。株も人生も「前を見たもん勝ち」ですよ。
