30代からの老後資金づくり:4つのチェックポイント

知らなきゃ損するシリーズ/ 日興フロッギー編集部三輪もーにんぐ

30代は結婚や出産、育児にマイホーム購入など、重要なライフイベントが目白押し。子どもの教育費やマイホームの頭金など大きな資金のやりくりに悩むことが増えてきたのではないでしょうか。しかし、目の前の出費に気を取られ、おろそかになりがちなのが自分たちの老後の準備です。ここでは、老後に必要なお金の目安と、どのように老後の資金づくりをしていくかについて考えていきましょう。

※2024年5月10日に記事内容を更新しました。

30代からの老後資金づくり 4つのチェックポイント

1.公的年金でもらえる額を把握してる?
2.老後の生活費を把握してる?
3.老後のインフレ対策はできてる?
4.「iDeCo」や「NISA」を活用してる?

チェックポイント1:公的年金でもらえる額を把握してる?

まず、老後の重要な収入となる公的年金を把握することから始めましょう。大学を卒業した年(22歳)から60歳まで38年間会社員として働いた場合、おおまかに試算すると、65歳からの厚生年金受給額は以下のようになります。

また、自分の年金受給額に加えて、収入源として考えたいのが、①配偶者の年金額と、②退職金(会社員の方のみ)です。

①配偶者が仮に同年齢で、22歳から29歳までパート・アルバイト(国民年金第1号)で30歳で結婚し、そこから59歳まで扶養(国民年金第3号)だった場合は、老齢基礎年金(国民年金)として月6.5万円が支給されます。
②退職金は、平均すると約1900万円支払われるのが一般的です(厚生労働省「就労条件総合調査結果の概要」(令和5年))。

チェックポイント2:老後の生活費を把握してる?

次に支出面を見てみましょう。いわゆるふつうの定年後の夫婦世帯では、月間の平均消費支出は約25万円と言われています。ただし、賃貸で暮らす場合はこの金額にプラスして家賃がかかることになります(世帯主の年齢が65歳以上で、2人以上の世帯(年金夫婦世帯)のケース)。

夫婦で共働きなら「厚生年金+退職金」×2人分で暮らしていける

マイホームがあり、夫婦共働きでともに60歳まで会社に勤務したとすると、2人分の厚生年金で毎月の生活費約25万円がおおむねまかなえます。では試算してみましょう。

ただし、住宅ローンが残っているケースや、退職金がないケース、旅行など余裕のある生活を送りたい場合などでは、公的年金だけでは足りない可能性があります。

チェックポイント3:老後のインフレ対策はできてる?

上記の試算はあくまでも現在の年金や生活費に基づいています。しかし、30年以上先の老後の準備をする時に、最も考慮しなくてはならないのは物価の上昇により、お金の価値が下がってしまう「インフレリスク」です。

たとえば、インフレ率1%で毎年物価が上がっていくとすると、いま35歳の人が年金を受け取れる65歳を迎えるころには、物価水準は現在の約1.3倍になります。つまり、現状では毎月の生活費が25万円となっていますが、30年後には約32.5万円必要ということになります。

ところが、年金でもらえる額はあまり増えません。30年後に生活費が32.5万円になっても公的年金だけで暮らしていけるのは、現時点で平均世帯年収が1100万円以上の高収入夫婦くらいです。

厚生労働省の「国民生活基礎調査」(平成29年)によると、世帯年収が1100万円以上の世帯は全体のたった10%とのこと。インフレが起きたとき、約9割の世帯で年金だけでは生活するのが難しくなる可能性があるのです。

インフレリスクに強い資産は株式や投資信託

我々にとって馴染みの深い「預金」も金融商品のひとつですが、銀行などへの預金はインフレに弱いです。1つの金融機関につき元本1000万円とその利息までは保証されていますが、預金金利は低く、インフレが起こった場合は物価上昇のインパクトが大きいと、預金は相対的に目減りし、生活が圧迫されてしまいます。

一方、インフレに強い金融商品は株式や(主に株式で運用する)投資信託です。株式や投資信託の場合、インフレ局面、つまり景気が上向いているときには企業業績が良くなり、配当金や分配金などが増える傾向があります。また、株式や投資信託そのものの値上がりによって、売却益も期待できます。したがって、インフレになって物価が上がっても、増えた配当金や売却益を生活費に充てることができるのです。

しかし、株式や投資信託は日々値動きがあるものです。投資環境や投資対象によっては、元本割れする可能性があることは頭に入れておきましょう。そのため、インフレに強い株式や投資信託などの金融商品と預金などの元本保証の金融商品をバランスよく持つことが大切になります。

チェックポイント4:「iDeCo」や「NISA」を活用してる?

老後の資金づくりのために、株式や投資信託で投資・運用をする際、ぜひ活用したい制度が「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」と「NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)」です。

iDeCoは60歳になるまでの間、お金を積み立てながら投資信託や預金・保険商品で投資・運用していける任意の私的年金制度です。年金制度なので60歳になるまで積立金の引き出しはできません。しかし、iDeCoで積み立てる掛金は全額所得から控除、運用益は非課税、受け取るときには公的年金等控除や退職所得控除といった大きな控除があり、節約になります。

NISAは2024年以降、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠を活用することができます。つみたて投資枠では年間120万円まで、成長投資枠は年間240万円までが非課税枠となっており、18歳以上であればどなたでも申し込むことができます。また、いつでも売却や引き出しが可能です。
ご自身の日々の収支などを考慮しながら、無理のない範囲内で「老後の資金準備」をしてみてはいかがでしょうか。

<まとめ>
「結婚や住宅の購入など、目の前のお金のことで頭がいっぱい」という30代が今すべきこと
①自分がもらえる年金額を把握する
②老後の生活費をざっくりでいいので把握する
③将来のインフレ対策として、株式や投資信託を持つ
④「iDeCo」や「NISA」など、非課税の制度を活用する