PERで読み解く東京エレクトロン

月曜日はPERをトコトン!/ 日興フロッギー編集部武田 侑大

「PERで読み解くセブン&アイHD」を読む
名実ともに新年度入りとなった株式市場。3月25日のように株価が大きく変動するような局面では、代表的な投資指標であるPERなどを用いてお気に入りの銘柄の割安度をチェックしてみましょう。PERは株価を1株あたり利益(EPS)で割ることで計算でき、一般的には10倍、15倍というように倍率で表され、倍率が高くなれば割高、低くなれば割安と判断します。

PER=株価÷1株あたり利益(EPS)
(もしくは、時価総額÷当期純利益)

PERから見ると調整局面は終了間近?

昨年から株価下落の要因として取り上げられる米中貿易摩擦。半導体株はその影響が懸念される前から、米国の利上げなどの影響により、大きく調整局面にありました。そのため、PERがここ数年の最低水準まで落ち込んでしまっている企業もあります。そこで今回は、まだ景気減速の出口は見えないながらも、PERから見ると株価がすでに景気減速を織り込んでいるケースについて見ていきます。

case26:東京エレクトロン

今回取り上げるのは、半導体製造装置を手掛ける「 東京エレクトロン 」です。半導体はPCやスマートフォンなどあらゆる電子機器に搭載されています。自動運転や遠隔医療、フィンテックなどの最先端分野においても半導体ニーズが高まりつつあり、ここ数年で大きく業績を伸ばしてきました。

予想PERは2010年以降の最低水準に

しかし、2018年度下期以降、米中貿易摩擦による景気減速や、スマホ需要の低迷などから半導体に対するニーズが低下。予想PER(東洋経済予想)も2010年以降で最低水準に低下していることが読み取れます。

景気減速も、半導体のニーズは根強い

先週、ドイツの景況感の悪化などから、日経平均株価が前日比700円超下落する場面がありました。こうしたことからも、世界的に景気が低迷しつつあることは事実と思われます。ただ、自動車の電装化やIoT(あらゆるものがインターネットで繋がる状況)社会の実現は着実に進展しており、半導体に対する需要は根強いと考えられます。

2019年1月に公表された日本半導体製造装置協会の見通しによれば、2019年度は半導体製造装置などに対する需要はいったん落ち込むものの、2020年度には5G通信やIoTの広がりなどから再び成長軌道に回帰するとのこと。景気減速による影響はもちろんありますが、その落ち込みが軽微であるならば、いまの株価は割安な水準とも判断できるのではないでしょうか。

注目は5月の「中期経営計画」アップデート

目先の注目ポイントは、5月に公表される予定の「中期経営計画」のアップデートです。
同社は通常5月下旬に経営方針説明会を実施しており、今年も中期計画についてのアップデートを行うものと考えられます。2019年度業績をどの程度厳しいものと予想し、2020年度の需要回復について投資家が納得できるようなストーリーを示せるかどうか、いつも以上に注目が集まりそうです。

<PERの読み解き方3ヵ条>
①これからの業績を考える
②会社の人気度を考える
③投資家の心理を考える

今回は、①③から東京エレクトロンを見てきました。米中貿易摩擦やスマホ需要の低迷などから2010年以降の最低水準にある同社の予想PER。ただ、5G通信やIoTの広がりなどから、半導体に対するニーズの大きさに変わりはなさそうです。もし早期に景気減速による影響が収まるようであれば、現時点の株価は割安とも判断できそうです。5月の中期経営計画をチェックしつつ、投資を検討してもよいかもしれません。

本記事は、PERを解説するものであり、素材として取り上げた企業への投資を推奨するものではありません。原則として原稿作成時点における情報に基づいて作成しております。また、記載された価格、数値等は、過去の実績値、概算値あるいは将来の予測値であり、実際とは異なる場合があります。投資に関する最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。