贅沢は貧しさの反対語と考えている人もいるけれど、それは間違い。下品さの逆です。

世界中で輝きを放つラグジュアリーブランド、シャネル。その創業者であるココ・シャネルは、数多くの名言を残している。貧しい孤児からデザイナーとなり、腕一本で「シャネル帝国」をつくりあげた女性なのだから、その言葉には重みがある。特にこの名言は、「贅沢＝お金」という考えを「そうではない!」と喝破する。実際、彼女は高級素材ばかりの業界にジャージー素材のドレスを持ち込んだり、本物のパールとイミテーションのパールを組み合わせたり……。洋服を通して、「お金だけじゃなく、センス次第でオシャレはできるのよ」という価値観を示した。働く女性に支持されたツイードのシャネルスーツ、黒を取り入れたシックなドレス。シャネルは常に「精神的な贅沢さ＝品のある装い」を追求し、一歩も引かなかった。その結果、莫大な富と名誉、数々の愛を手に入れる。お金は“結果”であり、決して“目的”ではないのだね。