海外旅行から工場見学まで! 夢がふくらむ【抽選のある優待】10選

優待ライター厳選! 今月の株主優待/ 日興フロッギー編集部吉本ユータヌキ

「もらって嬉しい株主優待。知っておくべき基本のキ」を読む
株主優待といえば、自社商品や優待券などをもらえるイメージがあると思いますが、中には「抽選でもらえる」優待を実施している企業もあります。

気になる抽選優待の中身はというと、たとえば10万円以上もする海外旅行だったり、普段は入ることのできない工場やオフィスの見学だったりと、かなり魅力的です。しかも、誰でも応募できるオープン懸賞などと比べ、「株主限定」なので当選できる可能性がグンとUP!

そこで今回は、通常の株主優待に加え抽選優待がある銘柄の中から、海外旅行が当たるシステム情報やクロスプラス、工場やオフィスの見学会を実施しているロック・フィールドや本田技研工業、抽選で音楽イベントなどのチケットがもらえるアミューズなど、10銘柄の情報をお届けします。

ココがポイント! 抽選のある優待銘柄の選び方

抽選のある優待銘柄も、選び方の基本は通常の場合とまったく変わりません。優待内容をチェックするのはもちろん、必要な投資金額(株価×必要単元数)、そして直近の業績や今期の業績予想は必ず確認すること。優待廃止や改悪のリスクを減らすためにも、赤字予想の銘柄は避けたほうがよいでしょう。

また、「抽選優待のみ」という優待銘柄もありますが、その場合は抽選に外れると何ももらえません。ですので「対象の株主なら誰でももらえる優待」+「抽選優待」の2本立てスタイルがおすすめです。

では、具体的にはどんな銘柄があるのか。ここからは、「海外旅行」「工場・オフィス見学」「エンタメ系」の3つの分野の抽選優待を見ていきましょう。

抽選優待の花形! 海外旅行が当たる4銘柄

なんと50万円相当分の旅行券!【タキヒヨー】

■銘柄名(コード):タキヒヨー(東1:9982)
■権利月:2月、8月
■最低投資金額:37万800円(7/11終値1854円×200株)
■配当金額(会社予想):40円
■予想配当利回り:2.15%

江戸時代に呉服商としてスタートした「 タキヒヨー 」。現在はアパレル製品の商社として、大手衣類量販店や百貨店など幅広い企業にさまざまなアパレル製品を卸しています。

通常の株主優待は、200株以上で社長こだわりのオリジナルギフトです。内容は毎回変わりますが、たとえば前回は有松絞り扇子で、前々回は栃木レザーのセレモニーケースでした。さらに、2月のみ200株以上で抽選10名に、なんと50万円相当分の旅行券が当たります

旅行先は、自社の海外拠点があるニューヨーク、ミラノ、香港、上海、青島、ソウルのいずれかです。19年2月の場合は、200株以上保有の株主数が5639名で当選倍率は約560倍でした。なお、2020年2月期の会社計画は、営業利益、経常利益ともに大幅増で最終利益については黒字転換を見込んでいます。

50人という当選人数が魅力的!【システム情報】

■銘柄名(コード):システム情報(東1:3677)
■権利月:9月
■最低投資金額:11万円(7/11終値1100円×100株)
■配当金額(会社予想):14円
■予想配当利回り:1.27%

システム情報 」は、各種ソフトウェアの設計・開発などを手がけるシステムインテグレーターです。足元の業績は好調で、2019年9月期の会社計画は2ケタの増収増益を見込んでいます。また、5円の増配(株式分割考慮後)も予定しています。

2016年から導入した株主優待は、当初からQUOカードと旅行券の2本立て。QUOカードの優待は、100株以上で500円分、1000株以上で1000円分ですが、今回から長期保有優遇制度を導入。1年以上の継続保有ではQUOカードの金額がそれぞれ2倍に、3年以上なら4倍にアップします。

一方、海外旅行券の株主優待は、抽選で50名に10万円分。行く先の決まりなどはなく、50名と当選人数が比較的多いのも魅力です。ただ、前回は株主数5223名(2018年9月30日現在)で、当選倍率は約104倍でしたが、今年5月に1:2の株式分割を実施していて株式数が増加したため、去年までと比べると当たりにくくなるかもしれませんね。

3年以上の継続保有なら当選確率がアップ!【クロスプラス】

■銘柄名(コード):クロスプラス(東2:3320)
■権利月:1月
■最低投資金額:6万2500円(7/11終値625円×100株)
■配当金額(会社予想):10円
■予想配当利回り:1.60%

老舗婦人アパレルメーカーで、量販店向けや専門店向けの卸売大手でもある「 クロスプラス 」。ネット通販の強化や販路拡大に取り組むことで、2020年1月期の会社計画は増収増益を見込んでいます。また、現在策定中の中期経営計画では株主還元の強化を明記していて、今期は4円増配の予定です。

株主優待は、100株以上で3000円相当、500株以上で5000円相当、1000株以上で1万円相当の自社選定商品またはオンラインショップで使えるクーポン券です。前回の100株保有での自社選定商品は黒のTシャツワンピースでした。

そして抽選優待は、100株以上で10名に30万円相当の旅行券。3年以上の継続保有株主には、別途抽選で2名に同様の旅行券が当たるため、長期保有なら当選する確率がアップするのがうれしいポイントです。なお、2019年1月末現在の株主数は9967名で、長期株主を含まない単純計算での当選倍率は約1000倍弱でした。

18歳以上の家族へなら旅行の譲渡OK【シークス】

■銘柄名(コード):シークス(東1:7613)
■権利月:12月
■最低投資金額:13万7400円(7/11終値1374円×100株)
■配当金額(会社予想):28円
■予想配当利回り:2.03%

シークス 」は、部材調達から製造、組立などまで一貫して手がける、電子機器製造受託サービス(EMS)の日本の草分け的存在です。海外14ヵ国に50ヵ所に拠点があり、抽選の優待で当たる海外旅行ではそうした海外拠点工場の視察も行います。2019年12月期の会社計画は増収増益の見込みで、1円の増配も予定しています。

優待内容は、まず100株以上で1000円相当、500株以上で2000円相当、1000株以上で3000円相当のVISAギフトカード。また、1年以上の継続保有者が対象ですが、抽選で10名に2月頃に実施される海外工場の視察を含む旅行が当たります(旅行金額は非公表)。

ちなみに、2017年と2018年の行き先はフィリピンでした。公式サイトには、「当選の権利を二親等以内の家族(18歳以上に限る)へ譲渡可能」と明記されているので、日程的に参加が難しい場合なども権利を有効活用できるのは安心ですね。

普段は見られない内部に潜入!? 工場・会社見学が当たる4銘柄

お惣菜の試食も楽しみな見学会!【ロック・フィールド】

■銘柄名(コード):ロック・フィールド(東1:2910)
■権利月:4月、10月
■最低投資金額:14万6000円(7/11終値1460円×100株)
■配当金額(会社予想):32円
■予想配当利回り:2.19%

デパ地下でおなじみの惣菜店「RF1」や「神戸コロッケ」、「グリーン・グルメ」などを、全国に318店舗展開する「 ロック・フィールド 」(2019年4月末現在)。2020年4月期は最終利益こそ若干減益ですが、増収営業増益を見込んでいます。また、今期から株主優待制度の拡充を発表、4月に加えて10月も「おそうざい券」をもらえるようになりました。

詳しい優待内容は、4月は200株以上で1000円分、500株以上で3000円分、1000株以上で1万円分、3000株以上で1万5000円分、5000株以上で3万円分のおそうざい券。10月は、100株以上で一律1000円分のおそうざい券です。また、4月については5年以上の継続保有でもらえるおそうざい券の金額がアップします。

そして4月と10月に、100株以上で「ファクトリー・オフィス見学会」への招待があります。こちらは応募式ですが、かなりの人気で毎回抽選のようです(定員は非公表)。工場見学の後には、毎回自社の総菜の試食会が行われるのも人気の理由かもしれませんね。

旅館で使うあの固形燃料の製造工程が見られるかも!【ニイタカ】

■銘柄名(コード):ニイタカ(東1:4465)
■権利月:5月、11月
■最低投資金額:14万4200円(7/11終値1442円×100株)
■配当金額(会社予想):26円
■予想配当利回り:1.80%

フードビジネス業界に向けて、業務用洗剤や洗浄剤、固形燃料などを製造・販売している「 ニイタカ 」。特に、固形燃料については、国内トップシェアで60%以上を占めています。2019年5月期は、食の安全・安心意識の高まりから洗剤や漂白剤などの需要が拡大していて、会社計画は増収増益の見込みです。

今期から一部変更になった株主優待の内容は、100株以上では、5月と11月に500円分のジェフグルメカード。1000株以上の場合は、5月は5000円分の日本旅行ギフト旅行券、11月は5000円分のジェフグルメカードまたは自社グループ製品詰め合わせです。

また、お目当ての工場見学会の優待は、5月時点で100株以上3年以上の継続保有者20名程度が対象です(応募者多数の場合は抽選)。3年も株を持ち続けるのは少しハードルが高めかもしれませんが、その分当選の確率も高くなるかも!?

役員や社員とのランチ&見学会!【トラスコ中山】

■銘柄名(コード):トラスコ中山(東1:9830)
■権利月:12月
■最低投資金額:23万900円(7/11終値2309円×100株)
■配当金額(会社予想):39円
■予想配当利回り:1.68%

工場などで使われるプロ向けの副資材(工具や機器類)を取り扱っている「 トラスコ中山 」。足元の業績は堅調で、2019年12月期は2円の増配も予定しています。株主優待は、100株以上で5000円相当、1000株以上で1万円相当の優待商品(選択式)です。自社商品のほか、日用品や食品などから、保有株数に応じて商品を選ぶことができました。

一方、見学会は「隠れ優待」とも言える存在で、12月末だけではなく6月末の株主も対象になります。どちらも100株以上の保有が条件で、12月末の株主は「物流見学会」、6月末の株主は「東京本社見学会」に応募が可能です。

募集人数の総数は、前回の「物流見学会」は300名、「東京本社見学会」は100名で、当選した場合は同伴者1名も参加できました。またどちらの見学会も、役員や社員も参加する昼食会付きでした。IRサイトにはそれぞれの見学会が画像付きで詳しく掲載されているので、応募の前に様子を確認することもできますよ。

クルマとホンダが好きな人に!【本田技研工業】

■銘柄名(コード):本田技研工業(東1:7267)
■権利月:3月/6月/9月/12月
■最低投資金額:28万4400円(7/11終値2844.0円×100株)
■配当金額(会社予想):112円
■予想配当利回り:3.93%

誰もが知っている自動車と二輪車の大手メーカー「 ホンダ 」。株主優待は、3月、6月、9月、12月の年4回実施していて、そのうち6月と12月の優待が抽選制です。

まず3月は、100株以上で「鈴鹿サーキット」または「ツインリンクもてぎ」で使える優待券1枚(5名まで利用可)。9月は、100株以上を3年以上継続保有した場合に、Hondaオリジナルフレーム切手(62円×2枚)がもらえます。

次に抽選の優待ですが、6月は100株以上で事務所視察会やレース・イベントの招待、カレンダーで、いずれも応募式で募集人数を上回ると抽選になります。工場見学ではありませんが、「ホンダの事務所の視察」というのも滅多にない貴重な機会ではないでしょうか。

また12月の抽選優待は、クルマ好きなら見逃せない全国各地で開かれるホンダの有料イベント「Enjoy Honda」への招待で、こちらも応募制です。ちなみに、配当利回りが3.93%(7月11日終値で計算)と相対的に高いので、優待だけではなく配当面でも注目したい銘柄です。

音楽&アニメ好きは要チェック! エンタメ系の抽選2銘柄

人気の大型音楽イベントに招待!【アミューズ】

■銘柄名(コード):アミューズ(東1:4301)
■権利月:3月
■最低投資金額:25万1400円(7/11終値2514円×100株)
■配当金額(会社予想):35円
■予想配当利回り:1.39%

アミューズ 」と言えば、サザンオールスターズや福山雅治、星野源など、人気アーティストや俳優を多数抱える大手芸能プロダクション。抽選で当たる優待にも、毎回音楽などエンタメ系のものが含まれています。

前期は期初予想を大きく上回り、大幅な増益を達成しましたが、2020年3月期は大型イベントや大型音楽作品のリリースが減少することから、会社計画では2ケタの減収減益を見込んでいます。

詳しい優待内容は、100株以上で全員にオリジナルグッズ。2019年は「尾道帆布ポーチ」でした。また、抽選優待も100株以上が対象で、こちらは応募制です。

内容は毎年変わりますが、2019年は大型音楽イベントの「Amuse Fes in MAKUHARI 2019」に100組200名、人気マンガ『ONE PIECE』をテーマにしたテーマパーク「東京ワンピースタワー」に200組400名、「感動オリーブオイル」2本セットを700名という3種類から1つを選択可能でした。ちなみに、「Amuse Fes in MAKUHARI 2019」のチケット料金は9720円ですから、当たるとかなりうれしいですね。

アニメスタジオで体験ワークショップ!【AOI TYO Holdings】

■銘柄名(コード):AOI TYO Holdings(東1:3975)
■権利月:6月
■最低投資金額:34万4500円(7/11終値689円×500株)
■配当金額(会社予想):20円
■予想配当利回り:2.90%

テレビCMの制作に携わるティー・ワイ・オーとAOI Pro.が経営統合して、2017年1月に誕生した「 AOI TYO Holdings 」。年間CM制作数は2000本以上で、CM制作市場ではトップシェアを誇ります。2019年12月期の会社計画はわずかに増収ながら減益の見込みで、残念ながら10円の減配も予定していますが、配当利回りは2.90%(7月11日終値で計算)と魅力的な水準です。

全員がもらえる株主優待は、500株以上で3000円分、1000株以上で5000円分のQUOカード、2000株以上では1万円相当のオリジナルカタログギフトです。また、2019年の抽選優待は500株以上でアニメーションスタジオ「ティー・ワイ・オー ドワーフ」の見学会への招待でした(人数などは非公表)。

スタジオでの撮影風景見学のほか、コマ撮りについての講演や体験ワークショップなどもあり、アニメ好きならぜひ応募したい優待なのではないでしょうか。なお、次回の抽選優待については内容が変わる可能性もあるので、抽選優待目当ての人は購入前に最新情報のチェックをお忘れなく!

抽選に参加できるのは株主だけなので、当たるチャンスが意外と高いかもしれない「抽選のある優待」。通常の株主優待もしっかりもらえる銘柄なら、「当たればラッキー」くらいの気持ちで楽しめるのではないでしょうか。気になる人は、この機会にぜひ挑戦してみてくださいね。

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優待の内容は2019年7月11日現在の情報を記載しております。本コンテンツ作成後に変更されている場合がありますので、最新の情報については、皆様ご自身でのご確認をお願いいたします。
また、優待の内容は代表的な事例をもとに記事を構成しております。詳しくはそれぞれの企業のHP等でご確認ください。