相次ぐ刺激策で景気回復!? インド関連に注目

データから見つかる! 困ったときの投資アイデア/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

人口約13億人と巨大なマーケットを持つインド市場。このところ国内景気はやや低迷していましたが、9月20日にインド政府が約200億ドル規模の法人減税を発表したことで、SENSEX株価指数(インドの代表的な株価指数)は大きく上昇しました。

インドの景気が持ち直せば、インドに進出する日本企業にも好影響が及ぶものと考えられます。そこで今回は、インドに関連する日本企業についてみてみましょう。

景気刺激策の発表が相次ぐ

インド政府は9月20日、法人実効税率を30%から約25%に引き下げることを発表しました。インドでは景気の不振が続いていましたが、8月以降に景気刺激策が相次いで打ち出されており、2019年10ー12月以降の景気持ち直しが期待されています。

内需主導の高い成長ポテンシャルは不変

インドの人口は約13億人で世界第2位。内需中心の経済成長が今後も期待できると考えられています。IMF(国際通貨基金)によると、インドの経済規模(ドル建て名目GDP)が、2019年にイギリスとフランスを抜いて世界第5位に浮上すると予想されています。

また、2017年の1人あたりGDPは、2005〜6年ごろの中国の水準に相当し、更なる成長余力があると考えられています。こうした成長ポテンシャルが評価され、今年6月にはインド株式市場は史上最高値を更新しました。インドは米中通商問題の影響を受けにくいこともあり、内需主導で景気の再浮上が見込まれれば、調整していた関連銘柄の株価も回復することが期待できます。

インドで活躍する日本企業

インド関連で最も代表的な国内企業は、子会社が四輪車市場で高いシェアを誇っているスズキです。近年は自動車ローンの貸し渋りや燃油価格の上昇により、販売が低迷していました。しかし、インド政府が自動車購入への優遇措置を決めているため、今後の販売回復に期待が高まります。

新興国では自動車や住宅のマーケットの拡大が見込まれるため、それらの塗料のニーズも高まります。関西ペイントは売上高の2割強がインド向けで、業績への貢献が期待されます(2018年度実績)。

また、一年中気温が高いインドでは、住宅の伸びとともにエアコン市場も拡大中。富士通ゼネラルなどインドに進出する空調機メーカーにも恩恵が及ぶことが想定されます。

さらに、インドは人口ボーナス期(総人口に占める生産年齢人口の比率が高まること)でもあるため、紙おむつ普及のポテンシャルがあります。ユニ・チャームはインドで第2位の市場シェアを誇っています(2018年12月期)。

そのほかも、現地工場を増設し、ローカル化を進めるメーカーにも注目したいところです。

関西ペイント
丸一鋼管
日精エー・エス・ビー機械
富士通ゼネラル
スズキ
ユニ・チャーム

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