肉は畑で育てる。ニーズ高まる植物肉ビジネスに注目

データから見つかる! 困ったときの投資アイデア/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

人口の増加で、将来的に不足することが懸念されている食肉。そんな中、大豆などで作られた植物肉がいま北米で日常的な食品となりつつあります。日本でも日常的な食卓の一品として並ぶ日は近いかもしれませんね。そこで今回は、食肉の代替となる植物肉ビジネスに注目してみたいと思います。

北米で広がる植物肉

米マクドナルドや米バーガーキングは、北米で「植物肉(豆や小麦などの植物性たんぱく質を肉状に加工した食品)」を使ったハンバーガーの試験販売を始め、店舗を拡大しています。また植物肉メーカー大手の米ビヨンド・ミート社の売上高が拡大傾向にあるなど、北米では植物肉が日常的な食品となりつつあります。

こうした背景には、技術革新で風味や食感が実際の食肉に近づいたことや、環境保護につながる食品として受け入れられていることなどが挙げられます。国連食糧農業機関によると、世界で排出される温室効果ガス全体の内、畜産業から排出される割合は18%程度に上るとのこと。穀物生産は家畜の飼育に比べて温室効果ガスの排出が少ないため、穀物を加工して肉にした方が地球に優しいと言えます。

人口増で不足のリスクがある食肉

長期的視点からも、植物肉は今後供給が不足するリスクを抱えている食肉を補うものとして期待されています。国連によると、世界総人口が2017年の約75億人から2028年には約84億人へと増加すると予測されています。また、新興国では経済発展に伴い肉類の消費が増えることが見込まれています。

ほかにも農林水産政策研究所によると、1人当たりの年間肉類需要量が2017年の38.1kg から2028年に40.5kgへ増えると予想されています。つまり、食肉は需要に供給が追いつかない可能性があるということになります。こうした中で、植物肉はこれら問題を解決できるものとして注目を集めているのです。

植物肉開発に本腰を入れ始めた日本食品メーカー

植物肉の将来的な普及をにらみ、日本の食品メーカーも植物肉開発に本腰を入れ始めています。現状では、国内のスーパーマーケットなどで植物肉関連商品は目の届きにくいところに陳列されがちでしょう。しかし、日本には古来より大豆を食す文化があるため、植物肉そのものには抵抗感が少なく、普及しやすい環境であると言えそうです。今後の植物肉ビジネスに注目していきたいですね。

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