毎年増える配当+優待でうれしさ2倍!  連続増配の優待10選

優待ライター厳選! 今月の株主優待/ 日興フロッギー編集部吉本ユータヌキ

株主優待銘柄を探すときには、配当にも注目している人が多いはず。といっても、どちらかというと「配当利回り」を見ているのかもしれませんね。今回注目したのは、利回りではなく毎年コンスタントに配当を増やしている「連続増配」の銘柄。そんな連続増配中の銘柄から、全国のグルメギフトが選べる「沖縄セルラー電話」、チョコレートや豆乳製品など自社商品詰め合わせがうれしい「不二製油グループ本社」、「かつや」などで使える優待券がもらえる「アークランドサービスホールディングス」、3000円分のQUOカードがもらえて長期保有特典もある「みずほリース」など、優待内容も魅力的な10銘柄を厳選してご紹介します。

連続増配している株主優待銘柄がうれしいワケ

「増配」とは、前期よりも配当が増えることで、「連続増配」はその増配がいくつもの期にわたって続くことを言います。優待だけでもうれしいのに、さらに配当金がどんどん増えていくので、株主にとってはうれしい限りです。また、連続で配当が増えている企業は、業績が安定して伸びていることが多く、「業績悪化による優待廃止」を避ける意味でも、連続増配銘柄に注目する意味はあります。ただし、これまで連続で増配していたからといって、今後も増配し続けるわけではありません。常に最新の情報をチェックすることは忘れずに!

5年保有でグルメな品々がグレードアップ【沖縄セルラー電話】

■銘柄名(コード):沖縄セルラー電話(JQ:9436)
■権利月:3月
■最低投資金額:42万8500円(2/13終値4285円×100株)
■配当金額(会社予想):136円
■予想配当利回り:3.17%

沖縄セルラー電話 」は、1991年に沖縄で生まれたKDDI傘下の総合通信会社です。auの携帯電話サービスや光回線、「auでんき」の各事業を、地元沖縄に密着した形で展開しています。2020年3月期は各事業とも好調に推移していて、期初の会社計画を上方修正。通期は増収増益を見込んでいます。また、「配当の充実化」を明確に表明していて、2020年3月期で19期連続の増配を予定しています。

優待内容は、100株以上で3000円相当、1000株以上で5000円相当のカタログギフト。KDDIが運営するサイト「Wowma!」と自社が力を入れている「沖縄CLIPマルシェ」で取り扱っている「全国47都道府県のグルメ品」から、お好みの商品を自由に選択できます。

しかも、長期保有優遇制度もあり、5年以上の継続保有で100株以上は5000円相当に、1000株以上なら1万円相当に優待金額がグレードアップ! 5年保有しているうちに配当が増えるだけでなく、長期保有の特典もゲットできちゃいます。前回の優待商品のラインナップはIRサイトの株主優待ページで確認できるので、一度チェックすることをおすすめします。

スーツをお得に新調するならば!【AOKIホールディングス】

■銘柄名(コード):AOKIホールディングス(東1:8214)
■権利月:3月/9月(年2回)
■最低投資金額:10万3600円(2/13終値1036円×100株)
■配当金額(会社予想):46円
■予想配当利回り:4.44%

紳士服チェーンの「AOKI」でおなじみの「 AOKIホールディングス 」。別業態の「ORIHICA」や、ブライダルやカフェの「アニヴェルセル」、複合カフェの「快活CLUB」なども運営しています。

2020年3月期の会社計画は減収増益を見込んでいて、配当は9年連続の増配を目指しています。なお、前期は記念配当があったため表面的には増配に見えませんが、普通配当では前期比+1円です。IRサイト内には「前年実績以上を維持し配当性向30%を基本とすること」と明記されているので、業績によっては今後も増配が期待できそうです。

株主優待は3種類の株主優待券のセットです。具体的には、「AOKI」「ORIHICA」「アニヴェルセルカフェ」で使える20%割引券(アニヴェルセルカフェは10%割引)を100株以上で5枚、1000株以上で10枚。「快活CLUB」などで使える20%割引券を、100株以上で10枚、1000株以上で30枚。そして、「アニヴェルセル」でのブライダル費用が10万円割引になる券が100株以上で1枚です。AOKIとORIHICAの割引券はネット通販でも利用できるので、お店が近くにない人でも使えますよ。

3時のおやつにチョコ&プリン♪【不二製油グループ本社】

■銘柄名(コード):不二製油グループ本社(東1:2607)
■権利月:3月
■最低投資金額:28万6000円(2/13終値2860円×100株)
■配当金額(会社予想):56円
■予想配当利回り:1.95%

植物性油脂や業務用チョコレート、大豆加工素材などの生産・販売を手がける「 不二製油グループ本社 」。現在策定中の中期経営計画の中では、チョコレート油脂や製菓・製パン事業の拡大や成長が見込まれる大豆事業への注力などをうたっています。2020年3月期は、海外事業の決算期の変更があるため単純な前期比較はできませんが、植物油脂事業や大豆加工素材事業の堅調が見込まれています。

配当については、今期で8期連続の増配を予定しています。配当性向は30〜40%の方針で、さらにIRサイトには「自己株式の取得も機動的に検討」と明記。株主還元に積極的な姿勢がうかがえます。

すでに15年以上の実績がある株主優待の詳しい内容は、100株以上で1500円相当、1000株以上で3000円相当、5000株以上で4000円相当の自社商品です。たとえば、前回の100株保有の場合は20本入りの棒チョコ1箱+2個入り神戸プリン1箱+調整豆乳2本という、おやつにうれしい品々がもらえましたよ。

2年保有で図書カードなど5000円相当にUP【芙蓉総合リース】

■銘柄名(コード):芙蓉総合リース(東1:8424)
■権利月:3月
■最低投資金額:70万8000円(2/13終値7080円×100株)
■配当金額(会社予想):200円
■予想配当利回り:2.82%

1969年に、旧富士銀行など芙蓉グループ6社によって設立された「 芙蓉総合リース 」。現在は、航空機や不動産、情報機器といったさまざまな分野でのリース事業のほか、ファイナンス事業やBPOサービスといった事業を展開しています。2020年3月期は特にリースやBPOサービスの事業が好調で、通期の会社計画は増収増益を見込んでいます。また、2004年12月の東証1部上場時からずっと増配が続いていて、2020年3月期も連続増配を予定しています。

優待内容は、100株以上で3000円相当のカタログギフト、または図書カードです。選べるのはどちらか一つですが、どっちも欲しくて迷ってしまいそうですね。ちなみに、カタログギフトには日用品やファッション雑貨、グルメ商品など多彩なアイテムが豊富に掲載されていて、ページをめくるだけで楽しそうです。

長期保有優遇制度もあり、2年以上続けて保有している場合には、カタログギフトも図書カードも5000円相当に増額されるのも見逃せません!

「食・住・買い物」から選べる優待【イオンディライト】

■銘柄名(コード):イオンディライト(東1:9787)
■権利月:2月
■最低投資金額:37万3000円(2/13終値3730円×100株)
■配当金額(会社予想):65円
■予想配当利回り:1.74%

イオンディライト 」は、社名からもわかる通りイオングループの企業です。主に商業施設やオフィスビルなどで、設備管理や警備、清掃といったさまざまな施設管理を手がけていて、国内ビルメンテナンス業界での売上高はなんとトップクラス。現在は、中国やアセアン諸国での事業展開にも注力中です。IRサイトには、安定的な配当の維持と継続を明記していて、連続増配はすでに14期。2020年2月期も前期比2円の増配を予定しています。

気になる株主優待は、①イオントップバリュの2500円相当の商品、②イオン系の家事サービス「KAJITAKU」で使えるハウスクリーニングの2500円分割引券、③イオン各店で使えるイオンギフトカード2000円分のいずれかを、100株以上で1口、1000株以上で2口、5000株以上で3口、1万株以上で4口です。

「食」「住」「買い物」の中から好きなものを選べるのがポイント。2口以上なら、①〜③を自由に組み合わせてもOKです。ちなみに、前回のイオントップバリュの商品は、グアテマラ産ブレンドコーヒー6袋、レトルトのビーフカレー10袋のどちらかを選択できました。

全国どこでも使いやすいギフトカードが年2回【アサンテ】

■銘柄名(コード):アサンテ(東1:6073)
■権利月:3月/9月(年2回)
■最低投資金額:19万2400円(2/13終値1924円×100株)
■配当金額(会社予想):60円
■予想配当利回り:3.11%

1970年の創業以来、一貫してシロアリなどの害虫の発生予防と駆除に取り組んできた「 アサンテ 」。「シロアリバスターズ」のテレビCMなどでご存知の方も多いのでは? 住宅用シロアリ防除の売上高では、国内トップシェアです。他に、木造住宅の湿気対策や地震対策、さらにホテルやオフィスの害虫・害獣防除やリフォームなども手がけています。

2020年3月期の会社計画は増収増益の見込みです。配当については、2013年の東証上場以来、6期連続の増配を達成していて、今期も連続増配を予定しています。予想配当利回りが3.11%(2/13終値で計算)というのも魅力的な水準と言えるでしょう。

株主優待は、100株以上で1000円分の三菱UFJニコスギフトカードです。北は北海道から南は九州・沖縄まで全国で使えて、利用可能な店舗も主要な百貨店からスーパー、ショッピングセンター、レストラン、ホテルなどまで非常に幅広いのがメリット。有効期限がないのもうれしいですね。

ツヤツヤの髪とおこめ券をWでゲット!【サンドラッグ】

■銘柄名(コード):サンドラッグ(東1:9989)
■権利月:3月
■最低投資金額:35万500円(2/13終値3505円×100株)
■配当金額(会社予想):68円
■予想配当利回り:1.94%

東京都世田谷区で1957年に開業した、ドラッグストアチェーン大手の「 サンドラッグ 」。ドラッグストア以外に、調剤薬局やディスカウントストアの事業も展開しています。現在は、北海道から沖縄まで44都道府県に店舗網を広げていて、直営・FC・グループ企業を合わせた店舗数は1155店(2019年12月末時点)です。

2020年3月期の会社計画は増収増益を見込んでいます。また、配当についてはIRサイト内での積極的な説明はありませんが、すでに13期連続で増配しています。

株主優待は、100株以上で5040円相当のPBのヘアケアセット+おこめ券3枚という豪華2本立て! ヘアケアセットは、美容室で使われるようなプロの使用感と効果を実感できるように、自社で企画から販売まで手がけたもの。利用者から絶大な支持を得ているそうです。また、「おこめ券」は精米店で1枚440円分としてお米の購入に利用できることが知られていますが、サンドラッグ各店なら普段のお買い物にも利用可能です。

今回から優待品がQUOカードに!【みずほリース】

■銘柄名(コード):みずほリース(東1:8425)
■権利月:3月
■最低投資金額:33万7500円(2/13終値3375円×100株)
■配当金額(会社予想):82円
■予想配当利回り:2.42%

2019年のみずほ銀行との資本業務提携をきっかけに、会社名をこれまでの「興銀リース」から変更した「 みずほリース 」。昨年12月には創立50周年を迎えた、リースやファイナンスといった事業に携わる総合金融グループです。

2020年3月期は、リース・割賦事業が堅調で、通期の会社計画では増収増益を見込んでいます。また、配当については18期連続となる増配を予定しています。なお、前期比で+4円の増配分の内訳は、普通配当2円+創立50周年の記念配当2円となっています。

社名だけでなく、今回から株主優待の内容が図書カードからQUOカードに変わりました。といっても優待金額はこれまでと同じで、100株以上で3000円分のQUOカードがもらえます。主要コンビニや一部のファミレスなどで使えるQUOカード、3000円分なら使いでがありますね。

さらに長期保有優遇制度もあり、1年以上続けて保有すると、QUOカードの金額が4000円分にアップしますよ。

とんかつ&からあげで大満足!【アークランドサービスホールディングス】

■銘柄名(コード):アークランドサービスホールディングス(東1:3085)
■権利月:6月/12月(年2回)
■最低投資金額:21万6300円(2/13終値2163円×100株)
■配当金額(会社予想):24円
■予想配当利回り:1.10%

とんかつ専門店の「かつや」をはじめ、からあげ専門店の「からやま」や「肉めし岡むら屋」などの外食チェーンの事業会社を傘下に抱える「 アークランドサービスホールディングス 」。直営・FCを合わせた国内店舗数は543店、海外もタイや香港などに65店を展開しています(2019年12月末時点)。今年1月には、新業態の「東京たらこスパゲティ」の1号店を出店しました。

IRサイトでは配当について特にコメントはありませんが、10期連続で増配が続いていて、2019年12月期も前期比4円の増配となっています。

優待内容は、「かつや」や「からやま」などグループ各店で利用使える食事券を、100株以上で1100円分、200株以上で2200円分、1000株以上で1万1000円分です。200株の場合は100株の2倍分、1000株なら10倍分の食事券がもらえるので、複数単元を持つ場合はちょうど200株か1000株にすると株主優待の面ではお得と言えそうです。

QUOカード⇒地元名産品の2段階優待【山口フィナンシャルグループ】

■銘柄名(コード):山口フィナンシャルグループ(東1:8418)
■権利月:3月
■最低投資金額:6万7200円(2/13終値672円×100株)
■配当金額(会社予想):24円
■予想配当利回り:3.57%

山口フィナンシャルグループ 」は、傘下に「山口銀行」「もみじ銀行」「北九州銀行」などを抱える金融持株会社。具体的な取り組みについては各行の事情に合わせつつ、グループ一体となった地域密着型金融を実践しています。2020年3月期は、山口銀行の銀行業務の好調などにより2ケタの増益を見込んでいます。配当については現在23%程度である配当性向を約30%まで引き上げることを明言していて、今期は9期連続の増配を予定しています。

優待内容は、100株以上では500円分のQUOカードですが、1000株以上なら5000円相当、5000株以上では1万円相当の地元名産品がもらえます。地元名産品はカタログギフトタイプなので、自分の好きなグルメアイテムを選べるのがメリット。一方、QUOカードなら6万7200円(2/13終値で計算)という比較的少ない投資額で獲得できるのがうれしいポイントです。まずはQUOカードを狙って、その後徐々に買い増して地元名産品の優待を目指すという方法もあるかもしれません。

いかがでしたか? 連続増配+株主優待の両方に注目してみると、いつもとは少し違った優待銘柄が見つかるかもしれません。これから優待投資を始めようという方も、優待内容や投資金額だけでなく配当についてもぜひチェックしてみてくださいね。

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優待の内容は2020年2月13日現在の情報を記載しております。本コンテンツ作成後に変更されている場合がありますので、最新の情報については、皆様ご自身でのご確認をお願いいたします。
また、優待の内容は代表的な事例をもとに記事を構成しております。詳しくはそれぞれの企業のHP等でご確認ください。