誰もが目にしたあのニュースの日から、つみたて投資をしていたらどうなっていたか? この連載では、そんな”if”とつみたて投資のパワーをお伝えします。
「 Zホールディングス 」(ヤフー)が、上場したのは1997年11月4日。その日から毎日100円ずつ投資をしたら、評価額は315万円になりました(2020年2月28日終値ベース、累計つみたて額:55万円)。
評価額のピークは642万円!
100円ずつしかつみたてていないにもかかわらず、2005年12月29日には642万円まで達しました。この時点でのつみたて額はわずか20万円ちょっと。テンバガーどころか30倍以上となり、いかに大きく株価が上昇したかがうかがえます。
つみたて額を下回ったのは12日間だけ
2000年のITバブルとその崩壊を経ていますが、上場以来、評価額がつみたて額を下回ったのはたった12日間だけでした。1997年12月1日以降、一度も投資額に対して負けることがなかったのは驚きです!
それでは評価額とともに、ヤフーに関する主な出来事を簡単に振り返ってみましょう。
①ITバブルとバブル崩壊
1999年から2000年にかけて発生した「ITバブル」。きっかけは家庭用パソコンが普及し始めたことにありますが、ヤフーはまさにど真ん中の銘柄として大きく株価が上昇しました。100円ずつつみたてた株はつみたて額5万6400円に対し、なんと500万円に到達! しかし、その後のITバブル崩壊で、含み益は16万円まで縮小してしまいました。
②東証一部上場とスマホ時代到来
当初ジャスダック市場に上場していたヤフーは、時価総額の上昇や業績の安定化などから、2003年に東証一部に市場変更。この期間はインターネットが携帯電話やスマホでもできるようになり、競合との差別化が難しくなったことから、株価は下落トレンドをたどりました。
③eコマース新戦略とホールディングス化
2012年3月にはスマホへの対応など抜本的な対策が必要になったとして、経営陣を刷新。2013年10月には「eコマース新戦略」の中で、「Yahoo!ショッピング」のストア出店料と売上ロイヤルティを完全無料化するなど手数料モデルから広告モデルへと変化させていきました。
直近では、Zホールディングスへと持ち株会社化し、ZOZOやLINEを傘下におさめるなど、eコマースの強化を図って、海外勢との競争を生き抜こうとしています。
コツコツつみたて投資を始めてみよう!
Zホールディングス(ヤフー)のように株価が数年で200倍にもなるケースは稀です。しかし、株価が急落するような局面でも、成長性が期待できる企業であれば、投資しつづけることが大切です。「この企業は魅力的だけど投資タイミングがわからない」と感じたら、まずはコツコツつみたてるところから始めてみてはいかがでしょうか。