いまホットな銘柄を毎月選定している「日興ストラテジー・セレクション」。4月号では作業服専門店の「ワークマン」が新たに仲間入りしました。 ワークマンの投資ポイントをチェックしてみましょう!
顧客のニーズに向き合い続ける作業服の王者!「ワークマン」
梅雨のジメジメ、夏場の猛暑、台風、豪雨と次々に過酷な環境に見舞われる日本。そんな人々の「困った」を衣服で「楽しい」「快適」に変えてくれるのが、「 ワークマン 」です。
同社は全国に863の専門店(2020年3月末)を展開している、作業服小売店の最大手。1980年、群馬県に第1号店をオープンして以来、“働くプロの過酷な使用環境に耐える高品質・高機能商品を、お手頃な値段で届けたい”という思いで、商品を提供し続けています。
4000億円規模の「高機能×低価格」マーケットへ
“働くプロの過酷な使用環境”に耐える同社の作業服や消耗品アイテムは、抜群の耐久性や防寒性、遮熱性、通気性、速乾性、ストレッチ性を備えたものばかり。日々、現場で機能性と品質を実感している職人たちが、山登りや釣り、バイクなどの趣味の場面でも同社の製品を使用するほど、顧客の信頼を勝ち得ています。
いわば職人のお墨付きで自社商品の新たな使途を見いだした同社。この好機を上手く活かすべく、プロ向け製品で磨いてきたノウハウに、デザイン性を加えた3つのブランド｢FieldCore｣｢Find-Out｣｢AEGIS｣を低価格帯のアスレジャー領域(アスレチック＋レジャーの造語)で展開し始めました。
安くて高機能なアウトドア用品は性別、年齢を問わず、たちまち人気に。数多くのメディアで取り上げられているのをご存じの方も多いのではないでしょうか。低価格・低機能のアパレルブランドや、高機能・高価格のアウトドアブランドが手を付けていない、「高機能×低価格」という特徴を持つ同社の商品。4000億円規模ともいわれる未開拓市場において、同社は存在価値を高めています。
「WORKMAN Plus」への改装で売上げ好調
同社は新しいコンセプト「WORKMAN Plus」の店舗展開にも積極的に取り組んでいます。実は、「WORKMAN」も「WORKMAN Plus」も販売している商品は同じですが、店舗イメージにより3つのPBブランド商品で見せ方を変えるというもの。既存店も「WORKMAN Plus」へと順次改装されており、一般顧客数の増加と高付加価値アイテム販売増の好循環が続いています。
商品揃えは同じながら店舗コンセプトを変えることで、職人などの顧客は平日の朝・夕方に、一般客は平日の昼・週末にと、目的の異なる客層の来店時間の自然分離ができています。これにより効率的な営業や稼働率の向上による売上げ拡大も続いています。
順調な売上伸長に期待
2020年2月までの既存店売上高は、16ヵ月連続で2ケタ伸長と波に乗っています。市場では新型肺炎の感染拡大により需要の減少やサプライチェーンの制約などが余儀なくされている状況です。そんななかでも、同社の2月度の概況は防寒衣料の好調な推移や超撥水ストレッチシリーズなどが売上を牽引。既存店売上高は前年同月比27.3％増と好調で、新型肺炎の影響はいまのところ軽微と思われます。
2020年3月期における低価格アスレジャー3ブランドの売上高合計は1000億円未満と見られています。低価格アスレジャー領域の市場規模は4000億円と見られることから、継続的な成長を期待できそうです。
足元では株価が大きく下がっていますが、今後も成長が期待できることを考えると、売られすぎている可能性もあります。これからも引き続き同社の活躍に注目していきたいですね。
