新型肺炎対策として、テレワークが増加しています。このことでデータセンターの需要が高まっており、半導体の受注増加への期待が高まっています。また、フィラデルフィア半導体株(SOX)指数は直近安値から大きく反発しており、国内関連株にも期待したいところです。
大健闘の海外半導体企業の決算
新型肺炎による世界的な景気不透明感が高まる中、一部の海外半導体関連企業が“大健闘”ともいえる決算を発表しています。
3月25日に決算を発表した半導体大手マイクロン・テクノロジーは、3−5月期売上高見通しが市場予想を上回り、その後、株価は堅調に推移しました。同社によれば、テレワークの拡大やゲームの利用増加でデータセンター関連の需要が増えているとのこと。ある意味では新型肺炎による“特需”が業績に貢献していると言えます。
また4月7日に暫定決算を発表した韓国の半導体大手、サムスン電子の1−3月期営業利益も市場予想を上回りました。同じくテレワークを支援するデータセンターからの半導体受注が増加したようです。
SOX指数は異例の回復スピード
こうした良好な決算などを受け、SOX指数は足元で短期的な上値抵抗線である25日移動平均線を上回るとともに、中長期的な抵抗線である200日線を4月14日に上抜きました。
フィラデルフィア半導体株(SOX)指数とは、米国の半導体株の平均値です。具体的には、半導体の設計・製造・流通・販売を手掛ける企業(インテル、AMD、クアルコムなど30銘柄)の株式で構成されています。
半導体は自動車やPCなどあらゆる電気製品に使われているため、世界の半導体に対するニーズや関連業界全体の大まかな景気動向などを読み解くヒントになります。
想定外の株高も視野
過去、2008〜09年のリーマン・ショックや2015〜16年のチャイナショックなどの大幅下落局面では、200日線の回復には数ヵ月を要しましたが、今回は3月上旬に割り込んでからまだ1ヵ月程度しか経っていません。今後の関連企業の決算内容次第では、異例の短期間で株価調整は終了し、想定外の株高となる可能性も考えられます。
日本国内でもテレワークの需要増加などにより 、半導体のニーズは高まることが想定されます。5Gなどで注目されていた半導体関連銘柄を、改めて投資の候補に入れてみるのもよいかもしれませんね。