欧米の一部では徐々に外出規制が緩和されはじめました。しかし、感染の第2波・第3波が懸念される中では、できる限り外出を控えなければなりません。そこで今回は、外出自粛を余儀なくされているみんなの生活を支え続ける「物流・宅配事業」に注目します。
「巣ごもり」は長期戦の様相
新型肺炎の感染拡大を背景に、世界的に外出に対する禁止令や自粛要請が出され、その期間は長期化しています。日本でも、最も感染者数の多い東京都などでは、4月25日から5月6日までの12日間を「ステイホーム週間」と位置付け、個人や企業などに外出自粛の呼びかけを強化する方針が示されました。加えて、5月6日までとされていた緊急事態宣言が5月末まで延長されるなど、「巣ごもり」は長期戦の様相を呈しています。
EC市場の拡大が加速、高まる「宅配」需要
外出しての買い物や食事など、消費行動が制限される中、インターネットを用いたEC(電子商取引)に対する注目が高まっています。「巣ごもり」で初めて通販を利用した人も増えたと見込まれ、物流・宅配に対するニーズは増しています。国内の宅配数量は消費増税後に一旦落ち込みましたが、足元では急速に回復している模様です。
「置き配」と「原油安」がプラス要因に
宅配業界ではかねてより、人手不足と宅配数量の増加によって、宅配従事者が疲弊することや人件費増加が問題視されてきました。しかし、業界全体で配送料の値上げやトラック輸送の共同運行といった物流の効率化が順次浸透し、コスト増に対応しつつあリます。
また、今回の新型肺炎を機に、非対面で荷物を届ける「置き配」サービスも進み始めました。「置き配」に対する消費者の理解が深まれば、荷物の再配達が不要になり、業務効率性が改善、収益面でのプラス寄与が期待されます。
事業環境の変化を機敏に察知し、物流・宅配関連銘柄の株価は足元で堅調です。原油安も燃料コストの低下につながるため、プラス要因として特筆でき、引き続き注目される可能性があるでしょう。
SBSホールディングス
遠州トラック
ヤマトホールディングス
福山通運
セイノーホールディングス
丸和運輸
SGホールディングス
ファイズホールディングス