富士フイルムHDがスキンケアシリーズ「ASTALIFT(アスタリフト)」を発売したのが2007年9月。そのときから毎日100円ずつつみたて投資をしていたら、いまの評価額は48万円になっています(2020年6月30日終値ベース)。
最高で63万円に!
インスタントカメラ「チェキ」などでおなじみの 「 富士フイルムHD 」。その富士フイルムHDを、「アスタリフト」が発売されてから毎日100円つみたてていたら、最高で63万円に達していました(2007年9月1日からつみたて)。
一時はつみたて額の2倍以上に
2013年までは株価が横ばい圏に推移したこともあり、評価額がつみたて額を下回る時期もありました。しかし、2014年以降、アベノミクスやヘルスケア事業の伸びなどが追い風となり、評価額は一時2倍以上にまで拡大しました。
なぜスキンケアの事業で成功したのか
それまで写真フィルム事業が主力だった同社が、なぜ「スキンケア」の分野に参入し成功しているのでしょうか。
写真フィルム業界では、2000年以降のデジタル化とスマートフォンの台頭などにより、フィルムのニーズが大きく減少しました。同社は関連事業も含め、フィルム写真に関する事業の売上が全体の5割以上を占めていたため、会社の存続がかかる大きな転換点を迎えていました。
そんな中、新たな事業分野を育てようと研究し、写真技術の応用から生まれたのが同社初のスキンケア商品「アスタリフト」でした。人間の皮膚の約70%を構成するコラーゲンは、実は写真フィルムの主成分でもあります。また、写真の色あせを防ぐための抗酸化技術もスキンケア分野に応用ができました。藻から抽出した「アスタキサンチン」という抗酸化物質が皮膚のコラーゲンを守り、「アスタリフト」の品質をさらに引き上げました。
コア技術がマーケットを切り拓く
従来の写真フィルムのコア技術をもとに2006年9月から化粧品事業に進出した富士フイルムHD。その後もスキンケアに加え、ベースメイク、インナーケア、ヘアケアなどに進出し、2019年には男性用ラインナップも展開しました。これからも会社が持つコア技術を活用したさらなる事業展開が楽しみですね。