マーケットの「温度感」がわかる連載「カエル先生のマーケットハイライト」。今回は動きがあまりない相場の中でも、中期的な国内外のイベントに目を向けることで、投資のヒントを得る方法をお伝えします。
9月は夏枯れ相場を引き継ぎ、比較的こう着した相場が続きました。急な相場変動には注意が必要ですが、10月以降の主なイベントに目を移すと、「Go Toトラベル」の東京追加や米大統領選、年末商戦など個別企業に関連するイベントが豊富です。相場全体はあまり動かなくても、自分が理解しやすいテーマや銘柄に着目して、投資を検討してみてはいかがでしょう。
9月は変動の少ない相場だった
9月30日の日経平均株価は2万3185円となり、前月末比45円高でした。
9月は8月末にウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイが日本の5大商社の株を購入していたことが公表され、商社株の上昇で始まりました。その後は安倍政権を引き継ぐ菅新政権の発足などが下支え要因となり、変動の少ない相場展開が続きました。
商いも薄い日本株市場
新型コロナの感染拡大が徐々に落ち着きを見せているほか、政府の経済対策や金融政策の下支えなどにより、株価の下値不安は後退しています。一方で、景気の回復もゆっくりしたスピードであることから、株価は7月以降こう着感が強まっています。
また、東証1部の売買代金を見ても、節目である3兆円を下回る日々が続いており、積極的な売買は手控えられている様子がうかがえます。一般的に商いを伴って株価が上昇・もしくは下落すれば、相場の転換点となりやすいです。
今の状況は、2番底となるような事態は想定していないものの、米大統領選の行方やワクチン開発の動向がまだ不透明であることから、大きな資金の移動がしづらいととらえている投資家が多いものとみられます。
国内では「Go Toキャンペーン東京追加」の効果に期待!?
このようなときには、相場の急変に注意しつつも、目先のイベントに注目して手がかりを探ってみるのも手です。まず国内に目を向けると、Go To トラベルキャンペーンに東京が追加されたことで、「 富士急行 」や「 オープンドア 」、「 エイチ・アイ・エス 」など旅行関連の企業業績に注目が集まっています。月次データなどをチェックして、業績の回復度合いを確認してみるのも良いかもしれませんね。
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米大統領選と年末商戦に注目
一方、海外では米国大統領選にまつわるイベントが相次ぎます。「バイデン大統領」誕生の可能性が今後さらに高まれば、「法人税率の引き上げ」や「クリーンエネルギー政策」など民主党政権の政策に沿った銘柄選別が進む可能性もあります。今後の支持率やテレビ討論会などに注目です。
また、11月は中国にて最大の通販ショッピングデーである「独身の日」や「 ソニー 」のPS5発売、米国のブラックフライデーなど年末商戦に向けたイベントが相次ぎます。ソニーや「 任天堂 」などwithコロナにおける巣ごもり関連消費を再度チェックしてみてはいかがでしょうか。
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