今年の渋谷ハロウィーンはバーチャルで!

ニュースの裏事情/ 日本証券新聞

テレビや新聞で取り上げられたニュースの裏側を解説する本連載「ニュースの裏事情」。今回は、withコロナ時代におけるハロウィーンの楽しみ方についてご紹介します。

去年よりもハロウィーン支出は多め!?

10月31日(土)のハロウィーンは新型コロナ感染拡大の影響で、世界中で自粛ムードのようです。全米小売業協会の調査によれば、「ハロウィーンを祝う」と答えたのは58%にとどまりました。しかし、同調査によれば、祝うと答えた人の1人当たりのハロウィーン関連支出額は91.12ドルで、昨年の86.27ドルを上回り過去最高額だったとのこと。「トリック・オア・トリート」はせずに、グリーティングカードや装飾、お菓子にお金をかける人が多いようです。

今年はバーチャルで楽しもう

日本でハロウィーンといえば「渋谷」。渋谷区は自粛を呼びかけていますが、一方で「バーチャル渋谷ハロウィーンフェス」という電子空間に渋谷を再現し、そこでバーチャルに集う催しを行う予定です。このイベントの主催は「 KDDI 」、渋谷未来デザイン、渋谷区観光協会が担っています。

イベントは10月26日(月)~31日(土)に行われ、仮想空間できゃりーぱみゅぱみゅやBiSHのライブ、お笑い芸人の和牛による5G(次世代高速通信)を活かした超高速漫才、ネットフリックスのオリジナルアニメ路上鑑賞などが行われます。利用者は仮装したアバター(分身)で空間を散策して楽しめるとのこと。イベントには、「 ぴあ 」や「 スペースシャワーネットワーク 」も参画しています。

5GやXR普及の好機に

運営側は、アーティストらにエンターテインメントの場として仮想空間・渋谷を提供することで、ライブイベントの活動支援することを狙いとしています。またKDDIとしては、これを5Gの利用普及の機会とすることを狙っているようです。

「さらに、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、MR(複合現実)、SR(代替現実)――これらを総称して『XR』と言うが、そのコンテンツを、バーチャルとリアルの2つの渋谷を体験の『場』として提供しようとしている」(シンクタンクアナリスト)

KDDIは今年1月、「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」を立ち上げ、5GやXR技術を活用した取り組みを渋谷を舞台に開始しており、今回のハロウィーンイベントもその一環として行われます。同プロジェクトには「 東急 」およびそのグループ企業やパルコ( J.フロント リテイリング )をはじめ32社が参画しています。

コロナ自粛で経済活動が低迷していますが、これはバーチャル展開のチャンスです。バーチャルハロウィーンをきっかけに、5GやXRがぐっと身近になるかもしれませんね。

(出典:日本証券新聞)