カエル先生のマーケットハイライト(2020年10月編)

カエル先生の株式相場プレイバック/ 日興フロッギー編集部平松 慶

マーケットの「温度感」がわかる連載「カエル先生のマーケットハイライト」。今回は世界の中でも景気がいち早く回復しつつある「あの国」に関する企業をご紹介します。

カエル先生の一言

10月は米大統領選を前に積極的な売買は手控えられました。ただ、月末にかけては欧州と米国で新型コロナウイルス感染者が急増したことなどから、株価が急落する場面もありました。そんな欧米を尻目に好調なのが中国経済です。ワクチンの開発動向が不透明なうちは、日本国内でも中国に関連する企業に注目してみるのも良いかもしれません。

10月は薄商いの中、再びコロナ懸念で失速

10月30日の日経平均株価は2万2977円となり、前月末比208円安でした。

東証のシステムトラブルで終日売買停止からスタートした10月の株式市場。東証一部の売買代金が2兆円を割り込む日が続くなど、米大統領選を前に積極的な売買が手控えられた月でした。一方で、欧州と米国で新型コロナウイルス感染者が再び増加し、28日にはフランスで1ヵ月の外出禁止令が出されました。それにより株価が急落する場面もありました。

落ち着きを見せている中国

中国では政府主導の強力な抑え込みに成功し、新型コロナウイルスの感染者数は8月中旬以降、連日で100人以下となっています。連日数万人単位で新規感染者が発生している欧米とは対称的な状況と言えます。

中国経済は早くも「通常モード」に

欧米などを尻目に早くも「通常モード」に入りつつある中国。感染者だけでなく、経済状況を見ても、すでにコロナ前に戻りつつあることがうかがえます。下図は中国の鉱工業生産(前年同月比)の推移です。

3月には前年比マイナス圏に落ち込みましたが、直近発表された9月分は同+6.9%と大幅な上昇に転じています。有効なワクチンが普及していない世界で、早くもコロナ前の経済を取り戻している中国が、いま世界経済をけん引しつつあると言っても過言ではありません。

カエル先生の一言

「鉱工業生産指数」は自動車や鉄鋼、食料品に至るまで、あらゆる鉱工業製品の生産状況を表す統計です。企業活動の状況を知るうえで重要な指標で、その国の経済活動を表す統計データとして株式市場でも重視されています。

withコロナにおいては中国関連企業に注目

有効なワクチンの開発状況が不透明な中では、こうしたすでに経済活動が復活している分野・国に関連する企業の業績が好調になると考えられます。そこで今回は日本の企業の中でも、特に中国経済に密接な関係を持つ企業をご紹介します。

花王
資生堂
ツガミ
日立建機
シスメックス
ファナック
サイゼリヤ
ファーストリテイリング

※日立建機(6305)は記事執筆時点で、証券金融会社の注意喚起銘柄に指定されています。