鉄道だけじゃない! 街づくりからビッグデータも手がけるJR東日本が新しく追加に 11月の日興ストラテジー・セレクション

ここが狙い目! 日興ストラテジー・セレクション/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

今の社会動向や投資環境をもとに旬な銘柄を毎月選定している「日興ストラテジー・セレクション」。11月号の新規採用銘柄は、鉄道最大手の「JR東日本」です!  JR東日本の投資ポイントをチェックして、これからの銘柄選びの参考にしてはいかがでしょうか。

国内最大の鉄道会社「JR東日本」

今回仲間入りした 「 東日本旅客鉄道 」(JR東日本)は、東日本1都16県を地盤とする国内最大の鉄道会社。通勤・通学利用者はもちろん、出張・観光などで同社の列車やホテルを利用している人は多いでしょう。

日本で乗降客数の多い駅トップ10のうち、同社の管轄6駅(新宿、池袋、東京、横浜、品川、渋谷)がランクイン(2018年度)。その乗客数は1日数百万人に及びます。鉄道会社最大手としての強さがうかがえますね。

品川エリアの再開発など街づくりにも期待

鉄道以外の事業にも注目してみましょう。1日約1780万もの人々が移動し交流する「駅空間」という大きな経営資源を有する同社。この資源を最大に活かし、駅という「点」から街という「面」への開発にビジネスの変革を進めています。これは、駅ナカ小売・飲食等の枠を越え、オフィス・ホテル・商業・住宅等、駅を中心とした魅力ある「くらしづくり(まちづくり)」を手がけるというものです。

数々のまちづくりを実現しているなかで、特に注目したいのが「品川開発プロジェクト」です。2020年3月、品川~田町駅間に「高輪ゲートウェイ駅」が開業したのは記憶に新しいところですが、2024年頃を目指し、オフィス、ホテル・商業、住宅等からなる街開き(延床面積85.1万㎡)を計画進行しています

品川駅は羽田空港からのアクセスがよく、またリニア中央新幹線の駅設置予定もあります。国内外からヒト・モノ・情報・サービスが集まり、新たなビジネス・文化が生まれる場となる品川エリア開発は、同社の持続的な成長につながることが期待されます。

モバイルSuica会員が1000万人突破!

IT・Suica事業も順調に成長しています。Suica は日本で最も普及しているIC乗車券かつ電子マネーであり、さまざまなシーンで利用されていることをご存じの人も多いでしょう。2020年3月期末のカード発行枚数は約8273万枚(前期比9.0%増)、モバイル会員数は約934万人(同30.6%増)でした。この後、奇しくも新型コロナウイルス拡大により非接触ニーズが増加。2020年9月にはモバイル会員数が1000万人を突破しています。

普及枚数・会員数もさることながら、同社の強みは集積された膨大なデータの活用力です。同社は移動や購買などに関するビッグデータを分析し、個々の顧客が求めるサービスを提供。数々の路線が行き交う複雑な駅構内で顧客がスムーズに乗車できるよう、ビッグデータを分析しながら乗り換えや改札案内に役立てています。他にも例えば、鉄道にバス、タクシーなどを連携させた待ち時間のないスムーズな移動手段や、訪問場所で最も欲する商品・サービスを提供することも可能になると考えられます。

移動・購入・決済のデータ融合で、いくつもの新たな価値創造ができれば、ますます顧客のSuica利用意欲も高まるのではないでしょうか。

ポストコロナ社会を見据え、成長路線を走る

一方、新型コロナウイルス拡大により、同社は大きなインパクトを受けました。人々の移動自粛に伴い、鉄道および駅構内店舗や駅ビル、ホテルなどの利用が減少。市場予想では、2021年3月期営業損益は赤字転落となると見られています。

2018年に策定した中期経営計画「変革2027」では、街づくりやSuica・ITなど鉄道事業以外の分野に力を注ぐことを視野に入れており、コロナ禍においても順調に進行しています。策定時に掲げた2023年3月期の目標値を、新型コロナウイルスの感染拡大後も据え置いています。2023年3月期は売上高3兆2950億円(2020年3月期2兆9466億円)、営業利益5200億円(同3808億円)と黒字転換する見込みで、その後も増益が続くと会社は計画しています。

人の「移動」から人の「暮らし」へ、豊かな価値を提供

全国有数の乗降客数の多い駅空間や、Suicaで集積したデータなど、豊富な経営資源をもとに、安全快適な暮らしの提供へとビジネスの幅を広げている「JR東日本」。鉄道会社トップとして安全快適な移動を提供するとともに、コロナ禍でもスピードを緩めず、事業の拡大路線を走っています。新たなサービスを期待しつつ、今後の同社のさらなる成長を応援していきたいですね。

2020年11月号では、大林組が除外となりました。
関西に地盤を持つ同社は、2025年の大阪・関西万博や統合型リゾート(IR)の誘致を見据え、事業機会の拡大が見込まれています。ただ、コロナ禍で政府のIR整備日程の遅延が発表されるなど、大阪再開発の動きに当面は逆風が吹く可能性を懸念しました。
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