11月の日経平均株価は、ひと月で3456円上昇し、29年半ぶりの高値更新となりました。そして、日興ストラテジー・セレクション採用銘柄も続々と上場来高値を更新しています! 高値に注目する投資手法は、あの有名な投資家さんも実践しているとか……? そこで12月号では、上場来高値を更新した銘柄と、足元の業績についてご紹介します。
11月は高値を更新した銘柄がぞくぞくと!
中国景気の回復や、新型コロナウイルスのワクチン開発に進展があったことなどから上昇が目立った日本株市場。日興ストラテジー・セレクション採用銘柄も、11銘柄が上場来高値を更新しました! なかでも、M&Aキャピタルパートナーズや日本電産、村田製作所の株価上昇率はひと月で20%以上になりました。日経平均株価の上昇率が13%だったことを踏まえると、投資家から大きな注目を浴びたことがうかがえます。
社会環境の変化が追い風に
中小企業向けのM&A仲介を手がける「 M&Aキャピタルパートナーズ 」は、コロナの影響を受けた第3四半期までの遅れを大きく挽回。さらに2021年9月期の会社予想は、売上高140億円(前年同期比18.2%増)、営業利益62億円(同23.0%増)と過去最高益更新を見込んでいます。日本の少子高齢化による後継者不足問題は社会にとって深刻な事態となっていますが、同社にとっては今後も追い風になるでしょう。
スマートフォンや自動車などのモーターを開発する「 日本電産 」は、2021年3月期営業利益の会社予想を1250億円から1400億円に、29%増額修正しました。中国や欧州でのガソリン車の規制強化が追い風となり、主力の電気自動車(EV)用駆動モーターで圧倒的なシェア獲得を目指しています。
スマホや自動車部品ニーズの拡大に期待!
電子部品大手の「 村田製作所 」は、テレワーク需要によるPC関連の売上が好調だったこともあり、2021年3月期営業利益の会社予想を従来比19.0%増の2500億円へ上方修正しました。超高速・大容量、多数端末の同時接続を可能にする5Gサービスは、2021年に本格化が見込まれています。PC向け需要が一巡したあとも、引き続きスマホや自動車向けの部品需要を受け、一段の飛躍に期待したいですね。
7–9期決算:3分の1の企業が2ケタ増益
コロナで苦戦する企業も多い中、2020年7–9月期の決算は、日興ストラテジー・セレクション採用銘柄の9銘柄が2ケタの営業増益となりました! 上場来高値を更新した銘柄は好調な決算結果が目立ちますが、キーエンスやテルモは営業利益の前年比が2ケタの減少となっています。業績が落ち込む中でもなぜ上場来高値更新となったのか、詳しく見ていきましょう。
減益でも「回復の兆し」が株価を後押し
工場の生産自動化に重要なセンサーなどを手がける「 キーエンス 」は、国内企業の設備投資が鈍り、減収減益に。しかし、4–6月期の営業利益517億円(前年同期比21.9%減)から、651億円(同10.4%減)へと利益水準は大幅に上昇しました。同社の強みである直販コンサルティング体制は、コロナ下でもリモートで継続。また感染症対策で作業員同士の接触を避けるために工場の自動化を進めたい、といった新たなニーズも、今後の同社の活躍を支えてくれそうです。
世界トップシェアのカテーテル関連製品を手がける「 テルモ 」も減収減益ですが、2021年3月期の営業利益を850億円から900億円(前年同期比18.6%減)に増額修正しました。コロナ下における医療機関の診療体制が少しずつ元に戻る中で、カテーテル関連製品の販売回復が見込めるとのこと。さらに、世界的に高齢化による心疾患患者数増加の追い風を受け、今後も同社製品の高いニーズが見込めそうです。
あの投資家も実践する投資手法
高値の更新は、業績が上向く可能性が高いと判断する人が増え、売りの圧力が減っている状況を表します。アメリカを代表する投資家ウィリアム・オニールや、億超え投資家のDUKE。さんも高値更新銘柄に注目する投資を実践しているので、気になった方はチェックしてみてくださいね。
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ニチレイは、巣ごもりによる冷凍食品の需要拡大を見込みましたが、今のところ顕在化しておらず、今後冷凍食品売上高の伸び率が鈍化する可能性を懸念しました。
またペプチドリームは、新薬候補進行プログラム数は順調に増加しているものの、直近営業損失の計上が続き、2020年12月期において株式市場が期待する利益水準の達成ができない可能性を懸念し、除外されました。