初値でテンバガーも! 2020年のIPO相場を振り返る

IPOって儲かるのか会議/ 日興フロッギー編集部

日経平均が1万円以上も変動した2020年。IPOマーケットでは一時的に上場数が大きく落ち込んだり、なんと初値でテンバガーを達成する企業が出るなど、変化の激しい年となりました。そんな2020年のIPOの特徴を振り返って、2021年のIPO投資にぜひ活用してみましょう!

相場は荒れたが高い上昇率に

2020年に新規上場した銘柄は67社でした(※11月末までの集計。REITやインフラファンドなどは除く。以下同様)。12月の上場予定分も含めると、2020年は合計93社が上場予定となっており、相場が荒れた割には2010年以降で最も上場数が多くなる見込みです。

すでに上場している分だけを見ると、平均上昇率は143%と例年よりも高い水準となりました。ただ、春に相場が大きく落ち込んだことなどが響き、公募価格で買って初値で売った時の「初値勝率」はやや低い水準となりました。

6月から回復したIPOマーケット

月ごとの初値騰落率を見ると、5月までは相場急落の影響などから厳しい状況が続きました。しかし、株価上昇が鮮明になり始めた6月以降は騰落率の水準も回復。個人投資家の投資マインドが大きく改善した様子がうかがえます。

10月以降はやや割高感が意識された

また、上場してから1年間の株価パフォーマンスを指数化した「IPOインデックス」を見ると、8月〜9月は好調でしたが、10月以降はやや低迷しました。マザーズ市場などいわゆる成長株に対してやや割高感が意識されたことなどが背景にあるものと考えられます。また、ワクチンの有効性についての報道があったことで、世界経済が回復するとの期待からバリュー株(割安株)へ資金が流れたことなども要因の1つとなりました。

初値でテンバガー! 上昇率1090%の「ヘッドウォータース」

そんな中、2020年のIPOで初値上昇率が一番大きかったのは、+1090%の「 ヘッドウォータース 」です(11月上場分まで)。なんと初値でテンバガーを達成しました!

フィーチャ
タスキ
Branding Engineer
ニューラルポケット
アクシス
インターファクトリー
アースインフィニティ
MITホールディングス
トヨクモ

AIや画像認識技術関連が人気に

ヘッドウォータースは顧客の業務を分析し、AIの組み込みや運用までを行うサービスを展開する企業です。顧客である会社の事業やサービスを詳細に調べたうえで、最適な画像解析AIやAI予測サービスを提供しています。既存サービスから新たな価値を見出したいと考える幅広い企業にニーズがあるとの思惑から、買いが殺到したものと考えられます。

2位のフィーチャは、ドライブレコーダーなどに搭載される「画像認識ソフトウエア」を開発しています。車の外を監視するカメラだけでなく、ドライバーが危険な運転をしていないか等も監視するカメラも展開しているとのこと。これからの自動運転社会には欠かせない企業の1つと言えそうです。

2021年は「デジタル化」関連にさらに追い風!?

初値でテンバガーも飛び出した2020年のIPOマーケット。来年は9月に「デジタル庁」が創設されることもあり、企業のデジタル戦略をサポートする企業にますます人気が集まりそうです。今後はどんな銘柄が上場予定なのかチェックして、IPO投資にチャレンジしてみましょう!

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*ご留意事項
本記事内の各種データについては、過去の一定期間における実績を基にSMBC日興証券が分析したものであり、将来の成果等を保証するものではありません。IPOのデータは、REITとインフラファンドを除いたものです。IPO投資に関する手数料・リスク等の情報はこちら