2021年億り人が狙う「息の長いトレンド」後編

億り人緊急座談会/ 愛鷹www9945余弦日興フロッギー編集部

年収300万円から今や資産5億円のwww9945さん、働きながらの投資で30代にして2億円を超える資産を築いた愛鷹さん、コロナ禍でも8000万円を稼いだ余弦さんの3人の億り人は今、どんな銘柄に注目しているのでしょうか。日米での政権交代、コロナワクチンの開発と世界が変わる中、投資チャンスは多そうです……!
大波乱の2020年も残りわずか! 億り人が来年に向け仕込む銘柄は?【前編】を読む

ゴッホが注目した浮世絵。令和は「コンテンツ」が再発見される?


皆さん、2021年はどんな銘柄に注目しているんですか?


日本のデフレはまだ続くだろうと思いますから、以前も持っていた銘柄ですが激安販売の「業務スーパー」を展開する「 神戸物産 」はまたどこかで買いたいですね。


神戸物産は私もずっと押したら買いたいと思っていて、やっと2019年に買えた。2021年でいえば、注目は東京オリンピックですよね。コロナ禍の収まらない中での「コロリンピック」。今までとまったく違う五輪になるでしょうから、何が関連して上がってくるか、わかりません。


リモートで開催される競技もあるかもしれないし、eスポーツのようにオリンピックがゲーム感覚になりますよね。巣ごもり消費も続くでしょうし、そうすると「 コナミHD 」などのゲームメーカーやwww9945さんが買っている動画関連がよいのかもしれません。


前編で話した「 サイバーエージェント 」、それに『ドラゴンボール』や『ONE PIECE』といった大ヒット作を抱える「 東映アニメーション 」ですね。東映アニメも今年ずっと上がっていました。


今年は『鬼滅の刃』が大ヒットしましたよね。「三密」に流行語大賞を奪われるとは思いませんでしたが(笑)。


「鬼滅銘柄」もあるんですか?


『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の配給元は「 東宝 」と「 ソニー 」の子会社でありアニメの製作もしているアニプレックス。こういうコンテンツ力のある会社は人気に火が付けば利益率がぐっと上がりますし、魅力あるコンテンツであればあるほど長年にわたってさらに力強さを増していくと思います。特にエンタメ系コンテンツはこの傾向が強いように思います。


江戸時代、輸出される陶磁器を包んでいた紙に描かれた浮世絵がヨーロッパで注目され、印象派に大きな影響を与えましたよね。同じようにオリンピックをきっかけにして東京を訪れた外国人が日本のコンテンツを再発見するかもしれない。渡部清二さんとエミン・ユルマズさんの著書『ウィズコロナ 日本株にビッグウェーブがやって来る!』(かや書房)に書いていました。


オリンピックを見るだけでなく、きっと東京観光もしますもんね。コンテンツ関連だと、どんな会社が注目ですか?


東映アニメ以外だと「 バンダイナムコHD 」や「 ブロッコリー 」なども注目しています。


ゲーム関連もありますよね。中国のゲーム大手テンセントの資本が入った「 マーベラス 」は『天穂のサクナヒメ』が50万本を超える世界的なヒット作となっていますし、まだまだいけるんだろうなって感じさせます。

「教育のDX」は息の長いテーマに


今年、日本では7年8ヵ月ぶりに首相が交代しました。菅政権でも新たな政策を打ち出していますが、関連銘柄を買われてますか?


菅政権が国家として取り組む姿勢を見せたことで盛り上がっているのが教育のDX(デジタルトランスフォーメーション)市場。小中学校でタブレット端末が1人1台配布されるなど、すでに動き始めています。息の長いテーマになるのではと期待しています。


どんな銘柄が注目ですか?


『スマイルゼミ』の好調な「 ジャストシステム 」やオンライン学習教材を学校に納めている「 すららネット 」、校務支援ソフトなどを手がける「 システム ディ 」ですね。いずれも2020年の株価は堅調でしたが、「2021年がスタート」くらいに思っています。


ジャストシステムは私も買いたいのですが、高くて手が出ない。2021年に向けて友人が話していたテーマが「美、健康、教育」でした。なるほど、と思って健康では外国株ですがネスレ、美では「 ミルボン 」を買っています。


ミルボン! ヘアケア製品の会社ですね。私も使っています!!


ミルボンは営業力が強み。美容室などから連絡があれば御用聞きのようにすぐ飛んでいくそうです。今はコロナ禍で対面営業が嫌気されやすいですが、コロナが収まれば伸びるんじゃないかな。美ではあとオンライン販売に強い「 新日本製薬 」や健康とも関連する「 ファンケル 」を持っています。

もう1つの「息の長いテーマ」はM&A


人口減少が続く限り、残り続けるのが中小企業の後継者問題。小さくてもいい会社はたくさんあります。後継者に悩む優良企業がM&Aされる動きは景気によらず続くはずです。


景気がよければ買いたい企業が増えるでしょうし、景気が悪ければ身売りしたい企業が増えそう。仲介する会社は好況でも不況でもいいんですね。


M&A仲介の「 M&Aキャピタルパートナーズ 」や「 ストライク 」、M&Aのマッチングプラットフォームを展開する「 Orchestra Holdings 」など、M&A関連は伸び続けるのではと見ていますし、中小企業のM&A仲介で最大手の「 日本M&Aセンター 」は株式分割にも積極的です。


愛鷹さんが好きな株式分割ですね。


持っているだけで保有株数が増えるので、ありがたいですよね。後継者問題も息の長いテーマになると思います。


僕の注目は、「 JAL 」などの航空株については前編でもう話しましたが、それに加えて旅行関連。「もうダメだ」とみんなに思われると往々にして株価は大底だし、そこから復活したときの上昇幅が大きくなることも経験上わかっています。


旅行関連ではどこを持っているんですか?


エイチ・アイ・エス 」と「 旅工房 」です。旅工房は時価総額が50億円程度と小さいだけに、復活したときのインパクトも大きいのではと期待しています。

2021年のメインシナリオは?


皆さん、2021年の株式市場はどう予想されていますか?


予想はしないようにしています。予想すると、つい先物に手を出したくなってしまうので……(笑)。


私は「わからない」ですね。ワクチンの効果次第ですが、コロナ騒動が収まれば、今の株高を支える金融緩和が引き締められる可能性があります。じゃぶじゃぶだったお金が止まったとき、資金が集まっていた株式市場からお金が流れ出ると、株価が急落する可能性もありますので……。それにコロナが収まったからといって、ビフォーコロナの水準まで人の往来が戻るとは思えません。


メインシナリオは上昇。ただ、もう一度くらいはクラッシュが発生すると見ています。コロナショックほどではないにしろ、急落してから上げるのだろうというイメージです。世界を見ると、アメリカではバイデン政権がスタートしますし、米中関係の行方も気になりますね。


トランプさんの時代は米中対立が先鋭化しました。バイデンさんの当選は株式市場にはプラスですか?


米中対立の横で日本が漁夫の利を得ることもありましたから、一概にそうもいえない。


一時的に収まるとしても米中の冷戦構造が長く続くとすれば、「漁夫の利銘柄」として「 NEC 」や「 富士通 」はよさそうです。


トランプ政権時代にはファーウェイの機器が政府など公共機関の調達先から排除されて、代わりに富士通やNECの製品が選ばれるのではとの期待がありました。


私は個別銘柄ばかりでマクロ経済はよくわかりませんが、もし円高・株高・原油安となれば、株価はめちゃくちゃ上がります。1980年代ごろのバブルがそうでした。

「印旛沼」に要注意!


2021年、新たに株を始めようという人へ向けて、「こんな始め方を」というアドバイスをいただけますか?


兼業の方だと時間が限られます。大事なのは目標を決めることですね。いつまでにこの資産額を、というざっくりとした野望を。すきま時間のある方なら値上がり益を狙って短期で売買しながら経験値や資産を積み上げてもいいし、時間がない方ならインカムゲイン(配当収入)を狙ってコツコツ積み立てるのもいいと思います。気をつけるべきは「印旛沼」ですね。


印旛沼……。千葉県の観光地ですか?


インバって「ダブルインバース指数ETF」の通称です。日経平均など対象となる指数が下がるほど儲かり、しかも「ダブル」だと連動幅が2倍となるため急落時には大きく儲かります。


リスクは高いですが、個人投資家に人気の銘柄ですよね。NISA口座で多く買われたことが話題になったりしました。


株価暴落に備えるための商品で、一時的なヘッジとしては有用かもしれませんが長く保有してよい商品とは思いません。長く持てば持つほど減価します。自分の性格や時間、資力に合わせて目標とする資産額を設定し、マイペースに歩むのが大事です。大勝ちよりも、大負けしないリスク管理を心がけ、相場に長く立てる己の投資道を試行錯誤してください。

カエル先生の一言

例えば、日経平均ダブルインバース指数ETFは、日々の日経平均の騰落率の-2倍として計算された指数なので、日経平均が上昇するとその2倍下がります。
ただし、騰落率は前営業日比のため、2営業日以上離れると複利効果によりずれが生じる場合があります。特に、日経平均が上下を繰り返す場合、ダブルインバース指数は逓減していく特性があるので注意が必要です。
例:日経平均が10000円⇒11000円(+10%)⇒10000円(-9.09%)と動く場合、
ダブルインバースは10000円⇒12000円(+20%)⇒9818円(-18.18%)
⇒ダブルインバースは10000円に戻らず9818円に減価する


僕からは、原則として「自分が使ってみていいと思うサービス、商品」の会社に投資すること。会社のことをもっと突っ込んで知りたいなら、自分が働いてみてもいいですし。


余弦さんは気になる会社があれば、自分で働いてみるスタンスでしたね。


今は某電気店でバイトしています(笑)。会社員の人だとそうはいかないと思うので、よく使うお店やサービスでもいいし、「 イオン 」で買い物する人なら1単元持つだけで3%のキャッシュバックを受けられる「オーナーズカード」をもらえる。そんなところから始めてもいいですよね。

ポイントを15%増量させて買ったのはみずほ株


余弦さんは「ポイ活」(ポイント活動)にも熱心ですよね。


ああ、そういえばこないだフロッギーで株を買いました!


本当ですか! ありがとうございます!!


ポイントサイト経由でクレジットカードを作ってもらったポイントが余っていたんです。dポイントに変えると15%増量されるキャンペーンを利用して株を買いました。

カエル先生の一言

お得な15%増量キャンペーンは2021年1月6日(水)までです!


どんな銘柄を買ったんですか?


みずほフィナンシャルグループ 」です。配当もありますし、以前にもフロッギーで買っていたので単元株まで増やしていこうかなと。


最後に皆さん、2021年の抱負をお願いします!


私は「プラスで終わる」! マーケットのボラティリティ(変動)が大きい相場が続いたので「感情のボラ」を抑えながら、きちんとプラスで終えたい。


「減らなきゃヨシ!」……我ながら(Twitterで人気の)現場猫みたい(笑)。あとは……婚活?(苦笑)


「常時プラスPF」。常にポートフォリオがプラスでいられたらいいですね。


皆さんの抱負が叶うことをお祈りしています! 今日はお忙しい中、ありがとうございました。www9945さんの銘柄選定眼や愛鷹さんの初心者へのアドバイス、余弦さんのポイント活用術など、ためになるお話がたくさん聞けました。2021年も宜しくお願いします!

おまけ

www9945さんのもう1つの2021年の目標。ただ毎年実現できていないそう

※エイチ・アイ・エス(9603)は記事執筆時点で、証券金融会社の注意喚起銘柄に指定されています。