好立地の戸建てニーズが拡大! オープンハウス

ここが狙い目! 日興ストラテジー・セレクション/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

今の社会動向や投資環境をもとに旬な銘柄を毎月選定している「日興ストラテジー・セレクション」。4月号の新規採用銘柄は、総合不動産メーカーの「オープンハウス」です! オープンハウスの投資ポイントをチェックして、これからの銘柄選びの参考にしてはいかがでしょうか。

新しい生活様式に対応する快適な住まいを提供「オープンハウス」

新型コロナウイルスの感染流行は、私たちの生活様式を一変させました。テレワークの普及や在宅時間の増加により、住居に関する人々の希望も変わっています。密を防げる、マンションよりも居住面積が広い、テレワークがしやすい個別の部屋を確保しやすいなど、希望にマッチする戸建住宅への需要が高まっています。

このような状況下で、活躍に注目したいのが、今回仲間入りした「 オープンハウス 」です。

同社は、都心・準都心を中心に駅近、狭小地での戸建住宅販売を得意とする総合不動産メーカー。コロナ禍で移動時間や移動距離の縮小などが求められており、同社が提供する好立地の戸建住宅に人々の関心が集まっています。

「仕入れから販売まで」がもたらす2つのメリット

同社の強みは、土地の仕入れから設計、施工、販売まで自社で行う「製販一体」にあります。これにより、人生の”三大支出”とも言われる住宅取得に対し、顧客に大きく2つのメリットを提供しています。

ひとつは狭い土地であっても、快適に生活できる広い居住空間が得られることです。AIなどで高度な技術を活用し、独自の土地活用術を実用化。また、設計士の提案などにより、狭い土地でも土地の奥行を有効活用したり、3階建の建物にして延べ床面積を増やすことが可能となりました。

ふたつ目は、住宅価格が低く抑えられることです。すべてを自社で行う一貫体制で徹底的にコストを下げ、強力な価格競争力を実現。高度な建築技術と低価格を武器に、2013年の上場以降、同社は年平均30%前後のペースで売上を伸ばしています。

関西圏の戸建て市場進出に期待!

独特の事業展開と、コロナ禍による戸建住宅ニーズの追い風を受けて、同社はさらなる業績拡大への道を進んでいます。

創業以来、東京23区、横浜市、川崎市を中心に事業を展開してきた同社ですが、2021年1月に近畿圏を地盤として分譲マンションを展開している「 プレサンスコーポレーション 」を連結子会社化しました。これにより、関西圏の戸建て市場への進出を計画しています。

大阪府と兵庫県を合わせた新築着工件数は、東京都を上回る規模があります。都市部に近い好立地で、リーズナブルな戸建住宅を提供するビジネス展開は、関西圏でも注目されそうです。首都圏エリアでの需要継続に加え、関西圏の戸建て市場に乗り出す同社に大きな期待がかかります。

2023年9期には売上高1兆円へ

業績も堅調です。戸建関連事業が業績を牽引し、2020年9月期の売上高は5759億円(前期比6.6%増)、営業利益は621億円(7.5%増)と、8期連続で過去最高の売上高、利益を更新しました。2021年9月期には、売上高7676億円、営業利益838億円の増収増益を予想している同社。好調な流れにのり、9期連続過去最高の更新を目指しています。

また、中期経営計画「行こうぜ1兆!2023」では、2023年9月期に売上高1兆円、営業利益1100億円を計画しています。同社が1.2兆円程度の市場規模があると推定する関西圏への進出や、都心・準都心の戸建関連事業が順調に推移することを背景に、2023年9月期の経営数値目標達成が期待されています。

2020年のコロナショックで株価が落ち込む場面も見られましたが、堅調な業績を背景に回復。さまざまな業績拡大材料もあり、引き続き株価の上昇余地は大きいと考えられます。

高度な建築技術と低価格を武器に高成長

首都圏を中心に、土地の仕入れから戸建住宅の設計、施工、販売まで自社で行う「オープンハウス」。AIなどを活用した高度な建築技術と低価格を武器に、順調に売上を伸ばしています。コロナ禍での戸建住宅ニーズ拡大や、未開拓だった関西圏への進出などにより、さらなる業績拡大への期待が高まります。より多くの戸建住宅を提供していく同社に、これからも注目していきたいですね。

2021年4月号では、NECネッツエスアイとカネカが除外となりました。
NECネッツエスアイは、コロナ禍を契機としたテレワークの導入がやや一服し、急速に拡大したテレワーク関連需要の反動減による、来期の業績の足踏みを考慮しました。
また、カネカは中国化学メーカーによる生分解性プラスチックの増産計画が打ち出されており、将来的に、採算度外視の大幅増産による過当競争の可能性を懸念しました。
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