僕は今、とても希望を感じています。
「失われた20年」と言われた時代では、暗闇の中になんとか光を灯そうと模索してきましたが、今は確実に光が生まれていると感じられます。
せっかく生まれた光をもっと明るく輝く光へと拡大させられるように、彼らが活動しやすい環境をちょっとでも耕すこと。
これが僕の果たすべき投資家としての使命だと強く感じています。
「最近の藤野さんはお元気そうで、とても幸せそうですね」とよく言われます。
自然豊かな逗子の街に引っ越しして、健康的な生活を送っているという理由もあるかもしれません。でも、一番の理由は「未来に希望を感じているから」だと思います。
この若い人たちなら、日本の未来をきっと明るくしてくれるという希望。〝未来に対する希望〟がどんどん膨らんでいるのです。
14歳の君にも、この希望を伝えたい。
「日本はもう終わりだよ」とか「高齢化の時代に生まれて、損な世代だね」とか、ネガティブなことをわざわざ言ってくる人の言葉に振り回されないでほしい。
それが事実ではないことは、株価の数字を見せながらお話ししましたね。
日本はこれからどんどん元気に、上向いていくはずです。
本質的な幸せとは何かを知り、「社会のためになりたい」とピュアな気持ちで夢を追える若者たちが、そのカギを握っています。
誰もが名前を知る大企業に関するニュースは、暗い内容が多いかもしれないけれど、今はまだ小さな存在でニュースにならない未来のスターたちが、これからの日本をつくっていこうとしている。
ついこの間も、僕の逗子の家に、尊敬すべき20代の友人たちが遊びに来てくれました。僕が投資しているベンチャー経営者2人と、ベンチャーキャピタリストとして活躍する笠井レオ君です。
笠井君をはじめとするこの世代の投資家たちは、日本と世界を垣根なく見ていて、気負うことなく「世界一になりたい」と言える目線の持ち主です。
過去の世代がつくりあげた社会ではなくて、新しい社会を自分たちのやり方でつくってやる。そんな世代が、ニョキニョキと頭角を表し始めていて、楽しみでなりません。18歳から25歳くらいの、君よりも少し上の先輩たちの世代です。
だから、君も将来について考えるときには、〝新しくつくる側〟になろうと、ぜひ発想してみてほしい。古い価値観の大人たちがつくった世界に、無理に自分を合わせる必要はないのだから。背伸びをせず、今の君が興味を持てることや、共感できることに向かって、素直に進んでいけばいいと思います。
「そんなことしたって、役に立たない」と言って、親や先生は反対するかもしれないけれど、未来に何が起きるかなんて誰もわからない。
僕も最近はますます、自分の可能性に蓋をするのをやめています。
年齢や忙しさを言い訳にせずに、「やりたいことはなんでもやってみよう」とチャレンジする意識を持つと、毎日の生活がもっと楽しくなりました。
例えば、最近では人生で初めてウインドサーフィンに挑戦しました。
うまく波に乗れるまで時間はかかるだろうなと覚悟していましたが、20回くらい海にボチャンボチャンと落ちました。
ボチャンと落ちては這い上がり、ボチャンと落ちては這い上がり。ただそれだけの不恰好な映像をフェイスブックに投稿すると、たくさんの人が「いいね!」を押してくれました。普通は、猛特訓の末にかっこよく波に乗れるようになった映像を投稿するのかもしれないけれど、僕は落ちている姿を見せるほうが、ずっと意味があるんじゃないかなと思ったんです。
大人もどんどん失敗する姿を見せていけば、若者だって気楽に挑戦できるようになる。僕が尊敬する先輩たちも、〝さらけ出し〟が得意な人たちばかりです。
コンサルタント界のドンと言われる堀紘一さんとお話ししていたとき、堀さんが「僕、正直言って、コンサルとは何かよくわからないし、経済のこともよくわからない」と言うのでびっくりしたけれど、同時にますます尊敬の念が沸いてきました。
子どもも大人も、やりたいことをやっている。失敗したってなんのその。
そんな空気をみんなでつくっていけたら、日本にはチャレンジャーがどんどん生まれて、もっと元気な社会へと生まれ変われるはずです。