NISAとiDeCo 7年間やった驚きの結果【前編】

フロッギー版 お金で得するオタク会計士チャンネル/ 山田真哉

「年収500万以上の会社員向け! 節税ベスト5」を読む
みなさんこんにちは! 公認会計士兼税理士の山田真哉です。

今回は、NISA(ニーサ)とiDeCo(イデコ)というお得な仕組みを解説しながら、僕が実際に7年間この2つをやってみた結果を発表してみようと思います。ちょっと驚きの結果となってます。

7年間のNISAの結果は……?

NISAがどうお得なのか、みなさんに解説していく前にですね、僕の現在のNISAの成績から発表していきます!

NISAの仕組みについては後ほど説明するので、まずはNISAをやるとどうなるのか。得するのか? 損するのか? 僕の事例を見ていただきましょう。

僕はNISAを2014年から今(2021年6月)まで続けていて、投資した総額は268万1141円です。平均すると1年あたり約38万円ですね。

「この株安いなあ」とか、「この株ほしかった!」と思った時にNISAを使う、というやり方で投資をしてきました。

じゃあこの268万円が一体どうなったのか……!
過去にさかのぼりながら、見ていきたいと思います。

まずは2年前。2019年12月31日時点は、株の評価額が217万円でした。投資額に対しプラス1万9759円ということで、ちょい黒と言いますか、ちょっとだけ儲かったというくらいでした。

それが1年前の2020年3月12日、つまり去年のコロナ真っ只中の時、評価額は236万円と、マイナス29万円でした。含み損がひどかったのが、昨年のコロナショックのタイミングです。

その後、2020年の11月5日時点では評価額が354万円と、プラス89万円になりました! コロナショックのあと、日経平均もうわーんと上がったので、僕の持っていたNISAの株もうわーんと上がりました。

スシローがすごかった!

そんな状況でしたが、今回なんと、本日2021年6月5日時点での評価額を見てみると、、、

よ、よんひゃく、、440万9790円!!

プラス175万870円ということで、どえらい儲かっています!(笑)
損益率(投資した金額からどれくらいプラスになったか)は、プラス65%です。この半年で、えらい増えています。

こちらが実際に私が買った株なんですが、何がデカイかというと、上から3つ目。FOOD&LIFE COMPANIES 」っていう謎の会社が、プラス135万円になってます。これのおかげですね、ほぼほぼ。

その下のユーチューバー事務所の「 UUUM 」は、マイナス15万ですから。

謎のFOOD&LIFEのおかげでプラスだったわけですが、僕も、こんな会社買ったっけ? と思って、ちょっと調べてみたんですが、なんとスシローの持株会社でした!

回転すしのスシローは、2018年に株主優待目当てで買っていました。当時1株1100円くらいで買ったんですが、今は4850円になってます。

3年くらい前に買っているので、ものすごい右肩上がりです。コロナ禍でも、スシローは利益出してますからね。

このスシローのプラスは運の要素が強かったと思いますが、日経平均も、この間上がっていましたから、結果的にはNISAも連動してプラスになった、という感じですね。

利益はすべて自分のもの!

ところで、僕がなぜNISA口座を使っているのか、気になりませんか?

NISAには「非課税」という優遇措置があります。なので、税理士としても非常におすすめな制度なんです。ふつうは、株を売却して得た利益や、保有している間にもらった配当金には、20.315%の税金がかかります。

今、僕のNISAは約175万円のプラスになっています。もしこれがNISAではなく、ほかの口座でのプラスだとしたら、このタイミングで売却しても、利益は175万円になりません。

35万円くらい税金で引かれて、手元に残る利益はだいたい140万円になってしまうわけです。

ところが、NISA口座を開いて、そのNISA口座の中で売買すれば、利益に対して税金はかかりません! これがNISAの一番のメリットです。

NISAの種類と仕組み

NISAは、現在3つの口座から選ぶことができます。

いずれも、証券会社で口座開設ができ、年ごとにどれを使うか選べます。なお、一般NISAとつみたてNISAは、2022年4月からは国内に住む18歳以上の個人、ジュニアNISAは18歳未満の個人が対象になります。

なので大人の方は、だいたい一般NISAかつみたてNISAのどちらかを選択することになると思います。

一般NISAは年間120万円まで、上場している株式や投資信託、REIT(不動産投資信託)など、だいたい証券会社で扱っているものが買えます。ふつうの株式投資の延長というイメージで結構です。

まあ120万までって全然少額とは思えないですけどね(先ほどの結果発表でも触れましたけど、僕は年間120万まで使ったことは、一回くらいしかないです)。

それから、つみたてNISA。こちらは長期保有を目的に作られました。最初に作られた一般NISAは、使っている人の7割が50代以上で、もともと株をやっていた人がNISAを使うだけで、全然国民に広がらなかったんです。

さらに、NISA口座を使って頻繁に売ったり買ったりできると、なかなか日本人の株主は増えません。そこで、国内に住む人がちゃんと日本株を長期保有してもらえるようにしよう、ということで作られたのが、つみたてNISAです。

具体的には、年間40万円(つまり月3万円くらい)まで、金融庁が選んだ投資信託が購入できます。2020年12月現在で186本あります。

投資信託って、じつは6000本くらいあるんです。投資を始めたばかりの人にとっては、6000本の中から自分に合ったものを選ぶのは大変ですよね。そこで、低コストで安定的に長期運用できるような投資信託を金融庁が厳選して、186本になりました。

なので、買うときの手数料はかかりませんし、非課税期間も20年間となっています。それから、いつでも積み立てている商品を変更したり、売却することができます。ここが、このあと説明するiDeCoとの違いですね。

NISAの仕組みが変わる!

そんなNISA制度ですが、このあと大きな変更が予定されています。
ポイントは3つ。

・一般NISAは2023年に終了し、2024年から新NISAがスタート
・つみたてNISAは2042年まで5年延長
・ジュニアNISAは2023年末に完全終了

ジュニアNISAは、今まで18歳になるまで払い出しができない、という制限がありましたが、2024年以降は、何歳でも払い出しが可能になります。つまり今スタートすれば、3年後から、いつでも払い出せます。ただ、こちらは、お子さんがいるご家庭だけ注目してもらえればと思います。

問題は、一般NISAから新NISAに変わるとき、いったい何が起きるのか? ということです。

新NISAは、二階建ての構造になります。二階部分は年間102万円が上限になりますが、今の一般NISAとほとんど同じ仕組みです。上場株式や株式投資信託、REITなどに投資ができます。若干デリバティブ(編集部註:金融派生商品のこと)はダメとか、そういうのはありますけどね。

そして、新しくできた一階部分。一階は年間20万円が上限で、今のつみたてNISAの仕組みと同じです。さきほどお話しした186本の投資信託から選びます。

つまり新NISAは、一般NISAとつみたてNISAのハイブリッドということですね。

二階部分を使いたい人は、原則一階部分を使う必要があります。ただ必ずしもMAX20万円まで使う必要はありません。要は、「少しでも良いから一階部分を使ってね、そうすれば、二階の一般NISAの部分も使っていいよ」ということです。

ただし、例外規定として、投資経験者(上場株式を取引している人や、今すでに一般NISAで取引をしている人)は、一階部分は不要だそうです。

つまり、今一般NISAを使っている人は自動的に新NISAに移る制度になります。これはちょっと安心ですね。

ただ、これまでの一般NISAは年間120万だったのが102万に減って、ちょっと損した気分になるので、僕はこれを機に、一階部分のつみたてNISAも始めようと思っています。

新NISAも5年間は売却益、配当金にかかる税金は0%、つまり非課税です。なので、今一般NISAをやっている人にとっては、これまでの枠がちょっと減って、つみたて投資の枠ができたという感じですね

というわけで、2024年からは新NISAか、つみたてNISAどちらかを毎年選択することになります。まあ、あんまりしょっちゅう変える人はいないと思うんですけどね。

ちなみに2023年に一般NISAで買った分は、そこから5年間保有できます。2024年に全部売らなきゃいけないわけではないのでご注意ください。

また、現行のNISAと新NISA、どちらの制度にも言えることですが、NISA口座で売却して損失が発生した場合、他の利益との損益通算や、損失の繰り越しができない点にもご注意ください。

結果、7年間で1.7倍に

というわけで、7年間の一般NISAの実績をまとめると、投資額は268万円、含み益がプラス175万円です。

そして配当金や、過去にロールオーバー(一般NISAは、非課税期間の5年が経つと、ロールオーバーといって、次の一般NISAに移し変えることができます)した分で、13万2882円のプラスがあります。これは確定した利益ですね。

それも全部合計すると、現在プラス188万3752円、損益率はプラス70%でした!

つまり、私が一般NISAを始めて7年で1.7倍になったということですね。7年間で1.7倍は、そんなに悪くない数字なのではないでしょうか。

ということで、NISAはまずまず良かったんですが、問題はiDeCo。次回は、こちらがどうだったのかという話をしたいと思います。

それでは、今回はこの辺で! ばいば~い!

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