トランプ氏が正式に大統領に就任し、その政策にマーケットの注目が集まった2017年1-3月。そうした中、1-3月期としては多くの企業が上場を果たしており、IPO市場は活気づいていました。初値が1番上がった銘柄は? 上昇した銘柄の特徴は? 1-3月のIPOを簡単におさらいしてみましょう。
2010年以降最多の上場数!
まずはIPOの戦績を振り返ってみたいと思います。2017年1-3月に新規上場した企業は27社(REITとインフラファンドは除く)にものぼり、なんと2010年以降の1-3月期としては最多となりました。日経平均株価が高値で横ばい推移していたこともあり、上場しやすい環境が整っていたことなどが理由として考えられます。
初値勝率は約9割! 株価が4倍超になった銘柄も
つぎにパフォーマンス(運用成績)についてみてみましょう。上場した27社のうち、初値が公募価格を上回ったのは25社でした。日経平均株価が底堅く推移する中、勝率は約9割と好調だったことがうかがえます。中でも一番パフォーマンスが優れていたのは、ビッグデータの解析などを行うユーザーローカルという会社です。公募価格2940円に対して、初値は1万2500円と上昇率は300%を超えました。
生産性向上や介護事業に関連する企業が好調
そのほかの上昇率が大きかった銘柄を見てみると、2位はマーケティング支援事業を行うシャノンという会社がランクインしました。中小企業を中心に生産性の向上が課題となる中、同社が手掛けるクラウドマーケティング支援事業などに期待が集まったと考えられます。また、3位にはWebとリアルでヘルスケアサービスを展開するインターネットインフィニティーが入りました。介護事業は中長期的な需要が見込まれ、ITを活用する余地は大きいとみられることからIPOでも注目を集めたようです。
円高が進んだことで日本株市場全体では冴えない値動きとなった2017年1-3月期。しかし、勝率が約9割とIPOは非常に好調でした。今後も生産性の改善をサポートする会社や、中長期的にニーズが高い事業を手掛ける企業のIPOが増えそうですね。
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