9月の株主優待はなんと約400銘柄! 1年で2番目に多い月です。自社商品詰め合わせからカタログギフト、テイクアウトにも使える外食の優待券などなど、あらゆるタイプの優待が勢ぞろいしています。そこで、今回と次回の2回に分けて9月の優待を大紹介!
まず前編では、自社商品詰め合わせの「ダイショー」や「ヒロセ通商」、カタログギフトの「日本管財」、「丸亀うどん弁当」が大ヒット中の「トリドールHD」など、見逃せない10銘柄を取り上げます。
※日興フロッギーで購入して優待をもらう場合には、保有する株式が9月24日(金)までに単元株以上になるよう購入してください。
※NISA口座は、同一年内に単元株数に達した場合のみ、単元株に振り替えられます。複数年にまたがった買付けで単元株数に達した場合は、振り替えは行われず、従って株主優待を受け取ることはできません。
備蓄食料にも◎な、レトルトカレーやパックご飯【ヒロセ通商】
■権利月:9月
■最低投資金額:23万9300円(8/30終値2393円×100株)
■配当金額(会社予想):未定
■予想配当利回り:ー
インターネットを介したFX(外国為替証拠金取引)の取引システム「LION FX」を提供している「 ヒロセ通商 」。6月末時点の顧客口座数は54万4494口座で、2022年3月期第1四半期の外国為替取引高は前年同四半期に比べて31.2%増となる1兆6270億通貨単位とのこと。
ステイホームでFX取引を行う人は増えているとのことで、同社は取引ツールを使いやすくするといった工夫に取り組んでいます。なお、FX事業はマーケット環境に収益が大きく左右されるため、同社は通期の業績予想を公表しておらず、配当予想についても未定としています。
さて株主優待は、100株以上で1万円相当、1000株以上で3万円相当の自社キャンペーン商品(FX利用顧客へのプレゼント商品など)の詰め合わせです。
中身は毎年変わりますが、昨年の100株保有の場合、レトルトカレー12個、パックご飯12個、即席袋めん20個、さらにカレンダーまで、合計40点を超える大ボリュームでした。非常食用として備蓄したり、また急にお腹が空いたときでも、この優待さえあれば慌てることはありませんね!
オールインワン化粧品や青汁で、身体元気に【新日本製薬】
■権利月:9月
■最低投資金額:18万8400円(8/30終値1884円×100株)
■配当金額(会社予想):32.5円
■予想配当利回り:1.72%
「 新日本製薬 」は、オールインワン化粧品の「パーフェクトワン」シリーズで知られる会社。人気タレントを使ったテレビCMを見たことがあるという方もいるのでは? 健康食品や社名に「製薬」と付いているように、医薬品なども手がけています。
株主優待では、「パーフェクトワン」シリーズなどの自社商品がもらえます。2021年9月期は、主力の通信販売や海外での販売が好調で、前期比2.5円の増配も予定しています。
詳しい優待内容は、100株以上で4000円相当、300株以上で1万5000円相当の自社商品です。すでに今回の優待品は発表済みで、100株保有の場合はパーフェクトワンモイスチャージェル、300株以上の場合は、100株の優待品に加えて、青汁や「パーフェクトワン」シリーズのシャンプー、5000円分の自社商品お買い物券がもらえます。
さらに、6カ月以上の継続保有で、100株では8500円相当に、300株なら3万円相当に内容が大きくグレードアップ! キレイと健康を重視する方にぴったりの優待ですね。
備えあれば憂いなし。防災グッズも優待で【日本ドライケミカル】
■権利月:9月
■最低投資金額:19万9900円(8/30終値1999円×100株)
■配当金額(会社予想):30円
■予想配当利回り:1.50%
防災設備の大手メーカーである「 日本ドライケミカル 」。オフィスビルや各種プラント、船舶などの防災設備を扱う事業が中核です。また、防災システムのメンテナンス事業や、消火器をはじめとする各種防災製品を扱う商品事業、さらにニーズに合わせた消防自動車を製造・販売する車両事業なども展開しています。
2022年3月期の第1四半期は、メンテナンス事業で改修・補修工事の案件が増えたことなどから、前年同期比で2ケタの営業増益を実現しています。
株主優待は、100株以上で1000円相当の防災グッズです。オリジナルQUOカード、国内災害義援金を含む10の選択肢があり、そこから1つを選ぶことができます。
すでに今回の優待品は発表済みで、たとえば救急セットやLEDランタンライト、14の機能があるマルチ機能ツール、保存食セットなどが用意されています。いずれも、「いざ」というときに役立つこと間違いなし!
自宅の防災グッズを点検して、足りないものを優待でチョイスするというのもよい方法かもしれませんね。
グルメから日用雑貨まで、カタログギフトが年2回!【日本管財】
■権利月:3月/9月(年2回)
■最低投資金額:26万2500円(8/30終値2625円×100株)
■配当金額(会社予想):54円
■予想配当利回り:2.05%
ビルの管理業務や清掃・保安警備などが主力事業の「 日本管財 」。上下水道処理施設などの公共施設管理を行う環境施設管理事業や、不動産ファンドマネジメント事業なども展開しています。
同社を中心に、業務ごとに高い専門性を備えた企業でグループを作っていることが強みで、建物管理に先進的な技術を取り入れることで収益性と資産価値の向上を図っています。2022年3月期の会社計画は増収増益の見込みです。また、配当については2期連続の増配を予定しています。
株主優待は、100株以上で2000円相当のカタログギフトです。カタログは分厚いものではなく二十数ページほどの小冊子タイプですが、総菜やスイーツなどのグルメ商品を中心に、テーブルウェアや日用雑貨、洗濯用洗剤などまでバラエティに富んだ内容になっているのが特徴です。
3月と9月の年2回実施されるのもうれしいポイント! さらに、長期保有株主のための優遇制度もあり、3年以上の継続保有で優待金額が2000円相当から3000円相当へとグレードアップします。
話題の「丸亀うどん弁当」も優待で♪【トリドールHD】
■権利月:3月/9月(年2回)
■最低投資金額:22万7900円(8/30終値2279円×100株)
■配当金額(会社予想):未定
■予想配当利回り:ー
セルフ形式の本格的な讃岐うどんを提供する、「丸亀製麺」で知られる「 トリドールHD 」。他にも、ファミリー層向け焼き鳥店の「とりどーる」やかつ丼の「豚屋とん一」、カフェ業態なども展開しています。国内外店舗数は、FCも含めて6月末時点で1734店舗。
2022年3月期は、4月に発売した「丸亀うどん弁当」が大ヒット。通期の会社計画は2ケタの増収かつ黒字転換を見込んでいます。
株主優待は、100円分の優待券を、100株以上で30枚、200株以上で40枚、1000株以上で100枚、2000株以上なら150枚です。100株でも年間6000円分がもらえます! 100円券なので使いやすく、一度に何枚でも上限なしで利用可能なのはうれしいですね。
「丸亀うどん弁当」などテイクアウトにも利用OK。長期保有優遇制度もあり、200株以上を1年以上継続保有した場合には割引券が追加されます。
丸亀製麺をはじめ、焼き鳥、かつ丼、カフェなど多彩な自社ブランドで使えて、さらにグループ会社のヘアカラー専門店や飲食店などでも利用できますよ。
百貨店やスーパーで幅広く使えるギフト券【アサンテ】
■権利月:3月/9月(年2回)
■最低投資金額:17万5200円(8/30終値1752円×100株)
■配当金額(会社予想):62円
■予想配当利回り:3.53%
木造住宅を対象とするシロアリ防除の事業で知られる「 アサンテ 」。また、湿気対策や地震対策、ホテルや飲食店を対象とした害虫・害獣防除、病院などの施設の衛生対策なども手がけています。現在、西日本での営業エリア拡大にも力を入れていて、この4月には新規エリアとなる愛媛県に営業所を開設しました。
2022年3月期の会社計画は2ケタの増収増益を見込んでいて、前期比2円の増配も予定しています。なお、予想配当利回りは3.53%(8/30終値で計算)と3%を超えていて、配当面の魅力も大きい銘柄と言えるでしょう。
株主優待は、100株以上で一律1000円分の三菱UFJニコスギフトカードです。9月と3月の年2回優待なので、年間2000円分がもらえます。
百貨店やスーパー、ショッピングセンター、ホテル、飲食店など、非常に幅広い店舗で利用できるのがうれしいポイント。有効期限はないので、使う日のためにお財布に入れておくとよさそうですね。
定番〜新製品まで。鍋シーズンへの備えはいかが?【ダイショー】
■権利月:3月/9月(年2回)
■最低投資金額:13万9500円(8/30終値1395円×100株)
■配当金額(会社予想):18円
■予想配当利回り:1.29%
たれやスープ、粉末調味料などを製造する調味料メーカーの「 ダイショー 」。多彩な商品の中でも、塩・こしょう・調味料を独自のバランスで配合した「味・塩こしょう」は、50年以上も前に発売され今もロングセラーの定番商品です。
2022年3月期は、策定中の中期経営計画の最終年度で、主力製品の販売に力を入れると同時に、新製品の開発などにも積極的に取り組んでいます。また、通期の会社計画は増収増益を見込んでいます。
株主優待は、100株以上で1000円相当、500株以上で2000円相当、1000株以上で3000円相当、5000株以上で6000円相当の自社商品詰め合わせです。
3月は「たれ」製品や調理用ソース、9月は冬の食卓に欠かせない鍋スープ類が多いという傾向があり、昨年9月の100株保有の場合は、野菜巻きしゃぶ鍋スープ、博多もつ鍋スープ(しょうゆ味)、チーズタッカルビの素、アヒージョの素の4品でした。
優待品では、定番商品に加えて新製品がもらえる場合もあり、今年のラインナップも楽しみですね!
ステーキ、焼肉、寿司ーーどれにしようか迷ってしまう!【アトム】
■権利月:3月/9月(年2回)
■最低投資金額:7万9000円(8/30終値790円×100株)
■配当金額(会社予想):未定
■予想配当利回り:ー
「ステーキ宮」「カルビ大将」「にぎりの徳兵衛」など、ステーキ店や居酒屋などの外食チェーンとカラオケチェーンを手掛ける「 アトム 」。直営店とFCを合わせた店舗数は全368店(6月末時点)です。
株主優待は各店舗で使える株主優待ポイントで、親会社である「コロワイド」のグループ会社が運営する外食店舗、たとえば「甘太郎」や「かっぱ寿司」などでも使えることが大きな魅力です。
コロナ禍が続いていますが、テイクアウトやデリバリーサービスの強化や効率化が図れる配膳ロボットの導入検討などに取り組むことで、2022年3月期の通期業績は2ケタの増収かつ黒字転換を目指しています。
詳しい優待内容は、100株以上で2000ポイント、500株以上で1万ポイント、1000株以上で2万ポイントの株主優待ポイント。ポイントは1ポイント=1円分として1円単位で支払いに利用可能で、最後まで無駄なく使えます。
また株主優待ポイントと引き換えで、日本各地の特産品を選べるので、近くにお店がないという人でも安心ですね。
店舗が多いから、全国で使える!【ヤマダHD】
■権利月:3月/9月(年2回)
■最低投資金額:4万8200円(8/30終値482円×100株)
■配当金額(会社予想):未定
■予想配当利回り:ー
「 ヤマダHD 」は、傘下に「ヤマダデンキ」をはじめ、家電量販店や住宅関連、金融関連などさまざまな企業を抱える持株会社。昨年10月から持株会社体制に移行しました。グループ全体の店舗数は、国内外の直営・FCを合わせてなんと1万2492店舗(6月末時点)。また、株式交換により2021年9月から大塚家具を子会社化しています。
2022年3月期は、家電に加えて家具や生活雑貨なども幅広く揃えた新業態店舗を含めて、30店舗の新規出店を予定しています。
株主優待は、前回3月から内容を変更。現在は、500円分の株主優待券を、100株以上で1枚(3月)・2枚(9月)、500株以上で4枚(3月)・6枚(9月)、1000株以上で10枚、1万株以上で50枚もらえます。優待券は割引タイプで、税込1000円の購入ごとに1枚使用可能です。
ヤマダデンキの各業態のほか、ベスト電器、マツヤデンキ、さらに大塚家具の家電売場などでも利用できます。店舗数が多く、全国各地で使えるのはメリットですね。
ウルトラマン好きにおすすめのQUOカード【パルマ】
■権利月:9月
■最低投資金額:7万3200円(8/30終値732円×100株)
■配当金額(会社予想):9円
■予想配当利回り:1.22%
「 パルマ 」は、トランクルームに関わるビジネスを幅広く展開している企業です。たとえば、トランクルームの賃料債務保証やWebを使った予約決済・在庫管理システムなどの提供、事業者向けにトランクルーム物件の開発や販売も展開しています。
2021年9月期は、子会社を取得したことで第2四半期から連結決算を開始。また、以前から出資を受けている日本郵政グループとの業務提携も具体的に動き出しています。なお配当については、前期比で1円の増配を予定しています。
株主優待は、100株以上で1000円分、1000株以上で5000円分×2枚のQUOカードです。1000株の場合、100株のちょうど10倍分の金額となるQUOカードがもらえるので、10単元を保有したいと考えている人にとってはうれしい優待と言えるでしょう。
そして、特徴的なのがQUOカードの絵柄で、同社の屋内型トランクルームがウルトラマンファミリーをイメージキャラクターとしていることから、QUOカードにもウルトラマンファミリーが描かれているのです。ウルトラマン好きにとっては、見逃せない優待と言えそうです。
いかがでしたか? バラエティ豊かな優待が豊富にそろった9月の株主優待。誰でもきっと欲しい銘柄がたくさん見つかるはず! 優待が大好きという方はもちろん、優待投資はこれまで未体験という方も、この機会をぜひ活用してみてくださいね。
また、優待の内容は代表的な事例をもとに記事を構成しております。詳しくはそれぞれの企業のHP等でご確認ください。