マーケットの「温度感」がわかる連載「カエル先生のマーケットハイライト」。今回はにわかに株式市場で注目が集まりつつある「自民党総裁選」と「衆議院選挙」について解説します!
引き続き新型コロナウイルスの感染状況が重しになっている日本株市場。そんな中、支持率が低迷する菅政権の動向に注目が集まりつつあります。今後の政治日程や、衆議院選挙前に出されるであろう追加経済対策に注目した銘柄アイデアを見ていきましょう。
8月は感染増とトヨタ減産報道が重しに
8月31日の日経平均株価は2万8089円となり、前月末比805円高でした。
8月は、国内における新型コロナウイルスの新規感染者の増加や、トヨタ自動車による9月の減産報道などが相場の重しになりました。半導体不足に加え、アジアにおける感染拡大が工場の稼働を足止めしている様子が浮き彫りとなりました。
ただ、国内に関しては、ワクチン接種が進んでいることや、東京などで月末になりようやく新規感染者の増加が鈍化し始めたことから、株価は底打ちの兆しを見せ始めました。
秋の2大政治イベントに注目集まる
一方、マーケットで注目を浴び始めたのが日本の政治動向です。支持率が低迷している菅政権。この秋に「自民党総裁選」と「衆議院選挙」の2大イベントを控えています。
自民党総裁選は自民党のトップである総裁を選ぶ選挙を指します。9月末に菅総裁の任期が切れるため、それに伴って選挙をする必要があります。日程は、9月17日告示、9月29日に投開票と決まりました。
自民党総裁=衆院選の顔
今回の総裁選は、直後に衆議院選挙も控えているため、まさに自民党の「顔」を決める選挙の意味を持ちます。自民党内では現職の菅総理を推す勢力がいる一方で、低い支持率などから「このままではまずい」と考える勢力も多いものと考えられます。
直近行われた横浜市長選では、菅総理の元側近である小此木氏が敗れ、野党候補が勝利しました。そのため、自民党内ではさらに危機感が増しつつあるようです。菅総理続投となるのか、はたまた違う首相が誕生するのか。そして新総裁で衆院選を自民党が戦えるのか、しばらくは政治の秋となりそうです。
現役首相が負けたのは1度だけ
ちなみに過去、現役の首相が他候補者に負けたケースは1978年の1度のみ(現職の福田赳夫氏が大平正芳氏に敗北)。ただ、当時は特に株式市場への影響は見られませんでした。
秋の追加経済対策関連銘柄に注目
こうした中、個別銘柄では、秋のうちに打ち出されるであろう、追加経済政策に注目が集まります。特に9月に発足したデジタル庁を中心とした、「マイナンバー」「セキュリティー」「IT人材」に関する政策などに注目が集まる可能性があります。関連する銘柄をチェックしてみましょう!
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