オンラインで楽しめるゲームが好調! イオンファンタジー

ここが狙い目! 日興ストラテジー・セレクション/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

今の社会動向や投資環境をもとに旬な銘柄を毎月選定している「日興ストラテジー・セレクション」。9月号ではアミューズメント施設運営大手の「イオンファンタジー」が新規に選定されました! イオンファンタジーの投資ポイントをチェックして、これからの銘柄選びの参考にしてはいかがでしょうか。

誰もが安心して遊べる場を提供! 「イオンファンタジー」

新型コロナウイルスの感染拡大に、なかなか終止符が打たれません。長らく続く自粛生活の日々に、アミューズメントなどの娯楽を欲する人は多いのではないでしょうか。

そんな人々の気持ちに応えてくれるのが、今回仲間入りした「 イオンファンタジー 」です。イオングループの企業として、子どもから大人まで安心して楽しめるアミューズメント施設を運営しています。

ポテンシャルの高いアジア諸国の経済成長を享受

イオンファンタジーは、イオン系のショッピングセンター内を中心に、クレーンゲームやメダルゲームを設置したゲーム施設の「モーリーファンタジー」や、インドアプレイグラウンド「キッズーナ」などを、国内外の全853店舗(2021年5月末現在)に展開しています。

そのうち、約半数の422店舗は中国をはじめとする海外店舗です。海外では2008年に中国で初の海外直営店を出店したのを皮切りに、マレーシア、タイ、フィリピン、ベトナム等々、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国へ次々と拠点を拡大させています。

人口だけを見ても、中国が約14億人、ASEAN諸国が約6億6000万人と、合わせて日本の約17倍。中国の経済規模やASEAN諸国の経済成長ポテンシャルなども鑑みれば、今後ますますアジア圏への出店、業績への貢献が期待できそうです。

感染対策の強化で国内事業は回復基調

コロナ禍で臨時休業や営業時間短縮など、大きな打撃を受けているアミューズメント業界。しかし、同社は顧客のニーズに応える独自のサービス展開・提供力で強さを見せています。

そのひとつが、スマホなどで遠隔操作するオンラインクレーンゲームの強化です。景品をクレーンでつり上げ、獲得するのが楽しみな人も多いクレーンゲーム。

オンラインクレーンゲームでは、売れ筋景品の集中展開に加えて、有名菓子メーカーやキャラクターとのコラボ企画を推進し、同社限定景品を積極的に展開しています。獲得した景品の発送サービスも提供しており、ユーザーの満足感を満たしてくれます。

他にも、子ども向けプレイグラウンド全63店舗の混雑状況をWEB上で公開するなど、密を避けて遊べる数々のサービスを提供しています。

これらの取り組みにより、今年度(3−7月)の国内の既存店月次売上は、コロナ禍前の一昨年比でも75%程度にまで回復。特に、オンラインクレーンゲームの2022年2月期第1四半期(3−5月)売上高は前年同期比92.3%増となり、全体の売上回復に貢献しています。

2024年2月期は過去最高益を目指す

国内、中国、ASEAN諸国と加速度的に店舗展開をして急成長した同社。2018年2月期には営業利益59.7億円を計上しましたが、この拡大路線に伴う経費増や、その後の新型コロナの影響により営業減益・赤字計上を余儀なくされました。

そこで注目したいのが、事業構造および収益構造の見直しなどを柱とする、2021年4月に策定した中期経営計画(2021~23年度)の実現です。

計画実行はすでに始まっており、2022年2月期第1四半期期間に、国内で草加マルイ店をはじめイオングループ外の物件に4店舗の新規出店しています。これまで全国展開している「イオン」の強みを活かした店舗展開をしてきた同社ですが、初めて丸井グループへの出店を果たしました。

また、コロナ禍で強化したデジタル化をさらに推進させることで、生産性改善や店舗当たりの売上向上、質的向上による収益性改善なども図っています。計画では2024年2月期に過去最高となる営業利益60億円を目指す同社。計画実現を期待しつつ、今後の進捗を見守っていきたいですね。

遊びを通して日本・世界の人々に笑顔を届ける

国内外で800店舗以上、子どもから大人まで楽しめるアミューズメント施設を展開・運営するイオンファンタジー。

約半数ある中国・ASEAN諸国での店舗は、今後も増大し、中・長期的な業績拡大に期待がかかります。国内では、コロナ禍で強化したオンラインクレーンゲームが牽引役となり、売上は回復基調にあります。今後も新規出店やデジタル化の推進により、過去最高益を目指す同社を応援していきたいですね。

2021年9月号では、GMOペイメントゲートウェイが除外となりました。
加盟店とクレジットカード会社をつなぐ同社の決済代行サービスは、国内EC(電子商取引)市場の拡大などにより、順調に成長しています。ただ、キャッシュレス決済の浸透とともに成長率がやや鈍化してきていることなどから、株式市場における同社への高い期待感との乖離を懸念しました。