音声プラットフォーム「Voicy」で、ヤング日経と日興フロッギーがコラボレーション! 今週は、「高成長続く、グローバルニッチトップ企業」について解説します。
齋藤さん
毎週土曜日にお届けするコーナー「週末インベスター!5分でわかる投資アイデア」。記事から株が買える投資サービス「日興フロッギー」の編集部に、投資の基礎知識や注目の投資アイデアを聞いていきます。
お越しいただいたのは日興フロッギー編集長の横山 敦史さんです。よろしくお願いします。
横山
よろしくおねがいします。
齋藤さん
このコーナーでは、横山さんと一緒に、毎週土曜日にヤング層が注目するような話題をご紹介していきます。改めて「日興フロッギー」について詳しく教えていただけますか?
横山
「日興フロッギー」はSMBC日興証券が運営する「記事を読んで、気になる会社を見つけたら、そのまま買える」投資サービスです。東証に上場する個別株やETFなど約3700銘柄を、どれも100円から金額指定で買うことができます。「まずお小遣い程度から始めてみたい」という方は、ぜひお試しいただければと思います。また、当社のダイレクトコースなら、dポイントでも100ポイントから株を買うことができます。ポイントを消費する先に迷っている方は、これを機会に始めてみてはいかがでしょうか。
齋藤さん
ありがとうございます。さて、本日のテーマはなんでしょうか。
横山
今回は、高成長が続くグローバルニッチトップ企業に着目したいと思います。齋藤さん、「ニッチ」という言葉をご存じですか。
齋藤さん
名前は聞いたことがあります。確か、大企業とかがターゲットとしないような小さな市場のことを言うんですよね。
横山
そうです。ニッチトップ戦略というのは、そうした市場において、自社の強みを生かして差別化を図り、シェア1位を狙うことをいいます。市場での存在感が高まれば安定して収益を確保できるほか、好採算を維持できるという特徴があります。
齋藤さん
有力な経営戦略の一つなんですね。どんな企業がニッチトップ戦略をとっているのかすごく興味があるのですが、どのようにして調べたらよろしいのでしょうか。
横山
実はすごくいい資料があるんですよ。2020年6月に経済産業省が「グローバルニッチトップ企業100選」というものを発表しました。世界のニッチ分野で勝ち抜いている企業や、サプライチェーンにおいて重要性が高い部材や素材などを手掛ける優良な企業を「グローバルニッチトップ」、頭文字をとって「GNT」企業として選定しました。
齋藤さん
経産省のお墨付きというわけですね。選ばれている企業はどういった特徴があるのでしょうか。
横山
その中では113社が選ばれていて、機械や加工部門が61社と大半を占めています。ものづくり大国ニッポンと呼ばれるゆえんですよね。
また、113社のうち45社が上場しています。各社が提供する製品やサービスはそれぞれのニッチ分野において平均で世界シェア43%を誇っていて、世界市場規模は選定時から5~10年後に平均で2.21倍の高成長が見込まれています。
齋藤さん
高い利益率を誇り、しかも市場規模が大きくなれば、成長の好循環が期待できますね。株式投資という点ではその上場している45社が気になるのですが、どのような企業が具体的に該当するのでしょうか。
横山
今回は今年度と来年度に2期連続で営業利益が10%以上増えるなど、増益が見込まれる4銘柄を紹介させていただきたいと思います。まずは「 OSG 」という会社です。
齋藤さん
お名前を存じ上げないのですが、どういったことを手掛けている会社なのでしょうか。
横山
この会社はねじ切り工具という、自動車や航空機などの精密部品加工に欠かせない製品を製造しています。世界シェアが3割以上を超える製品もあります。欧州で自動車向けが好調なほか、アジアで中国を中心に半導体や電子部品関連の需要も旺盛で、2021年3~5月の業績はコロナ禍前を超える水準となりました。
齋藤さん
コロナという逆風があっても、他社にはマネできない独自性のある製品を抱えている企業は強いというのを表していますね。
横山
そうですね。次にご紹介したいのが「 技研製作所 」という会社です。インプラント工法と呼ばれる土木工事を手掛けるパイオニアで、ブラジルやアメリカなど海外での受注が拡大しています。中長期的には減災や防災需要のほか、老朽化した社会インフラ整備に関連する需要も国内外で増えるとみられています。
齋藤さん
国土強靱化政策もありますし、今後も安定した需要が見込めそうですね。他にはどんな企業がありますか。
横山
医療機器製品を手掛ける「 朝日インテック 」という会社も注目です。カテーテル治療に使用する医療機器を製造していて、国内では圧倒的なシェアを誇ります。世界110の国と地域に提供していて、21年6月期の営業利益率は21%にのぼります。センサーを活用した器具など新製品の投入で、26年6月期の売上高は20年度の倍近い1100億円を目指しています。
齋藤さん
世界的に高齢化が加速する中で、医療に不可欠なこうした製品を作っている会社は今後も社会から求められそうですよね。
横山
最後にご紹介したいのが「 イビデン 」です。半導体と一体となって機能する部品である最先端ICパッケージ基板を製造していて、世界トップメーカーとして君臨しています。デジタルトランスフォーメーションが進む中で、サーバー向け半導体の高い需要を背景に、ICパッケージ基板の売れ行きが好調です。量産計画もあり、さらなる成長が期待できそうです。
齋藤さん
世界的に半導体不足が騒がれる中で、解消には時間がかかると言われていますよね。ということは、当面はICパッケージ基板の需要も見込めそうですね。
横山
このように、普段なじみがない分野でも、世界トップの実力を誇る日本企業は隠れています。知る人ぞ知るニッチ市場で活躍する企業は投資価値もあるので、ぜひ注目してみてはいかがでしょうか。
齋藤さん
大変参考になりました。ちなみにこうした企業の株価動向を教えていただけないでしょうか。
横山
上場しているグローバルニッチトップ企業45社の平均株価と日本を代表する株価指数の一つであるTOPIXの株価動向を比較したいと思います。2014年初を100とした場合、グローバルニッチトップ45社の平均株価は足元で600前後と、200にも達していないTOPIXを大きく上回って推移しています。特定分野で独自の強みを発揮し、ライバルを寄せ付けない地位を築いているのが高収益につながり、ひいては株価の好パフォーマンスにも通じているのかと思われます。
齋藤さん
ありがとうございました。大変参考になりました。
今回の放送では4銘柄のご紹介となりましたが、記事の中では合計で11銘柄を紹介しております。横山さん、本日はありがとうございました。
横山
ありがとうございました!