デジタル化でニーズを取り込む学習塾・予備校業界に注目

データから見つかる! 困ったときの投資アイデア/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

コロナ禍をきっかけに、学習塾・予備校業界は「デジタル技術の有無」が競争力を左右するようになっています。そこで今回は、デジタル化で生徒を取り込むチャンスが増す大手学習塾・予備校をご紹介します。

子ども1人あたりの学習塾・予備校費は増加傾向に

近年の学習塾・予備校は、1兆円近くの市場規模で安定的に推移しています。こうした中で、個別指導受験塾「TOMAS」などを手掛ける「 リソー教育 」や、神奈川を中心に学習塾を展開する「 ステップ 」など大手学習塾・予備校の今期経常利益は、過去最高益更新、もしくは大幅増益が見込まれています(会社予想)

この背景には、子ども1人あたりにかける学習塾・予備校費が増加傾向にあることが挙げられます。少子化で学齢人口が減少し、中小の学習塾・予備校が苦境となる一方で、質の高いサービスを提供している大手が需要を取り込んでいるとみられます。

デジタル対応できる「大手」に追い風

大手学習塾・予備校にとって、さらに追い風となっているのが、デジタル化の波です。

もとより教育業界はデジタル対応が遅れていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大で変わってきています。オンライン授業の需要が拡大するなど、学習塾・予備校はデジタル技術の有無が競争力を左右するようになっています。

先日、英国の投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズが「家庭教師のトライ」や「個別教室のトライ」を展開するトライグループ(非上場)を買収する方向と報じられました。

トライグループは人工知能(AI)を活用した学習診断などに力を入れており、商機が拡大すると判断された可能性があります。日本の教育サービス市場への注目度が高まっている様子が伺えます。

こうしたデジタルへの対応に欠かせないのは資金力です。とりわけ大手は優位に立ちやすく、生徒を取り込むチャンスが増しています。デジタル化への対応で追い風が吹く大手学習塾・予備校銘柄に注目してみてはいかがでしょうか。

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