日経平均株価が約30年半ぶりに3万円に達するなど、コロナ禍ながらも株価が上昇した場面もあった2021年の株式マーケット。そんな中、100社超の企業が新規上場(IPO)を果たしました。2021年のIPO銘柄を、初値上昇率が高かった企業の特徴などとともに振り返ります。
2021年は125社が新規上場見込み
2021年に新規上場した銘柄は92社でした(11月末時点。プロ市場、REIT、インフラファンドなどは除く。以下同様)。
12月の上場予定分も含めると、2021年は合計125社が上場予定となっており、2010年以降では初めて100社を超える企業が上場する見込みです。
一方で、すでに上場している分だけを見ると、初値の平均上昇率は65%とここ7年間では最も低い水準となりました。
ただ、個人投資家の買い需要そのものは根強く、公募価格で買って初値で売った時の「初値勝率」は92%と高かったことがうかがえます。
初値上昇率別に公募比率と発行総額を見ると、上昇率が高い銘柄ほど、公募比率が高く、発行総額が低いことがわかります。
より効率的にIPO投資を始めたいという方は、公募比率と発行総額をチェックして、応募する銘柄を選別してみてもよいかもしれません。
公募比率とは、ここでは公募・売出し総株数に占める公募株の割合を指します。売出し株は主に経営者などが上場前に持っていた株のうち、上場時に合わせて売却する株を指します。つまり売出し株が多ければ、いわゆる「上場ゴール」と市場で見られ、投資家のニーズが高まらないケースもあるようです。
初値上昇率トップは「アピリッツ」
2021年のIPOで初値上昇率が一番大きかったのは、+375%の「 アピリッツ 」です(11月上場分まで)。
同社はECサイトやWebシステムの受託開発を手がけています。最近では、人気ゲーム「けものフレンズ3」の運営をセガから移管しました。2022年には完全新作ゲームの公開も控えており、マーケットの注目はさらに高まりそうです。
2位に入ったのは、WebサイトのAIコンサルティングを展開する「 WACUL 」(ワカル)です。
同社が手掛ける「AIアナリスト」は、Webサイトのアクセス解析ツール「Googleアナリティクス」のデータを元に、自動で分析をしてわかりやすい言葉で改善提案をしてくれるサービスです。
AIアナリストの登録サイト数は3.5万サイトに上り、これからも成長が期待されます。
3位の「 サイバートラスト 」は、ソフトバンクテクノロジー社傘下で、本人確認のデジタル化や信頼性を高める電子証明・eシール・タイムスタンプなどを手がける企業です。
デジタルトランスフォーメーション(DX)時代に欠かせないセキュリティ技術を武器に、さらなる飛躍が期待できそうですね。
アイ・パートナーズフィナンシャル
シキノハイテック
サイエンスアーツ
BCC
ベイシス
QDレーザ
ブレインズテクノロジー
相場の落ち着きや2020年からの繰り越し分もあって、100社超が上場した2021年のIPO市場。
人気の企業はなかなか当たらないかもしれませんが、公募比率や発行総額をチェックして、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
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