マーケットの「温度感」がわかる連載「カエル先生のマーケットハイライト」。今回はインフレの正体と、米利上げ時のリスクを抑えた投資法について解説します!
米国で39年半ぶりのインフレ水準となっていることから、マーケットでは早期利上げ観測が浮上し、株価は下落基調にあります。なぜまだ景気が本格回復していないのにインフレが発生したのか、その謎を紐解きつつ、このタイミングでこそ狙うべき「負けにくい」投資をお伝えします。
1月は金利上昇で株価は下落
1月31日の日経平均株価は2万7001円となり、前月末比1789円安でした。
大発会の日こそ大きく上昇して始まった2022年の日本株市場ですが、1月6日に米国の早期利上げ観測などから日経平均株価は急落。国内では、オミクロン株の流行などもあり、投資家心理は悪化しました。東証マザーズ市場など新興株を中心に売りが相次ぎ、日経平均株価は昨年来安値を更新しました。
緩和マネーの副産物「インフレ」の正体
米国で早期利上げ観測が出ている背景は、足元のインフレ率の加速にあります。
新型コロナウイルス流行による景気後退を防ぐために、各国の政府や中央銀行は、大規模な財政政策や金融緩和を推し進めました。一時的な経済の停滞はあったものの、ワクチン接種の進展などから景気は回復。その緩和マネーが消費や投資に流れ込んだことなどから、特に米国では物価が大きく上昇し始めています。
さらに、産油国がなかなか増産に動かないことや、環境への配慮などを理由に石油関連施設への投資が絞られていることなどから資源価格が上昇。その影響で、世界で物価が上昇しています。
インフレとは物やサービスの価格が上がることを言います。景気が良い状況で発生する適度なインフレは好ましいですが、コストが上昇することによるインフレや、急激なインフレは経済に悪影響を及ぼします。
米インフレ率は39年半ぶりの高水準
米国では2021年12月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比+7.0%と39年半ぶりの水準になりました。日本でもエネルギー価格の上昇により、一部の物価指標が上昇傾向にあります。
こうした状況を受け、米国の中央銀行は量的緩和策の縮小をスタートさせています。マーケットでは、次の金融引き締め政策である「利上げ」が早期かつ大幅に行われるのではないか、という見方が優勢になってきました。その影響で、新興株を中心に売りが相次ぐ状況になりつつあります。
米国の中央銀行である米連邦準備理事会(FRB)は、「物価の安定」と「雇用の最大化」という2つの責務を持っています。足元のようにインフレ率が上昇する場面では、緩和策の縮小や政策金利の引き上げによって、市場に出回るお金の量を減少させるように政策運営をコントロールしています。
利上げ後1~2ヵ月は株価が調整!?
一般的に、利上げは景気が過熱し始めている状況で行われるケースが多いです。しかし、金融緩和の状況が「終わりの始まり」を迎えることで、過度に買われていた銘柄などにはいったん売りが入りやすくなるのです。
過去の利上げ局面を振り返ると、利上げ後1~2ヵ月は株価が不安定なケースが多かったようです。ただ、景気そのものは良好なので、その後は業績に応じるように株価は再び上昇トレンドに回帰していました。今回は新型コロナウイルスの流行という、不確定な要素があるので同じようにはいかない可能性もありますが、1つの参考になるのではないでしょうか(今年は3月に利上げが実施されると見られています)。
もうしばらく下落しやすい局面が続くと想定すると、落ちている株をつかむのはリスクがあります。こんな時は、リスクを分散させつつ、少しずつETFなどを買い続けるのが1つの策と言えます。
日興フロッギーでは、66種類のETFを金額指定で買うことができます。ETFで投資対象も分散、何回かに分けて買い続けることで時間も分散して、「負けにくい」投資を目標にしてみてはいかがでしょうか。
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上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本
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