三菱商事111万円。100円つみたてしていたら

あの日、あの時から、100円毎日つみたてしていたら/ 日興フロッギー編集部チチチ

石炭や天然ガスなどの資源事業から、ローソンや自動車といった事業まで幅広く手掛ける三菱商事。そんな三菱商事を、資源大手BHPビリトンとオーストラリアの炭鉱の合弁会社を作った2001年7月から、毎日100円ずつつみたて投資をしていたら、いまの評価額は111万円になっています(2022年2月28日始値ベース)。

最高で116万円

三菱商事 」は全部で10の事業を手掛けている総合商社です。身近なところでは、コンビニ大手・ローソンなどを手掛ける「コンシューマー産業」や、三菱自動車・いすゞ自動車の販売や輸出などを手掛ける「自動車・モビリティ」事業などがあります。

最近は特に、資源価格の上昇により「石油・化学」や「金属資源」といった資源関連事業に注目が集まっています。

そんな三菱商事を、資源大手BHPビリトンとオーストラリアの炭鉱の合弁会社を作った2001年7月から、毎日100円つみたてていたら、最高で116万円に達していました

この合弁会社が採掘するのは、製鉄用の「原料炭」です。その生産量は年間約6,600万トンで、その大半は原料炭の中でも高品質な「強粘結炭」とのこと。コスト競争力も高く、世界の強粘結炭の海上貿易市場において約3割のシェアを握っています。

石炭価格が上昇する2つの理由

そんな石炭は2つの理由から2021年以降、価格が急上昇しています。

1つは「環境問題」を理由にした需給の引き締まりです。
石炭は安価なエネルギー資源ですが、燃焼させると二酸化炭素などを多く排出するため、環境への影響が懸念されるエネルギー源でもあります。特にここ数年では、こうした環境に悪影響を及ぼすものへの投資などが制限されるようになって、石炭の供給は細る傾向にあります。一方で、価格が安いために新興国などを中心にまだまだニーズがあるのも事実です。そうした需給の引き締まりが価格を押し上げました。

2つ目は「ウクライナ危機」を理由とした需給の引き締まりです。
ロシアは石炭輸出で世界第3位の国です。そんな資源大国ロシアがウクライナに侵攻したことで、同国の主要銀行は国際銀行間通信協会(SWIFT)から排除されました。また、各国がロシアとの輸出入を制限し始めており、今後は石炭の輸出が困難になる可能性が高くなってきました。こうした供給面の制約から、価格に上昇圧力がかかっているものとみられます。

石炭事業は縮小される傾向

価格が上昇しているとはいえ、投資家などからの環境への配慮を求める声は大きく、石炭事業には逆風が吹き続けています。商社各社はまずは代替エネルギーが豊富にある一般炭(火力発電用)から撤退し、原料炭(鉄鋼用)は時間をかけて縮小していく模様です。

いつも「次の時代の種」を蒔き続ける企業に注目

とはいうものの、三菱商事の業績がこれから落ち込む可能性が高いというわけではありません。むしろ、ピンチをチャンスととらえ、次の世代で大きなニーズを生むであろう分野を探し続けています。こうした「次の時代の種」を蒔き続ける企業は、つみたての候補になるかもしれませんね。

定期定額でつみたて投資してみる(日興イージートレード)

本記事は、つみたて投資を解説するものであり、素材として取り上げた銘柄への投資を推奨するものではありません。