ぶっちゃけ相続

今日からお金賢者になれる「1分書評」/ 日興フロッギー編集部

YouTubeで人気の相続チャンネルが書籍化! 5000人の相談実績からタイトル通りのぶっちゃけ真実がわかります。知識があれば、税額が半分以下になることもあるのが相続税。一般的な対策ならこの一冊でほぼ十分といえる内容です。

相続は知るだけで、税額が半分以下になることも!

相続税には「遺産のほとんどを国に持っていかれる!」といった怖いイメージがあります。が、実際にかかる税金は遺産の1割以下がほとんど。税制改正により相続税の対象者は倍近くまで増えたものの、本書によると、平成30年に相続税を納めたのは100人中たった8人の割合だったそうです。

ならば、「うちは庶民だから関係ないや」と済ませたくもなりますが、トラブルのほとんどが「5000万円以下の相続」で起こるのもまた事実らしい。相続税は財産が少なければ発生しないとは言い切れません。

本書のトピックにも「相続税は相続する人数が多いほど少なくなる」「不動産を購入すると相続税が減る」「夫婦間での相続なら1億6000万円でも無税になる」などの相続に関するルールがズラリ。要するに、配分方法によって税額も変わり、ちゃんと勉強した人が得をする仕組みになっているのです。

例えば、自宅は同居家族が相続すると「8割引き(!)」の評価で計算されます。さらに、ルールに踏み込み、読者の疑問を先回りするのが本書。「相続人の住民票が自宅にあれば、同居していなくても適用されるのか(答えはNO)」や「亡くなる1週間前に同居した場合は?(答えはOK)」といった例にも触れています。

なお、同居していたかどうかなんてわからないのでは? と思うかもしれませんが、税務調査の対象に選ばれると「同居人の通勤定期の区間」や「水道高熱費(少ないと怪しまれる)」まで徹底して調べられるのだとか。税務調査が入った場合、85%以上の人が追徴課税になるという恐ろしいデータもあるそうで、本書では調査対象とならないためのノウハウも伝授。柔らかい語り口調なので隅々まで読み込み、相続対策に役立てるが吉です。