トレカ売上好調! 「リサイクルショップ」関連株が上昇

直近の値動きから見るテーマ株/ QUICK

株式市場で「リサイクルショップ」関連株が買われています。QUICKが選定する6銘柄の平均上昇率は4.6%と、米金融政策を巡る先行き不透明感から売りに押され2週続けて下落した東証株価指数(TOPIX、2.4%下落)に対して「逆行高」となりました(4月8日までの5営業日の騰落)。主な銘柄についてご紹介します!

ポケモンカードが100万円以上に!?

「ポケットモンスター」や「遊戯王」など中古トレーディングカード(トレカ)の根強い人気が続いています。学生時代にカードで遊んだ世代が社会人となりコレクターに転じたり、価格上昇に着目した投資家が参入することで市場の厚みが増加。トレカの価格上昇につながっています。

大手競売サイト「ヤフオク」では、ポケモンカードや遊戯王の中古品の一部が100万円以上の値段で出品されています。スポーツ関連でも野球やサッカーなど国内外のカードが幅広く取引されており、趣味の領域にあったトレカが投資対象の商品となりつつあります。

米スポーツ大手がトレカ部門を580億円で買収

2022年1月、米スポーツ用品大手のファナティクスがメジャーリーグベースボールのトレカの老舗トップスを5億ドル(約580億円)で買収すると伝わり、話題となりました。トレカはブロックチェーン(分散型台帳)の技術を活用して、デジタル上のコンテンツの保有証明書を発行する非代替性トークン(NFT)との親和性も高く、投資商品としての注目度が高まっています。

世界的に盛り上がりを見せるトレカブームは、中古トレカなどを扱う国内のリサイクルショップにも恩恵をもたらしています。好調な既存店売上高や決算の発表が相次ぎ、リサイクルショップを運営する銘柄に人気が集まっています。

客数増加で業績予想を上方修正【テイツー】

客数増加で業績予想を上方修正【テイツー】
上昇率2位のテイツーは書籍やゲームなどのリサイクルショップ「古本市場」やトレカ専門店の「トレカパーク」などを運営しています。中古トレカなどが好調に推移したうえ、「遊戯王」のカードゲームイベントなど販売促進策が奏功し、来店客数が順調に伸びています。

会社側は4月12日に2022年2月期の業績予想を修正。営業利益を従来予想の9.5億円から前期比40%増となる13億円に引き上げました。また、新たな決算期の初月にあたる3月の売上高も、トレカなどがけん引し中古品が約20%伸びています。

3月の既存店売上高が6.7%増【買取王国】

上昇率3位の買取王国はリサイクルショップ「買取王国」を運営しています。4月7日に発表した3月の月次売上高では工具やトレカ、貴金属が好調で既存店売上高が前年同月比6.7%増、全店売上高が14.8%増となりました。

また、会社側は同日、2022年2月期の業績予想を修正。営業利益を、従来予想の1.4億円から前期比56%増となる1.95億円に上方修正しています。

月次売上高でトレカブームの持続性を見極めよう

そのほかにも2月、3月と既存店売上高が2カ月連続で前年同月を上回った「 ワットマン 」、売上高が2月に前年同月比12.1%増え、2021年10月~22年2月でも10.4%増えた「 まんだらけ 」も株価が上昇しています。

トレカなどの売り上げ動向は、各社が月次で発表する売上高から伺え、株価へも影響します。リサイクルショップ関連銘柄への投資に際しては、月次の売上高にも要注目です。

※ブックオフグループホールディングス(9278)は記事執筆時点で証券金融会社の注意喚起銘柄に指定されています。