インフレに強い「値上げ×トップシェア」企業に着目

カエル先生の株式相場プレイバック/ 日興フロッギー編集部平松 慶

マーケットの「温度感」がわかる連載「カエル先生のマーケットハイライト」。資源高をはじめ、世界的にインフレ進行が進むこの頃。そんな中、今回はすでに値上げを公表した企業や、インフレに強いトップシェア企業について解説します!

カエル先生の一言

インフレへの警戒感などから一進一退の相場状況が続いている日本株市場。日本と海外の金融政策の違いや、円安の進行などから、しばらくは物価が上がりやすい状況にあるといえます。そんな中、自社製品やサービスの価格をしっかりと値上げできる企業はどんな特徴があるでしょうか。一緒に見ていきましょう!

4月は利上げ警戒も「一進一退」

4月28日の日経平均株価は2万6847円となり、前月末比973円安でした。
4月1日に公表された米国の雇用統計において、インフレの進行などが改めて意識されました。それを受けて株式市場では5月の大幅な利上げなどを織り込み、グロース株(成長株)などを中心に売りが相次ぎました。一方で、円安の進行や経済の再開期待から下値では買いが入るなど、一進一退の展開となりました。また、3月期決算発表も控え、様子見ムードも広がりました。

資源価格上昇と円安で「インフレのダブルパンチ」

世界的なインフレの進行は前月号の通り、コロナ禍における供給制約に加えて、ウクライナ危機によって資源価格が急騰したことなどが主な要因です。また、日本の場合は、インフレを受けた日本と海外の金融政策の方向性の違いから、円安が進行しています。円安の進行は輸入品の価格をさらに押し上げることになります。このため、主に国内で事業を行っている企業にとっては、販売価格を上昇させる大きな要因となっています。

すでに2021年から国内の企業物価指数は上昇していますが、今後しばらくは値上げの動きが続きそうです。

このような原料費などのコスト上昇により起こるコストプッシュ型のインフレの中では、値上げをすでに実施している企業や、価格コントロール力のあるトップシェア企業への投資が選択肢の1つになると考えられます。

【値上げ】四季報コメント銘柄

実際に会社四季報・2022年2集/春号において、見出しに「値上げ」と入っている銘柄(27銘柄)の株価パフォーマンスを見てみましょう。2021年末を100として日経平均と比較すると、特に下落局面では底堅い動きであることが読み取れます。

パナソニックHD
花王
東急
明治HD
大東建託

価格コントロール力のあるトップシェア企業

また、事業として展開する主力製品・サービスがトップシェアの企業も価格コントロール力が強い傾向があります。コストアップ以上に値上げすることができれば、利益率の改善につながり、業績を押し上げるかもしれませんね。過去、フロッギーの記事でも多くのトップシェア企業を取り上げてきました。ぜひ参考にしてみてください。

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