どんなに優秀な人も、「外部要因」まではコントロールできない。株式投資で順調に財産を増やした人が、ある日突然リーマンショックのような大暴落に見舞われて、無一文になる。そんなことだって起こり得るのが、人生だ。ましてや、哲学者のアランがこの言葉を書いたのは、第一次世界大戦の前後である。激動の時代に、さまざまな悲劇を見たのだろう。その中で、アランはこう考えた。大事なのは「何が起きたか」ではなくて、「自分がどうあるか」だと。お金がなくなることはあっても、自分というかけがえのない財産は、決して失わない。そう思える人は、失敗しても再起して、いつか日の目を見る。お金を減らさない人が、金儲けがうまいわけではない。自分を信じ、成功するまで行動を起こし続ける人こそが、真に金儲けのうまい人なのだよ。
■アラン(哲学者)の経歴
エミール=オーギュスト・シャルティエ。フランスの哲学者。哲学教師として教鞭をとりながら、「アラン」というペンネームで多数の本や記事を発表した。特に、地元紙に寄稿した「あるノルマンディー人のプロポ」のうち、93編をまとめた『幸福論』(1928)は、世界中で翻訳され、日本でもファンが多い。第一次大戦に志願して従軍。その後、定年まで高校教師の職を続け、83歳で亡くなるまで執筆活動を行った。
エミール=オーギュスト・シャルティエ。フランスの哲学者。哲学教師として教鞭をとりながら、「アラン」というペンネームで多数の本や記事を発表した。特に、地元紙に寄稿した「あるノルマンディー人のプロポ」のうち、93編をまとめた『幸福論』(1928)は、世界中で翻訳され、日本でもファンが多い。第一次大戦に志願して従軍。その後、定年まで高校教師の職を続け、83歳で亡くなるまで執筆活動を行った。