株価反転の兆し! 業績好調なソフトウェア関連株に注目

データから見つかる! 困ったときの投資アイデア/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

2022年度のソフトウェア投資額が良好な水準であると、日銀短観で示されました。昨年末以降、ソフトウェア関連株の株価は軟調ですが、今後の株価上昇に期待がかかります。そこで今回は、ソフトウェアを手がける企業をご紹介します。

2022年度のソフトウェア投資額は増加へ

4月1日に公表された日銀短観(3月調査)では、2022年度のソフトウェア投資計画額は企業規模、業種別でみて、おおむね前年度比で増加しました。全規模合計の全産業は7.4%増(2021年度は8.8%増)と、引き続き強気の投資計画となっています。

2021年度計画分が2022年度に先送りされたことも伸び率を押し上げた一因と考えられるため、留意は必要です。ただ、全規模・全産業の設備投資計画額が0.8%増(土地投資額含めると4.6%増)にとどまっていることなどに鑑みると、ソフトウェア投資額の水準は高く、日本企業のIT投資への意欲は引き続き強いと言えそうです。

情報サービス業の販売価格は安定

また、情報サービス業の販売価格DI(Diffusion Indexの略。景気動向指数のひとつ。複数の指数を合成して算出)をみると、前回(2021年12月調査)からの改善が確認できます。引き続き供給力不足といった点は懸念されるものの、事業環境は好調な様子がうかがえます。

ソフトウェア関連銘柄の株価反発に期待

ソフトウェア関連銘柄の株価は、アメリカの長期金利上昇の影響などもあり、下落気味な展開となっていました。金利の上昇は、予想利益の現在価値(将来のキャッシュフローの現時点における価値のこと)を低下させます。このため、コロナ禍でも業績が堅調で、バリュエーション(市場価値)が上昇していたソフトウェア関連株は売られやすい状況でした。

ただ、政府・国内企業によるソフトウェアやITへの積極的な投資が引き続き見込まれる環境のもと、ソフトウェア関連企業は堅調な業績が期待できそうです。足元では、ソフトウェア関連銘柄は株価のバリュエーション調整が進み、反転の兆しが出ています。

また、ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、サイバー攻撃への備えの必要性が改めて意識されつつあります。先行き不透明な国際情勢が続くなか、関連銘柄への注目度は更に高まりそうです。

連続最高益や2ケタ増益の予想も!

野村総合研究所 」は、野村證券向けの業務で蓄積した証券業のシステム開発・運用のノウハウが強み。市場では、2023年3月期も増益基調が続き、連続最高益を更新すると予想されています。

トレンドマイクロ 」は、WindowsOS用ウイルススキャン製品の開発・販売が主力事業。ネットワークセキュリティ分野などを強化し、総合的なサイバーセキュリティサービスへの事業シフトを進めています。会社計画の2022年12月期営業利益は、人件費や一般経費の増加で減益を予想していますが、市場では会社計画ほど費用負担は増加しないとみて、増益基調の継続が見込まれています。

BIPROGY 」は、2022年4月1日付で日本ユニシスから商号変更した、創業60年以上を誇るシステムインテグレーター大手の一角です。同社は2022年3月期より会計基準を日本基準から国際会計基準(IFRS)に移行し、市場では、2023年3月期に前期比2ケタの営業増益が見込まれています。

NTTデータ 」は、政府によるマイナンバーを活用したデータ連携やアプリケーション刷新の増加、金融機関における銀行間システムや決済ネットワーク需要の拡大など、同社の強みが活かされる機会が増加しています。また、NTTグループ各社との連携にも期待が持てそうです。市場予想は、2022年3月期、2023年3月期と2期続けての2ケタ営業増益の見込みです。

堅調な業績が見込まれるソフトウェア関連銘柄に注目してみてはいかがでしょうか。

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