24年ぶりの水準! 円安で恩恵を受ける銘柄に注目

データから見つかる! 困ったときの投資アイデア/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

ドル円が約24年ぶりの139円台をつけるなど、日米金融政策の方向性の違いを要因とした円安圧力が続いています。今回は、円安による業績の押し上げが期待される、輸出関連企業を中心に見ていきます。

2022年度は前年比20%の円安水準か

6月29日のNY外国為替市場でドル円が一時137円台に乗せ、1998年9月以来、約24年ぶりの円安水準をつけました。FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、米欧英の中央銀行首脳が集まるシンポジウムで改めてインフレ抑制への決意に言及。金融引き締めが更に進むとの思惑が強まりました。

一方日本では、日銀の黒田総裁は大規模な金融緩和政策を維持すると表明しています。こうした日米の金融政策の違いを受けた金利差拡大により、円からドルへの資金移動は加速。7月14日にはドル円が139円台と、再び約24年ぶりの安値を更新しました。

3月以降の4ヵ月で20円強、円安ドル高に振れています。この為替水準が続けば、2022年度は前年比で20%前後の円安と、アベノミクスへの期待に沸いた2013年度並みの強い円安環境下となります。

2013年度に比べて、強いインフレ圧力や世界的な景気減速懸念が重石(おもし)ではあるものの、現在の円安水準は輸出関連企業にとっては、業績拡大の後押しとなりそうです。

会社計画の上方修正余地は大きい

急速な円安の進行を受けて、2023年3月期の期初会社計画も上方修正の余地が広がっています。各社の会社計画の前提となっている想定為替レートは、120円程度に設定した企業がほぼ半数を占め、次いで115円前後が2割強と、総じて保守的な印象です。

今後、四半期決算発表のタイミングで業績上方修正に踏み切る企業も出はじめると想定され、株式市場でも期待感が高まりそうです。

円安の恩恵が見込まれる銘柄に注目

すでに会社計画を上回る市場予想が形成されている銘柄もありますが、市場予想でも依然ドル円前提は1ドル=125〜130円程度と考えられます。そのため、更なる業績の上方修正余地がありそうです。円安の恩恵が大きいと見込まれる銘柄に、注目してみてはいかがでしょうか。

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