第1回 それは、葉山の老人ホームからはじまった

38歳から作る、老後資産3000万円/ 日興フロッギー編集部五月女ケイ子

38歳の私には、入りたい老人ホームがある。というと、やばいやつだと思われそうですが、わりと本気です。葉山にある、海の近くにある老人ホーム。大浴場からは海が見えて、とても景色がいいのです! 周辺には美味しいお店やオシャレな場所が点在していて、歩いているだけで、とても楽しい。老後こんなところで過ごせたらいいなあと、行くたびに思ってしまいます。海のない県で育った私にとって、徒歩圏内に海がある環境は憧れなのです。

今までは漠然と思っていたけれど、40代が近づいてくるにつれて、真剣に検討し始めました。私は結婚しているけれど、子どもはいない、いわゆるdinksです。猫を2匹飼っていて溺愛しているものの、猫はかわいいだけで、老後の面倒を見てくれるわけではないですもんね…。周りに迷惑をかけないように、きちんとお金の準備をしておきたいなあ、と思うようになってきたのです。

老人ホームで必要なお金を、資産運用だけで作りたい

夫と一緒に、どっちかがボケる前に葉山の老人ホームに入れたら、とても理想的です。できれば、老人ホームで必要なお金を、60歳までに資産運用だけで準備できたらベスト。老後のために節約して今を犠牲にするのはつまらないので、無理のない範囲で投資をして、ほったらかしで資産が増えたらすごくいいですよね…!

とはいえ、今まで投資を頑張ってきたタイプではない私。今まで生きてきた中で投資と言えそうなのは、入社以来ほったらかしにしている確定拠出年金と、数年前に売買した日経平均に連動するETFくらいです。そんなゆるい投資しかしてこなかったけれど、目的が定まったら、なんだかいけるような気がしてきました! そしてその運用の過程を発信できたら面白いんじゃないかな? と思い、ダメ元で連載案として企画してみたら、なんと通ってしまいました。

というわけで、私、フロッギー新人編集部員のウミヤマ(38歳)は連載をスタートすることになりました。
入りたい老人ホームのために資産運用するなんて変なやつだなあ、と思いつつ、読んでいただけたら嬉しいです。

2人で月55万円は高い?

そもそも、私が入りたい老人ホームは、いったいいくらかかるのでしょうか。なんだか高そうなので見るのが怖いけど、現実を知らないと、目標も立てようがないしなあ…。ということで確認してみたところ、入居時の費用はなく、2人部屋で月額55万円くらいでした。食費や光熱費も含んだ値段です。分かってはいたけど、うーん、高い。とはいえ、入居時に数百万、数千万かかる老人ホームもあるらしいので、入居時の費用がないのは、まだマシかもしれません。

仮に70歳から90歳まで20年住んだとしたら、55万円×12ヵ月×20年=1億3200万円です。あまりの高さに心がくじけそうになりましたが、ここでくじけたら連載が終わってしまうので、そもそも年金をいくらもらえるのか、調べておこうと思います。

年金はいくらもらえるのか問題

年金っていくらもらえるのだろう? と思い、フロッギー内で記事を探してみました。確か年金についての記事があった気がするな…と思い「老後」と検索してみたら、30代からの老後資金づくり:4つのチェックポイントの記事に書いてあるのを発見。この記事によると、平均年収を500万円とすると、15万円くらいの年金がもらえることになります。年金がもらえる頃には住宅ローンの返済は終わっている予定なので、純粋な生活費と考えれば、十分かなあと思います。

わたしの年金は月6万円!?

ここまで調べて、ふと「今、会社員を辞めたらいくらになるのだろう」と気になってしまいました。だって、フロッギーに書いてあった年金金額は、「60歳まで38年間会社員として働いた場合」という前置きがあるのです。60歳まで働いているだろうな、とは思うものの、厚生年金がもらえる会社員として働くかどうかは正直言ってわかりません。そこで、年金について詳しくわかるとウワサの、「ねんきん定期便」というハガキを見てみることにしました。

いろいろ調べていたら、しわくちゃに…

1年に1回届く「ねんきん定期便」。早速手元に用意したものの、今まで意識せずに生きてきた私は、そもそも見方がわかりません。そこで、またフロッギーで「ねんきん定期便」と検索してみたところ、「ねんきん定期便」の記事を発見! すごいぞ、フロッギー。やるなあ、フロッギー。さすがに「ねんきん定期便」の記事なんてないだろ、とか思ってました(ごめんなさい)。

「ねんきん定期便」の見方の記事を見ながら確認してみると、どうやらきちんと厚生年金は支払われているようです。そして、「老齢基礎年金」受給に必要な資格期間は満たしている様子。しかし、記事を読んでも、私が知りたかった「今辞めたら将来いくらもらえるのか」は分かりませんでした。

そこで「ねんきん定期便」の問い合わせ先に聞いて確認したところ、なんと年金額は年間約70万円で、月6万円にも満たないことが発覚。この数字は、「ねんきん定期便」の裏面にある「3、これまでの加入実績に応じた年金額」という箇所に掲載されています。なんでこんなに少ないの? と思いましたが、これは今まで納めた年金分だけを反映したものでした。これから定年まで支払い続けると、年金額は増加していくそうです。

将来の見込み額を知りたいのであれば、「ねんきん定期便」ではなく、「ねんきんネットを調べれば分かるようです。早速調べてみたところ、月の年金見込み額は15万円強でした。とはいえ、これは今の収入が60歳まで継続したと仮定した場合、65歳からもらえるお金です。私が知りたかったのは、今会社を辞めた場合の年金額。そこで「ねんきんネット」で主婦になったと条件を変えて試算してみたところ、10万円弱でした(…)!

定年までずっと正社員として働き続けるかなんて分からないし、やっぱりちゃんと運用しないといけないな…と思ったのでした。そもそも、私が年金を受給するころには少子高齢化が進んで、今より年金原資が減っていそうな気もします。

カエル先生の一言

・ねんきん定期便
50歳未満の人…これまでの加入実績に応じた年金額がわかる
50歳以上の人…年金見込み額がわかる
年齢に関わらず、誕生月(1日生まれの方は誕生月の前月)に届く
・ねんきんネット
自分の年金記録や将来もらえる年金の見込み額がわかる

2人分の年金はいくら?

話を元に戻します。将来の年金を考えるなら、私だけでなく、夫の年金も考慮しておいた方がいいですよね? 夫の平均年収は分かりませんが、私より多いのは間違いないので、余裕をもって同じ年金額と仮定しておきましょう。2人分の年金を約30万円とすると、1年分で360万円、20年分で7200万円ということになります。

1億3200万円から7200万円を引くと、6000万円で、半分に割ると3000万円です。半分は夫に頑張ってもらうとして、残り3000万円を運用分だけで達成することを考えると、結構大変そう…。またもや心が折れそうになりましたが、一度計算してみようと思います。

60歳までに、3000万円を作るためには

60歳までに3000万円を作るためには、単純計算すると、毎月約12万円ずつ貯金しなければなりません(3000万÷21年÷12ヵ月。39歳から21年と仮定)。でも、【老後2000万円問題】解決のヒントは複利の力にあり!?に書いてあるように、複利の力を借りて運用すれば、月々の運用額はもう少し少なくて済みそうな気がします。

この記事によると、毎月5万円の貯金を利回り5%(複利)で資産を運用できれば、20年間続けることで2000万円を達成できるらしいです。投資額が1200万円なのに2000万円以上になっているってすごくないですか…? 複利の力って偉大ですねえ。

3000万円の場合のシュミレーションがわからなかったので、金融庁のHPの資産運用シュミレーションを使って計算してみました。このページで計算すると、月7万円を積み立てて5%で運用すると、21年目で3000万円を超えそうです。掛け金は1764万円なので、約1.8倍になっていますね。すごい。21年間で3000万円の資産を作るって難しいかな? と思っていましたが、順序立てて計算していくと、なんだかできそうな気がしてきました。

そんなわけで、今までのゆるい運用を少しずつ見直して、60歳には資産運用だけで3000万円を必達できるよう、がんばります。千里の道も一歩から。ちょっとずつ見直していくので、温かく、優しい目で見守っていただけたら嬉しいです!

まとめ
・猫はかわいいけれど、老後の面倒は見てくれない
・葉山の老人ホームは高い
・年金の見込み額を知りたいなら、ねんきんネット
・複利の力はすごい
・月7万円を積み立てて5%で運用すると、21年目で3000万円を超える
記事の内容は2022年8月現在の情報を記載しております。本コンテンツ作成後に変更されている場合がありますので、最新の情報については、皆様ご自身でのご確認をお願いいたします。また、代表的な事例をもとに記事を構成しております。詳しくはご自身でご確認ください。
次回は8/17(水)配信予定です。