日経平均一時800円安!インフレ鎮静化まで利上げ継続

日興フロッギーNEWS/ 日興フロッギー編集部

8月29日の日経平均株価は2万7878円と、前週末比762円安で取引を終えました。先週末の米国株式市場でも、NYダウが1008ドル安となるなど、世界の株式市場で「リスク回避」の動きが強まっています。

株価急落の背景は「インフレ退治への強い意思」

今回の急落の要因は一言でいえば、「パウエルFRB(連邦準備理事会)議長が利上げの継続を示唆したため」です。もう少し具体的に解きほぐすと、以下のような背景があります。

〈主な株価急落の背景〉
・マーケットの注目が集まっていたジャクソンホールでの会議において、米国のパウエルFRB議長がタカ派的(金融引き締めを選好)な言葉を発言した
・事前のマーケットの予想では、パウエルFRB議長が「利上げペースを弱める理由」などについて言及する可能性を想定していた
・実際にはむしろ、多少景気が弱くなっても、インフレ低下が継続的に判断できるようになるまでは利上げを実施する趣旨の発言がみられた
・そのため、株式市場では金融政策が緩和方向に転換する時期が後ずれし、景気が悪化する可能性があるとして、リスクを回避(株式を売却)する動きが強まった
カエル先生の一言

「ジャクソンホールってなに?」
中央銀行関係者や経済学者らが参加し、世界経済や金融政策を議論するシンポジウムのこと。毎年夏に米西部ワイオミング州の景勝地「ジャクソンホール」で開かれます。2010年に当時のバーナンキFRB議長が追加の緩和策について発言し、株式市場に大きな影響を与えたことから、毎年マーケットの注目が集まるようになりました。

株価反転は少し先か

投資家が最も嫌うものは「不透明感」です。いま不透明なものとして浮上しているのは、「インフレがいつまで続くのか」「どこまで景気が悪化するのか」という点です。

インフレについては、足元では原油価格は上昇に一服感が見られるものの、天然ガス価格はまだ高止まりが続くなどまだら模様が続いています。インフレが完全に鎮静化するまで利上げを継続することを表明したパウエル議長。利上げの「終わり」を見通すための材料探しはしばらく続くと想定され、株式市場も本格的には上昇しづらい状況が継続するのではないでしょうか。