withコロナ政策に期待! 旅行・レジャー関連に注目

カエル先生の株式相場プレイバック/ 日興フロッギー編集部平松 慶

マーケットの「温度感」がわかる連載「カエル先生のマーケットハイライト」。今回は、足元の相場急変の背景に加えて、「withコロナ」でじわじわ需要回復が期待される旅行やレジャーなど、内需関連株について解説します!

カエル先生の一言

8月26日のパウエル議長の発言により、利上げペース鈍化の期待感は後退し、回復傾向にあった株式市場は修正を余儀なくされました。一方国内では、入国・帰国時のPCR検査の免除など、本格的に「withコロナ」に向けた動きが進みそうです。

日経平均は、一時7ヵ月半ぶりの水準に回復

8月31日の日経平均株価は2万8091円となり、前月末比289円高でした。
米国のインフレが鈍化するとの期待から、景気後退の警戒感が和らぎ、8月17日には日経平均株価が約7ヵ月半ぶりに2万9000円台へ回復しました

8月26日に発表された米個人消費支出(PCE)は、市場予想を下回りました。このためインフレが緩和され、利上げを縮小する余地が生まれるとの見方が強まりました。

ところが、同日開催された「ジャクソンホール会議」では、インフレ低下を確信するには程遠いとして、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は利上げを継続する姿勢を鮮明にしました

これにより、株式市場ではリスク回避の動きが強まり、NYダウは1000ドルを超す下げを記録。週明け29日の日経平均株価の終値も前週末比762円安の2万7878円となりました。

どのくらいの利上げをいつまで続けるのかについては、データ次第とするパウエル議長。今後発表される経済指標や経済イベントは、一段と注目が集まりそうです。不透明感が払拭できるまでは、キャッシュ比率を高めて買いのチャンスに備えることも1つの手かもしれませんね。

不透明な外部環境下では、内需関連に注目

外部環境は予断を許さない状況が続いていますが、国内では、3年ぶりに行動制限のない夏休みなど、「withコロナ」に向けた動きが広がりつつあります。

お盆の帰省ラッシュのピークとなった8月11日は、一部の新幹線の自由席乗車率が140%に達したほか、ANAグループの国内線旅客数がコロナ禍前の9割まで回復しました。

また、8月24日には、岸田首相が日本への入国・帰国時に求める海外でのPCR検査を9月7日から条件付きで免除すると表明。6月のインバウンド受け入れ再開後、訪日外国人旅行者数の伸びは限定的でしたが、今後の動きに注目が集まりそうです。

また、時期は未定ですが、感染症法上での新型コロナの分類が2類から「季節性インフルエンザ」並みの5類に引き下げられる可能性や、全国規模での旅行支援の再開、外国人観光客の入国者数の上限撤廃など、経済再開に向けた動きが加速する可能性もあります。

外需産業の先行きに不安がくすぶる中では、内需関連株、とりわけ旅行・レジャー関連は中期的に有望な投資テーマの1つと言えそうです。

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