第3回 私が「iDeCoじゃないほう」を選んだワケ

38歳から作る、老後資産3000万円/ 日興フロッギー編集部五月女ケイ子

少しずつ涼しくなって、夏の終わりを感じる今日この頃。先日突発的に温泉に行きたくなり、金曜日に思い立って、日曜日から1人で温泉旅行に行ってしまったウミヤマです。

最近なにかと話題の、iDeCo(イデコ)が気になっています。65歳未満まで加入年齢が延長されるなど、ニュースでもよく見かけます。60歳過ぎてからiDeCoを始めるのはやや疑問ですが、人生100年時代と考えると、加入する人もいるのかもしれません。そんなiDeCo、私もやろうかなと思ってるんですよね……!

カエル先生の一言

iDeCoとは、個人で加入できる年金制度のことで、個人型確定拠出年金と言われています。加入は義務付けられておらず、個人の自由です。加入する場合、自分で金融機関や銘柄、金額を決めて運用します。

第2回 「『失われた16年』を確定拠出年金で取り戻す!」を読む

iDeCoデビューしちゃう?

なぜ「iDeCoをやろうかな」と思ったかというと、60歳までに資産運用で3000万円を作って、葉山の老人ホームに入るためです。前回の記事で企業型確定拠出年金(以下、企業型DC)を見直し、毎月3.7万円で21年間運用する仕組みを作ったのですが、それではまだ足りないのです。第1回の記事での試算によると、月に7万円ずつ年5%の利回りで運用する必要があるので、さらに月に3.3万円追加しなければなりません。

プラスで運用するのなら、最近話題のiDeCoがいいかなあと思ったんですよね。
フロッギーのiDeCoマンガを読んだら、支払った税金がキャッシュバックされるらしいし、なんだかとっても良さそうなんですよ……! このマンガ、カエル先生がちょっとシュールですが、面白い上に分かりやすいので、iDeCo入門編としておすすめです。

10月から、iDeCo口座増加の予感!

そんなわけで、私ウミヤマは、iDeCoについて調べ始めました。どうやら私が勤めている会社では、今はiDeCoに加入できないようです。しかし、2022年10月からは法律が変わって、企業型DCに入っていても、iDeCoに加入できるみたいです。10月以降、iDeCoデビューする人、増えそうですね……!

とはいえ、会社員の場合、勤めている企業の退職金や年金制度によって、iDeCoにかけられる金額が違うようです。

私のような企業型DCだけに入っている会社員は、iDeCoにかけられる金額は最大で月に2万円までだそうです。企業型DCだけでなく確定給付型年金にも入っている企業の会社員なら、月に1.2万円までです。

さらに調べていくと、10月からiDeCoを利用できるといっても、誰でも入れるわけではなく、「マッチング拠出をしていない人」に限られるらしいのです。

マッチング拠出ってなんだっけ?

「マッチング拠出」という言葉、聞いたことありますか? 私は初耳でした。調べてみると、「自分でかける確定拠出年金」ということらしいです。勤めている企業が出してくれるお金にプラスして自分でもお金を出して、最大5.5万円まで企業型DCで運用できます。

前回、企業型DCで運用額を月額3.7万円まで増やした私は、「私って、マッチング拠出やってるってことかな?」と思いましたが、それは違いました。企業が拠出してくれているお金だけでなく、自分でもお金を出して運用することがマッチング拠出です。私が勤めている会社は、マッチング拠出を行う場合は年に1回の申請時期に自分で申請を行い、給与から天引きするシステムでした。

マッチング拠出したお金は、企業が拠出しているお金と一体化され、企業型DCとして運用されます。原則、1年に1度金額を変更できます。

さらにマッチング拠出について理解を深めるため、メリット・デメリットを表にまとめてみました。

掛金が所得控除(課税所得から一定金額を差し引ける制度)の対象となるので、節税メリットがありますね!

今のところ私はマッチング拠出には入っていないので、10月になったらiDeCoを利用できます
ただ、マッチング拠出を使えばiDeCoを使うメリットってないんじゃないかな? と素朴な疑問がわいてきた私は、調べてみることにしました。

マッチング拠出 VS iDeCo

マッチング拠出とiDeCo、名前は全然違いますが、なんだか似ています。そこで、2つのメリットやデメリット、共通点を下の表にまとめてみました。

※iDeCoの掛金の上限は、企業や人によって異なります。企業型DCと併用する場合の上限は月額2万円ですが、企業年金がない会社の会社員や専業主婦(夫)は月額2.3万円、自営業者等は月額6.8万円になります。

私はiDeCoを利用すべき?

この表をもとに考えると、マッチング拠出よりもiDeCoを利用した方がよい人は、企業型DCで企業がかけてくれるお金の上限が2万円以下の人、と言えます。iDeCoを選んだ方が、たくさん運用できるからです。

企業型DCで、企業が掛けてくれるお金が最大1万円だったと仮定した場合

・iDeCoを併用すると……最大3万円まで運用できます。
(iDeCoの掛金の上限は最大2万円であるため)
・マッチング拠出を利用すると……最大2万円まで運用できます。
(企業がかけてくれるお金より多くかけられないため)

あとは、自分の好きな金融機関で、幅広い商品から選んで運用したい人もiDeCo向きといえそうですね! 一般的には、企業型DCよりも、iDeCoの方が取り扱っている商品は多いと言われているようです。

iDeCoが「老後資産づくりの定番」と言われるワケによると、日興iDeCoは29本の投資信託のラインアップがあり、インデックスファンドの平均信託報酬は0.187%と業界最低水準とのこと(2022年2月25日時点)。コスト面も低くてすみそうです。

私はどっちがいいのだろう、と考えると、iDeCoではなくマッチング拠出で十分かなという結論にいたりました。税金の優遇についてはiDeCoと変わらないし、口座を増やすのが面倒という、なんともズボラな理由からです。それに、iDeCoを併用してもマッチング拠出を併用しても、掛金の上限は月に5.5万円なので、掛金面では同じだからです。

そんなわけで、マッチング拠出を行うことに決めました! きりがよい数字がいいな、と思ったので、企業型DC3.7万円にマッチング拠出1.3万円を追加し、月に5万円を運用することにしました。

月に7万円運用する仕組みを作るまで、もう少し。ちょっと葉山の海へ遊びに行って、モチベーションを高めてこようと思います!

まとめ
・2022年10月からは、企業型DCとiDeCoを併用できる
・マッチング拠出を使っていると、iDeCoを使えない
・iDeCo VS マッチング拠出、どちらが良いかは人による
・ズボラな私はマッチング拠出で十分だった
・iDeCoデビューならず
カエル先生の一言

企業型DCやマッチング拠出は、すべての企業が導入しているわけではありません。勤めている企業で導入されていないのであれば、iDeCoを運用することは将来の年金を補完するために有効な手段です。日興iDeCoの「カンタン加入診断」をご利用いただくと、iDeCoの加入可否や掛金の上限額が分かります。

次回は9/22(木)配信予定です。