FIREへの一歩! 貯金体質になるためのToDoリスト

目指せFIRE!おけいどん式 資産形成術/ 桶井 道(おけいどん)西田ヒロコ

「FIREするには、どれくらいのお金が必要?」を読む

「労働+節約+貯蓄+投資」の歯車を回し続けて、無駄な「支出」をしない。FIREを目指すための資産形成は、これに尽きます。今回は、このうち「節約」と「支出」をテーマにお話しします。FIREへの第一歩は、この節約と支出をコントロールして、お金が貯まる体質になることが大切です。

目的を持った節約、ただし自分へのご褒美を1つ持つ

節約といえば、貧乏くさい……そんなネガティブなイメージがあるかもしれません。しかし、それは目的のない節約をするから、そうなります。「節約のための節約」ですね。そうではなく、「目的や目標を持った節約」をしましょう。ここでいう目的はFIREです。目標は、長期の目標を決めて、それを短期目標に切り分けると良いと思います。

例えば、●●歳で資産●●千万円という長期目標を決めて、1年で120万円を貯める、毎月10万円貯めるという短期目標に切り分けていくのです。そうやって目標を決めてから節約に取り組むと、ネガティブなイメージは消えていくと思います。

また、すべてにおいて全力で節約するのではなく、自分を満足させる「贅沢」を何か1つ決めておくことも大切です。メリハリのあるお金の使い方をすることで、他の欲はすべてコントロールできるようになります。私の経験上、この方法なら長続きします。

私のケースで具体例を挙げましょう。私の節約の象徴はマイボトルです。FIREの象徴といっても過言ではありません。外出時にはマイボトルに水を入れて持ち歩き、飲み物代にお金を使うことはありませんでした。ペットボトル飲料や缶ジュース1~2本とランチ時のドリンクで平日に500円ずつかかるのが、マイボトルに替えるだけで1日500円×約20日=約1万円の節約になります。年間では約12万円の節約ですね。私の場合、会社員生活は25年間ですので、だいたい300万円の節約ができたことになります。

一方で、月に1度、ザ・リッツ・カールトン(5つ星ホテル)にてお茶もしくはランチすることを楽しみにしていました。代金は2500~5000円程度です。ザ・リッツ・カールトンといえば、世界最高峰のホテル、顧客へのホスピタリティで有名です。そこで贅沢な時間を過ごすことで、他の欲はコントロールできていました。

みなさんも節約するにあたり、自分へのご褒美を1つだけ持つことをオススメします。年に1度の旅行なのか、月に1度の豪華ランチなのか、週1~2度のスタバなのか、それは人それぞれでしょう。FIREは長期戦ですので、自分を律することばかりではなく、自分を許すことも大切です。自分の心が折れない、持続可能な節約をしましょう。

節約は固定費から、「習慣的な費用」も要チェック

とはいえ、何から節約を始めれば良いか分からないという方もいるでしょう。そんな時は、まず自分の支出の全貌を書き出しましょう。そして、その支出を変動費と固定費に分類していきます。

変動費は、頻度や金額が決まっていないので、節約しようとするとストレスを伴う割に効果は低いです。自分の意思で都度節約しなければならないので、長続きせず、挫折してしまいがちです。

よって、節約に効果があるのは固定費です。
固定費はストレスのない範囲内でコントロールが可能であり、かつ一度決断することで節約は延々と続きます。支払い方法を変えることで割引になることもあります。全額カット、減額、割引を上手に使いましょう。

それから、定義上の区分は変動費ですが、ペットボトル飲料やランチ時のドリンク、目的もなく立ち寄ってしまうコンビニでの買物、生活日用品類など、毎日の習慣的な費用も「ほぼ固定費」になります。まずは固定費の見直しから始めて、余裕が出てきたら、習慣的な費用も見直しましょう。

節約できる金額を決めたら、●●年後に節約額(累計)がいくらになるかを想像してみましょう。たとえば毎月3000円を節約していけば、1年後には3万6000円、10年後は36万円、30年後は108万円になります。長く続ければ節約金額は大きくなり、それだけお金が貯まるのです。

お金が貯まる体質になるためにSTART・STOPすること

最後に、貯金体質を作るのに効果的な節約リストをご紹介します。

「今すぐSTARTすること」ベスト5
1.外出時はマイボトルを携帯する
2.格安スマホに切り替える
3.散髪は格安店利用で1500円程度に抑える
4.生活日用品類はPB(プライベートブランド)商品で代用する
5.省エネする(省エネ家電に買い替え、冷房28度・暖房20度に設定、お風呂は夏38度・冬40度に設定する等)
「今すぐSTOPすること」ベスト5
1.コンビニに寄る習慣をやめる(仕事帰りに立ち寄る習慣は固定費化します)
2.年会費有料のクレジットカードは1枚まで、他は解約する
3.スポーツクラブを退会する(公道を走ればタダ、筋トレは自宅や公園で)
4.交通の便がいい都会在住なら、自家用車は買わない(必要なら軽自動車にする)
5.会社の飲み会は「とりあえず」で参加しない、二次会には参加しない

他にも効果があるアイデアを20個リストアップしてみました。

1.持ち物を棚卸する(似たようなものの重複購入を避ける効果あり)
2.不用品は捨てずに売る(買取店やフリマアプリを活用)
3.靴下は同じ色/柄で揃える(片方が破れても使い回せる)
4.折りたたみ傘、ティッシュ、予備ハンカチ、予備マスクは鞄に常備する
5.街で配布されるティッシュは貰う
6.使用しない電化製品のコンセントをすべて抜く(待機電力削減&火災予防)
7.節水コマ(節水シャワーヘッド)を取り付ける
8.洗濯や植木の水やりは風呂の残り湯を使う
9.家庭菜園で野菜を育てる
10.NHK受信料は1年分を前払いすると安くなる
11.ポイ活をする(ただし、ポイントのために余分な時間を使わない)
12.欲しいor必要を見極める(本当に自分に必要なモノだけ買う)
13.「ポイント●倍」や「期間限定割引」を買う理由にしない
14.空腹な状態でスーパーやデパートに行かない
15.新製品に飛びつかない(スマートフォンは型落ちを買う)
16.ゲームアプリへの課金をやめる
17.スポーツ新聞や夕刊誌を買わない(無料で読めるネットニュースで充分)
18.メアドにお金をかけない(Gmailなどの無料で使えるアドレスで充分)
19.銀行ATMの時間外利用やコンビニATMで手数料を払うのをやめる
20.クレジットカードのリボ払いをやめる

いかがでしょうか。発見はありましたか? いざ節約を始めると、つらく感じる方もいらっしゃるかもしれません。初めはツラくとも、少しずつなら慣れていけるはずです。心が折れそうになったら、●●年後にFIREする自分を、●●歳で資産●千万円を、1年後に●●万円手にする自分を想像しましょう。人生は「何を取り、何を捨てるか」という選択の繰り返しです。目標を持って挑んでみてください。

今回のまとめ
・明確な目的と目標を持って節約しよう
・まずは自分の支出の全貌を把握しよう
・節約の効果が出やすいのは固定費を見直すこと
・自分へのご褒美を1つ決めて、他の欲求をコントロールしよう

次回は11/30(水)配信予定です。