年率5%運用を目指すポテンシャルのある銘柄とは

目指せFIRE!おけいどん式 資産形成術/ 桶井 道(おけいどん)西田ヒロコ

前回までに、資産形成=「労働+節約+貯蓄+投資」-「支出」という式をもとに、各要素について解説してきました。そして、投資は年率5%を目指すということをお話ししてきました。

今回は、私の単行本「月20万円の不労所得を手に入れる! おけいどん式ほったらかし米国ETF入門」(宝島社)より一部引用しながら、年率5%を目指すポテンシャルのある銘柄をご紹介します。

「はじめの一本はS&P500の東証ETFを検討しよう」

ツイッターで「最初は何を買えばいいですか」とフォロワーさんに聞かれることがよくあります。やはり、みなさんが一番知りたい話ですよね。最初の一本として検討したいのは、S&P500に連動した東証ETFです。

最近は「米国だけに投資するのはリスクがある。投資する国も分散させた方がいい。だから全世界株式がベター」といった意見も、メディアやSNSで見かけます。もちろん、その考え方には一理ありますし、否定する気もありません。でも、この本は私の本なので、私の持論を展開させてください(笑)。

確かに、投資の未来は誰にもわかりません。ここ20年、30年近く世界最強だった米国が、これから10年、20年で凋落して、別の国が台頭してくる場合も、もしかしたらあるでしょう。そうなれば、「あ~あ、その国に投資していたほうがよかった。米国だけにしなければよかった」と思うかもしれません。

さらに言いましょう。2008年秋に米国の住宅バブルが崩壊して起こった、リーマン・ショックと同じレベルの大暴落が米国市場を襲うかもしれません。いや、それ以上の金融危機や景気後退で、10年、20年と米国経済が低迷し続ける可能性も、決してゼロとは言い切れません。ただ、そのときは世界中の経済も低迷していると思います。

私自身、これまで何度も、株価暴落を体験してきましたので、そういったリスクはわかっているつもりです。でも、私は今のところ米国の優位性を疑っていません。

米国は現在、世界において、通貨(金融)、軍事、経済、政治の面で覇権を握っている最強の国です。その傾向は、ウクライナ侵攻で経済制裁を受けるロシアの衰退や、中国に対する西側諸国の経済包囲網の変化により鮮明になってくるだろうと見ています。

米国では常にイノベーション(技術革新)が起き、急成長を遂げる企業が登場してきました。自由と民主主義の国です。世界中から才能豊かな移民を受け入れている米国企業の成長はこれからも続くでしょう。

米国はIT、半導体関連の最先端技術もかなり持っています。資源・食糧もあります。世界共通の言語は英語です。移民政策によって人口も増えています。

こうしたことを考えると、私は今後も米国が強いだろうと確信しています。最低でも10~15年は米国優位に変わりはないだろう、と。もし、それ以降に明らかな変化が見られたら、そのときに考え直せばいいことです。

S&P500は、そんな世界最強国家である米国の、厳しい条件を通過して選ばれた500社のエリート揃い(選ばれた後、ダメになったら入れ替え)。優秀な企業ばかりですから、一時的に急落しても立ち直るでしょう。急落したときは「今は安く買えるチャンス」と、毎月の積み立て以外にスポット買いをするのもいいでしょう。

(以上単行本より引用)

S&P500に投資できる銘柄は?

S&P500の年足チャートを見ると、過去30年間で株価は11倍。年率平均8.5%の上昇率となっています。2000年のITバブル崩壊や2008年のリーマン・ショック、2020年のコロナショックなど、これまで下落局面は何度もありました。ただ長い目で見れば、年率5%を目指すポテンシャルは十分にあると思います

ということで、S&P500に投資できる銘柄を紹介しましょう。冒頭で、最初の一本として検討したいのは、S&P500に連動した東証ETFです、と申しました。なぜ「東証ETF」なのかというと、日本の証券会社の口座で、日本円で買えるというのがお手軽だからです。

東証ETFでS&P500に投資できる銘柄は複数あります。代表として3銘柄ご紹介しましょう。

・上場インデックスファンド米国株式(S&P500)【東証コード:1547】
・iシェアーズS&P500米国株ETF【同:1655】
・MAXIS米国株式(S&P500)上場投信【同:2558】

上場インデックスファンド米国株式(S&P500) 【東証コード:1547】

日興フロッギーでは、上場インデックスファンド米国株式が買えます。

そのほかに投資信託でも買えます。代表銘柄を2つご紹介しましょう。

・eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
・SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

分配金がほしいならETFを選ぼう

では、東証ETFと投資信託だったら、どちらがいいのでしょうか? 一長一短ありますが、私のように分配金がほしい人は東証ETFが向いているでしょう。一方、お金の増え方では、ETFより投資信託に軍配が上がります。基本的に分配金を出さずに再投資するからです。

カエル先生の一言

分配金が受け取れる時期や回数、金額などはETFごとに異なり、分配金が出ないETFもあります。

今回は、S&P500のETFをご紹介しましたが、「月20万円の不労所得を手に入れる! おけいどん式ほったらかし米国ETF入門」では、東証ETFおよび米国ETFから主要な55本を解説しています。

株式に投資するETFだけではなく、不動産(REIT)、債券、金(ゴールド)もカバーしています。このなかには投資信託では投資できない銘柄もあります。さらには、投資信託とETFのメリットおよびデメリットを正直に比較、あまり語られない投資の出口戦略も提案、読後はETF図鑑として活用できる内容です。

こちらの連載では、今後も年率5%運用のポテンシャルがある他のETFを紹介していく予定ですので、お楽しみに!

今回のまとめ
・年率5%を目指すポテンシャルがあるのは「S&P500」に連動する商品
・S&P500に連動した東証ETFは、日本の証券口座で日本円で買えるのでラク
・分配金がほしいなら投資信託よりもETFがオススメ

次回は1/26(木)配信予定です。