相場に影響を与えそうなイベントを事前に把握しておくことは、投資のキホンでもあります。2023年の注目スケジュールをチェックして、明日からの株式投資に備えましょう!
2023年の4大注目スケジュール
注目②こども家庭庁が発足
注目③日銀黒田総裁の任期が満了
注目④インボイス制度がスタート
注目①インバウンド&旅行・レジャー需要が復活
2022年10月に始まった「全国旅行支援」について、政府は2023年1月10日(火)より制度内容を見直して実施すると発表しました。
水際対策の大幅緩和や円安が後押しとなり、インバウンド消費は回復傾向にありますが、国内での観光需要喚起策が継続されることで、さらなる需要回復に期待が高まりそうです。
また2023年は、レジャー施設に関するニュースも盛り沢山です。まず2023年4月には、「 オリエンタルランド 」が運営する東京ディズニーリゾートが開業40周年を迎え、スペシャルイベントが開催されます。
また2023年夏には、東京都練馬区のとしまえん跡地に「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 – メイキング・オブ・ハリー・ポッター」が開業します。本施設は、2012年の開業以来1600万人以上が来場し、いまだに予約困難なイギリスの「スタジオツアーロンドン」に次いで世界で2番目、アジアでは初のオープンとなります。
開業に向けて、「 西武HD 」はスタジオツアー東京への玄関口となる池袋駅と最寄りの豊島園駅のリニューアルを発表。ロンドンにある「キングスクロス駅」や、ホグワーツ魔法魔術学校への「ホグズミード駅」を彷彿とさせる空間を創り上げるとしています。
さらに2023年秋には、2022年にオープンして話題となったジブリパークに、新たに「もののけの里」エリアがオープンする予定です。ジブリパークへのアクセスに欠かせない「 JR東海 」など、周辺に鉄道や宿泊ホテルを所有する会社は、さらなる需要が見込まれそうです。
注目②こども家庭庁が発足
2022年の日本の出生数は80万人を下回り、過去最少となる公算が大きくなっています。
少子化対策が喫緊の課題となる中、子どもに関する政策の司令塔として「こども家庭庁」が2023年4月1日(土)に発足します。こども家庭庁は、従来の省庁縦割りを打破し、妊婦健診や産後ケア、保育園・認定こども園、児童虐待対策、児童手当といった、子どもと家庭への支援に関する仕事を担っていくとしています。
こども家庭庁の発足に先立ち、政府は2023年度から出産育児一時金を子ども1人につき50万円程度に引き上げる方向で調整に入っています。また、2022年4月以降に妊娠・出産した家庭を対象に、子ども1人につき10万円相当が支給される「出産・子育て応援交付金」も実施予定です。
こうした政策がすぐに脱少子化につながるかは不透明ですが、少なくとも子どもに関する消費は増加する可能性があります。たとえば、育児用品最大手の「 ピジョン 」や紙おむつ首位の「 ユニ・チャーム 」、ベビー・子ども用品店を展開する「 西松屋チェーン 」、トミカやリカちゃん人形など玩具大手の「 タカラトミー 」、ベビーシッター派遣などを手がける「 ポピンズ 」、保育施設を運営する「 JPホールディングス 」など、関連銘柄の動きはウォッチしておきたいですね。
注目③日銀総裁の任期が満了
2023年4月8日(土)に黒田日銀総裁の任期が満了となります。黒田総裁は任期満了後の続投について「再任されたいという希望はない」と発言しており、金融政策をつかさどる日銀のトップを決める人事のゆくえに、マーケットの関心が高まっています。
現状は、大規模な金融緩和を続けても、日銀が目指す賃金の上昇を伴った2%の物価目標は達成できておらず、物価高騰や世界経済の減速懸念も強まっています。
こうしたことから、可能性は大きくないですが、もし次期日銀総裁が金融引き締めに政策転換したら、銀行など金融業界にはプラスとなる半面、不動産やREITなど「借り手」側には逆風が吹く恐れがあります。次期総裁の候補者に関する情報には注意を払っておきたいですね。
注目④インボイス制度がスタート
2023年10月1日(日)からは、インボイス制度(適格請求書等保存方式)がスタートします。インボイス制度は取引内容や消費税率、消費税額といった記載要件を満たした請求書などを発行・保存しておくというもので、消費税額を正確に記録するために導入されます。
これまで、フリーランスなど課税売上高が年1000万円以下の事業者は「免税事業者」として、消費税の納税が免除されていました。ところが、インボイス制度が始まると、免税事業者が負担すべき消費税は別の事業者が納めるルールとなります。
そのため、免税事業者は取引時に消費税分の値下げを要求されたり、取引を手控えられる恐れがあるとして、反発の声もあがっています。免税事業者も申請すれば「課税事業者」になれますが、課税事業者になると消費税を納める必要があり、難しい選択が迫られています。
一方、課税事業者は制度導入後の事務負担が大きくなると予想されることから、これを機に経理のデジタル化を進める企業は増えそうです。
デジタル化をサポートする関連銘柄は、請求書の「受取」、「発行」どちらにも対応し、国内シェアNo.1のクラウド請求書システム「BtoBプラットフォーム請求書」を展開する「 インフォマート 」や、クラウド型経費精算システム「楽楽精算」を手がける「 ラクス 」などがあげられます。
また、「 マネーフォーワード 」が手がける企業向けクラウド業務ソフト「マネーフォワード クラウド」は、税務署への登録申請書類作成のサポートや、インボイス制度に則った形で請求書の金額を計算できるよう対応を進めるとしています。
2024年はNISA制度の変更も
なお、2023年12月末で終了を予定している少額投資非課税制度(NISA)については、2023年度の税制改正で2024年から制度を恒久化し、非課税で資産を保有できる期間を無期限にする方向で調整が進められています。また年間の投資額の上限は360万円、非課税で保有できる限度額は1800万円にするとのこと。投資の上限を大幅に引き上げることで、国民の資産形成を後押ししようとしています。
こうした制度の拡大は、マーケットを下支えする効果や、連続増配や優待銘柄など個人投資家に人気の銘柄に資金が流入する可能性もあります。株価を考える上で企業の業績は重要ですが、需給についてもチェックしておくと良いかもしれませんね。
2023年のスケジュールから投資アイディアを見つけよう!
ざっくりでも良いので、1年間の重要と思われる節目やニュースをメモしておきましょう。そうすれば、たくさんあるニュースの中から、気になる銘柄の業績を大きく左右しそうな、重要なニュースに注目することができるようになります。