音声プラットフォームVoicyの決算10分解説で人気の「妄想する決算」さん。毎日決算書を読んできた鋭い視点で気になる企業と対談します。初めての訪問は、国内100店舗以上のアミューズメント施設を展開する「ラウンドワン」です。20分で決算がまるっと分かる動画をチェックしましょう!
まずはラウンドワンの決算をチェック!
私は「妄想する決算」という名前で、普段はnoteや音声配信のVoicyなどで決算についての情報を発信しています。
今日は株式会社ラウンドワンにお邪魔して自分の妄想している部分を、代表取締役の杉野公彦さんに直接ぶつけさせてもらおうと思います。
ラウンドワンは、皆さんご存知の通りエンターテイメント施設のラウンドワンを運営しています。主な特徴は、ボーリング・カラオケや、「スポッチャ」に加え、ゲームセンターを複合的に展開している点です。
ラウンドワンが大きく成長してきた主な要因としては“先行者優位”があると思っております。複合施設ですから、初期投資が大きくリスクも大きいですから(参入障壁が大きいため)、競合が出にくいと考えられます。
2023年3月期第2四半期決算資料
2023年3月期 第2四半期決算短信(日本基準)(連結)
続いて業績の話もしていきます。
過去の業績ですが、2014年から2016年にかけて、実際に業績は伸び悩みという状況でした。
その後2017年から2020年を見ますと、再成長を始めたことが分かります。成長した要因としては、国内の不採算店舗を減らし、米国への投資を拡大したことが寄与しているものと思われます。
2021年度には、コロナ禍の影響で、大きなダメージを受けました。売上高はコロナ禍以前に1000億円以上ありましたが、609億円まで減少し、経常利益も100億円前後の黒字から198億円の赤字となり、大きなダメージを受けたことが分かると思います。
一方で、2022年度には業績が回復しており、売上高も964億円と、コロナ禍以前の水準には満たないものの、経常利益の水準は53億円の黒字まで回復しております。
直近の業績について見ていきましょう。
今回は2023年3月の第2クォーター(第2四半期)ということで、2022年の4月から9月までの業績を見ていきます。売上高は63%増えて674億円、営業利益は46億円の赤字から69億円の黒字、経常利益は25億円の赤字から71億円の黒字。純利益は21億円の赤字から52億円の黒字となっており、大幅な黒字転換です。
業績回復した要因をセグメント別に見ますと、国内は37億円の利益が出ているのに対して、アメリカは40億円以上の利益が出ているという状況ですから、コロナ禍以前は国内を中心に利益を出していたのが、現状はアメリカを中心に利益を出すように切り替わってきたことが分かります。
国内の売上が伸びている要因を詳しく見ていきますと、
店舗数は10.9%伸び、売上高は26.9%増加、なかでも、アミューズメントが51.9%増加という状況ですので、ゲームセンターなどのアミューズメント中心に成長が続いているようです。
アミューズメントが伸びている理由は、クレーンゲームに注力している点にあります。ギガクレーンスタジアムと言う、ゲームを300台以上設置した店舗を増やしています。クレーンゲームは人気が高まっていることに加え、アニメ業界が盛り上がる中、関連グッズも増えています。その結果としてアミューズメントは既存店の売上もコロナ禍以前よりも高水準となっております。
同セグメントの売上は大きく伸びている一方、景品コスト、販促活動のコスト、リース料も増加している状況です。コロナ禍以前と比較すると、景品の増加によって17.6億円ほどの費用が増え、リース料も9.9億円ほど増加しています。
クレーンゲームは基本的に大きな初期投資が必要で固定費が大きいビジネスですので、回転率が重要です。人気のうちは収益性が高いですが、その反面集客が減ってくると不採算化してしまいます。そもそも中長期的な見通しとしてクレーンゲーム事業をどうしていくのかが気になるところです。この辺は実際に社長にお聞きしたいと思っております。
妄想する決算 ここが気になるラウンドワン!
・ラウンドワンが大きく成長してきた理由は先行者優位
・成長の要因
① 国内の不採算店舗を減らした。
② アメリカでの展開に投資を進めた。
・国内の主力商品はクレーンゲーム
① アニメ人気で関連グッズなどの景品が増えて売上が伸びている。
② クレーンゲームは初期投資が大きく、集客が減ると不採算化するリスクが高い。
→中長期的なクレーンゲームの需要はどうなっている?
この後、妄想する決算氏がラウンドワン杉野社長へ突撃インタビュー!
クレーンゲーム事業の長期的展望に加え、海外戦略の動向に迫ります。
~続きは動画(5:12−)をご覧ください~
※本動画の対談は、2022年11月24日に株式会社ラウンドワンへの取材を収録したものです。
株式会社ラウンドワン 代表取締役社長
1961年9月、大阪府生まれ。桃山学院大学在学中に父親から営業赤字のローラースケート場を引き継ぎ、現在の経営の元となる複合形態の店舗へ改装し、ラウンドワンとして営業を開始。その後国内で出店を拡大し、1997年8月、大証二部へ上場。1999年9月には、東証一部へ上場を果たす。2010年8月には海外1号店としてアメリカ・ロサンゼルスでも出店。座右の銘は「自然体」。