優待株700社保有! 桐谷さん直伝「優待投資3ヶ条」

桐谷さんと歩く日興フロッギー/ 桐谷 広人山口かおる

憧れの歌手・山口かおるさんと23年ぶりの再会を果たしたのは、4億円の資産を持ち、優待株700社以上を保有する桐谷広人さん。早速、山口さんにオススメ優待株を教えた桐谷さんですが、それだけでは投資家として成長がありません。山口さんを一人前の投資家とすべく授けたのは「桐谷流・優待投資3ヶ条」でした。
「桐谷さんが『推しの歌手』にフロッギーをすすめる理由」(前編)を読む

第1条「優待・配当目当てで買う」


今までのように桐谷さんに教わった優待銘柄を買うだけでなく、一人前の投資家としてステップアップするためにはどんなことが必要ですか?


それでは優待投資の3ヶ条を教えましょう。ひとつは「優待目当てで買う」ということ。優待ではなくて配当でもいいですね。買ったあと値上がりしなくても、持っているだけで優待や配当が来るからOKという、そういう投資がいいと思います。優待も配当ももらえない銘柄だと、値下がりしたときにただ辛いだけになってしまいます。


株価の値上がりは狙わないんですか?


株価の値上がりを狙っても値下がりするリスクがありますからね。一方、優待株は優待廃止というリスクはありますが、そう頻繁にあることではありません。

第2条「余ったお金で投資する」


2番目が「余ったお金で投資する」。生活費を投資に充てたり、ギリギリのお金で投資したりするものではありません。まして人から借金してやるのは絶対にダメです。株っていうのは買ったあとそのまま平行線ということはほとんどなくて、上がるか下がるかなんですよね。下がったときに余裕のないお金だと、もう本当に精神的に苦しくなっちゃうわけです。


来月分の家賃で投資して値下がりなんてしたら……想像するだけで恐ろしいです。


だから当分は使う予定のない、余裕のあるお金で投資することですね。

第3条「株は辛抱」


3番目は?


「株は辛抱」です。私は色紙を求められたときにも「株は辛抱」とか「株は忍耐」と書きますが、この気持ちは株でも将棋でも非常に大事ですね。


値下がりしても辛抱する、ということですね。


優待や配当をもらいながら辛抱するんですね。私は、配当と優待を合わせて4%以上の利回りがあれば買うようにしているのですが、最近は配当をたくさん出す会社が増えてきました。今、日本の上場企業が何社あるかご存知ですか?


3000社くらいですか?


3800社ほどですね。そのうち配当利回りが4%を超える会社が約600社もあるんです。ほんの数年前に私が調べたときに数十社しかなかったのが、ものすごく増えているんです。


そんなに増えたんですね!


配当利回り5%以上の会社も150社以上あります。こうした高配当株や優待株を買ったら、ちょっと下がったからと投げ出さず、辛抱することが大事なんですね。株というものは、一番安いところで買えるものではありませんから。

成功の秘訣は「安いときに買う」


桐谷さんの成功の秘訣は?


「安いときに買う」ということですね。クリーニングの「 白洋舎 」は数年前に3000円だった株価が、コロナ禍の外出自粛でクリーニング需要が落ち、2021年10月には1000円台まで下がったんですね。私は2022年1月に1355円で買いましたが、その後もっと下がって1077円(2022/1/28)になってしまった。


株価が下がると、辛い気持ちになりますよね。


下がるときには勢いがつきます。「安い」と思って買ったのに、さらに下がることが少なくないんです。でも数年前の3分の1の値段で買っていますし、優待があれば辛抱できる。それに、株価が安いときに買っておけば、もう少し下がることがあっても辛抱していればもどってくることも多いです。実際、白洋舎も今は1800円くらいまで回復しています(※取材日11/7時点)。やはり「株は辛抱」なんですね。


ちなみに、業績は重視しないのですか?


そうですね。業績を見ると、業績がいいからと高値掴みをしたり、株価が安くなっても業績が悪いから当然だと思って安いところで買えない。そういうことがありますから。もちろん、何億も儲けている方はしっかり業績を見て分析しているんでしょうけれどもね。私はとにかく優待がある会社は個人投資家を大事にしてくれている企業だなと思って、安いときに買う。そういう投資がいま私が成功しているちょっとした秘訣みたいなところはあると思います。


そういえば、いま安くなっているからと桐谷さんにお勧めいただいたデパート銘柄も利益が出ています。


そうですね。コロナ禍で「 髙島屋 」も「 三越伊勢丹 」もみんな下がりましたが、下がったものは基本戻ってくるんですよね。「 JAL 」や「 ANA 」や「 JR東海 」なども一時半値近くなったものもありましたが、戻ってきました。業績を重視する人は業績が悪いから買えなかったかもしれませんが、私はそういった銘柄も安くなっていたので買いました。業績が悪いときに買うのがいいと私は思うんですよね。


「安い」と思う基準はなにかあるんですか?


わかりやすいのは「年初来安値」ですね。「今年になっていちばん安い株価」が「年初来安値」で、3月末までだと「去年から今までいちばん安い株価」です。先日は「 日本テレビHD 」が年初来安値をつけたので買いました。今は下がっていても再び太陽が昇るのを待とうと辛抱する気持ちが大切ですね。


日本テレビは優待がないようですが……。


ところが半期に1回届く報告書に日本テレビが主催する美術展の招待券がついてくるんです。最近はコロナの影響か、招待券ではなく動画配信サービス「Hulu」の1ヵ月間無料チケットなどが同封されていましたね。こうした会社が公式に発表していないけどもらえる優待のことを、「隠れ優待」なんて呼びます。正式な優待ではないですから、毎年確実にもらえるとはかぎりませんが、これがもらえるなら多少の値下がりは辛抱できますね。


値上がりだけを目的にして買うとハラハラドキドキしますが、農業のように種をまいてお日様が昇るのを待てばいいんですね。

4つのフロッギーの特性を存分に活かそう


安くなっている銘柄をフロッギーなら100円から買えますからね。優待がもらえる株数まで100円、1000円を積み重ねてほしいですね。


今日紹介してもらった2万円くらいで優待がもらえる銘柄なら毎月1銘柄ずつ買って分散先を広げていくこともできますよね。


フロッギーなら100万円以下の場合、買いの手数料が無料なわけですから最初から100株を買ってもお得です。


しかもdポイントも使えるから便利ですよね。


ポイントで投資できたり少額から始められるということは、学生やへそくりで投資したい主婦の方でも使いやすいですね。「 任天堂 」や「 トヨタ自動車 」のような日本を代表する企業の株を買うと何十万円も必要ですが、フロッギーなら100円から買えますからね。


あと、フロッギーのいいところはね、優待は100株にならないともらえないですが、配当は100株にならなくてももらえるところです。高配当でさらに優待がある株は、積み重ねていくことによって、配当をもらいながら優待までたどり着けるのですごくいいんじゃないかと思いますね。定期預金しても利息がほとんどつかない時代ですから、フロッギーを上手く活用して積み重ねる過程も楽しんでほしいですね。

4つの「日興フロッギー」の特性
・100円から買える
・100万円以下の場合、買いの手数料が無料
・dポイントも使える
・優待は100株以上にならないともらえないけど、配当は100株にならなくてももらえる

優待情報は「適時開示情報」でチェック


桐谷さん、私はこのあとどうやって投資していけばいいですか?


少しずつでも優待銘柄を増やしていってほしいですね。そうすれば年々優待がたくさん届くようになり、もらった商品や割引券で人生を楽しめるようになりますから。


届いた優待をみんなで交換し合ったり、誘い合って出かけるのも楽しいですよね。


近くに施設がなくて自分では使えない優待券はプレゼントするのもいいですね。「 ウエスコHD 」という銘柄は水族館の入場券がもらえます。でも水族館があるのは神戸や四国なので友人に送っていますね。


優待の情報はどこで見ればいいですか?


適時開示情報」ですね。上場企業の重要な発表は適時開示情報として発表されます。ただ毎日たくさんの適時開示情報が発表されますから、「優待」と入力して検索すればいいですね。1日に数社くらいから何らかの発表が出ています。

桐谷さんが「2022年いちばんの衝撃」を受けた銘柄


印象に残っている適時開示情報ってありますか?


2022年いちばんの衝撃は「 AB & Company 」という会社の適時開示情報でしたね。3月に株主優待の新設を発表したんですよ。100株、約10万円で8000円相当の優待券がもらえるというから、とても有利な優待です。


みんな買いたくなる発表ですよね。


ところが、この発表の翌日、株価は990円から840円、さらに次の日には700円台へと急落したんです。


えっ、なぜですか?


同時に発表した決算内容が悪かったからなんです。値上がりを期待する人は業績に目を奪われて売ったせいで株価が急落したんですね。でも、私のような優待投資家からしたら急落は安く買う大チャンス。実際、業績だけを見ていた人が売ったあとは優待が見直されて株価は上がったんです。「麦わら帽子は冬に買え」の典型ですね。


他の人がほしくない時に買うといいんですね。そして、優待をもらいながら「辛抱」して待つと。


優待株は、ETFや投資信託と違って、持っているだけでかかるコストはゼロですからね。長期投資に向いているんです。それに、一度100株持てば、(優待が廃止されない限り)毎年もらえるので、長く持てば持つほどお得です。最近は長期保有することでさらに優遇される制度もあります。


わ、言われてみるとたしかにそうですね!


若い人の中には、何十年後かの老後になって果たして年金はちゃんともらえるんだろうかと思っている人も多いと思います。それなら、いま大金はなくても小さなお金をね、積み重ねて優待株を1つずつでも増やしていけば、先ほど申し上げたように、だんだんもらえる優待が増えていって、優待で人生が楽しめるようになると思います。老人になるころには優待だけで生活ができるようになるかもしれません。なので、まずフロッギーで少額から始めるっていうのがいいですね。


あ! いい時間になりましたからでかけましょうか。今日はお寿司にしましょう。「 SFPホールディングス 」の優待券は持ってきましたか?


はい!


SFPホールディングスは4000円分のお食事券が年2回もらえるんです。「磯丸水産」で有名な会社ですが、今日は「きづなすし」にしましょう。山口さんも私もSFPホールディングスの株主ですから、今日はお食事券を活用して楽しみましょう。

桐谷さん、山口さんは、このあと「きづなすし」で美味しいお寿司をお得に召し上がったそうです。いままとまった資金がなくてもコツコツ優待株を買っていくことで、将来楽しい優待生活を送りたいものですね!

※本コンテンツ中で言及する株価は、原則として取材日時点(11/7)のものです。
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優待の内容は2022年1月現在の情報を記載しております。本コンテンツ作成後に変更されている場合がありますので、最新の情報については、皆様ご自身でのご確認をお願いいたします。また、優待の内容は代表的な事例をもとに記事を構成しております。詳しくはそれぞれの企業のHP等でご確認ください。